退屈な人生。
「あーかったりーなー」
毎日会社に着いた瞬間放つ言葉。そう言うからそう思えてくるんだって昔からよく言われてたけどそう思ってるのが本心だ。そんなことよりなんかみんなこっち見てるから挨拶でもするか……
「お、皆さんお揃いで。こんちわ!」
一足進むと…
「竹山さん、今日も重役出勤ですか? 良いご身分ですね」
二足進むと…
「まったくですわ、何回注意しても勤務時間に遅れるんですから」
来たよ、右がピー子で左がパー子、ピーチクパーチク喧しいから勝手にインマインドで呼んでる。自分の席に行こうにも、入り口すぐのこの2人の席の前を通らなきゃ行けないから毎日小言を言われるんだよな。
「ちなみに服はこれ(萌えT)でも赦されるようになってるぜ」
「…今度から気をつけて下さいね」
「…ふんっ」
俺が独り言を始めると決まって離れてくから俺と関わりたくは無いんだよな。体裁上の注意であって俺が直そうとするとは思ってない。
「席に座ると俺は徐ろにこう発した。なんか楽しいことねーかなぁ」
そう言いながら、自席に腰を下ろしPCの電源を入れるときゃつが来た。
「よっす、今日もご機嫌だな。タケちゃん」
「誰がご機嫌だって? もし俺がそう見えるんだったら君の頭は沸いてるよ」
「沸いてるのはお前だろ!はははっ」
「このなんかうっさい感じのヤツはこの話の後出てこないから名前は無い」
大学が同じでそのまま同じ会社に入った同僚だ。別に拘りは無いから悔しく無いけど出世して、一応俺の上司の役割を担っている。
「んなひでえこと言うなよー、またアニメの妄想か? それより…今日は良い情報持って来たんだよ」
年甲斐も無く耳元で囁くようなヤツの情報なんて碌でも無いと思うんだがな...
「ここで食い付くと調子に乗って焦らしの嵐を食らうから黙っとくのがベター」
「そんなに気になるのか? 仕方ないなぁ〜教えてやるよ」
ご機嫌なのはお前じゃねーか
:
:(時間の経過を表す記号の設定)
:
「ふーん…」
「なんだ興味なさげだな」
「いや、そんなことは無いがどうにも胡散臭くてな」
「臭くないわよ」
「…まぁ見てみるわ」
良い情報とやらを俺に教えてきゃつは自席へと帰って行った。
「口ではあんなことを言った俺だが、内心とても気になり速攻で仕事を終わらせて帰宅した…」
なんて言って終われば苦労しないんだよなぁ
遅刻した分定時を過ぎて、でもホワイトだからきっちりかっちり8時間労働して帰宅した…
第1話・終