第1話:暗中模索
なんとなくですが自分の考えを世間に出したくて一作目を投稿しました、拙い文章ですがこれから切磋琢磨して聞いますので、よろしくお願いします
辺り一面岩肌の大地、激戦を思わせるえぐるような傷や穴が各所に点在し火の手が上がっている、空高くに存在する巨大な魔法陣を背にした黒い女の子、そして冷たい風と共に肩で息をし、立っているのも精一杯なほど憔悴した女の子が2人いた。
「もう少しよ、あと少しであの子を元に戻せる」
そう言い放なち疲れを隠し切れない様子の彼女は、拳を握り歯を食いしばらせた
「そうだね、私たちが頑張らないと...」
続けて言葉を発した2人目の少女は、言い終わると同時に右手を前に突き出し背後に魔法陣を精製、魔法名を放った。
「ディザスターマイン!!」
魔法陣から天高くに座す少女めがけて大量の魔法球が命中し爆煙があたりに広がる、がその着弾の応酬と言わんばかりに高笑いがこだました。
「あはははは!!そんな豆鉄砲で私を落とせるなんて、意気込んだ割には大したことないわね」
そう言って不敵に笑った彼女の周りには魔法球を防いだと思われる防御魔法が張られダメージ1つ与えていない事を伝えている。
「あぁだろうよ...だけど目くらましはは成功だ」
同じくニヤリと微笑み返す。
そう、そして上空に飛ぶ彼女が気づく、その場にもう1人いたはずの少女が消えていることに。
「やっと気付きました、貴方の弱点は正面にしか防御壁を張れない、そして一度張れば数秒のリキャストタイムが存在するって事にね」
もう一人の少女が彼女の背後に現れ彼女が驚愕する。
「馬鹿な...!こんな簡単な罠に私が...!」
ふり向こうとしたした瞬間、背後の少女の手には光のレイピアが精製されていた。
「これで貴方の悪を消し去る!!」
雄叫びを上げながら彼女の心臓に突き刺さる!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
壁は白、天井も普通でよく整理されどこにでもあるの民家の一室、ごく普通の部屋に大きなため息がこだまする。
「弟よ、頼むから勉強している姉の部屋に入って深夜アニメを見るのはやめてくれ」
機嫌が悪そうに机から顔をあげ、眉をひそめてメガネをかけ直す少女。
手に持った使い古されたシャーペンはミシミシと音お立てている。
梶原ミナコ、彼女の名前である。
「いや、だってラジカルなみみんの最終回だったからリアルタイムで見たくて...」
申し訳なさそうに言いつつも悪気は無さそうに薄ら笑いでそう答えた弟
「あのね私受験生、再来年には試験を受けなきゃいけないのよ?!、いくら私の部屋にテレビがあるって言っても深夜0時半に転がり込んできてアニメ見るとかどうよ!常識!」
目を血走らせながら若干食い気味にミナコはそう答えた。
「ほら見たいの終わったんなら帰れ早く」
不躾に弟を追い出し机に向かい直す、本来ならこんな時間まで勉強する事はないが弟のアニメを見るという突破的な来訪で集中出来なかったようだ。
すると遠くで地震のような音が響いた
「またこの音か、最近多いわね...あ、勉強の続きしなきゃ予定より大幅なロスね...」
このところ、揺れる様な鈍い音が各所から聞こえてきている、頻繁に起こるその音にミナコはイラついていた、しかしペンをくるくる回し数式を唱える。
「えー...と、総数が...」
「お...ぃ...」
蚊の鳴くような声だったがかすかにどこかから声が聞こえたしかしミナコはそれを無視して計算を進める。
「んー...もっと分かりやすいやり方があるはず...」
「おーぃ...」
「うるせぇ!!まだなんか用があるのか!!」
怒りをあらわにしてドアを見るが誰も居なかった。
「...?」
不審に思い耳を凝らす
「おーい、こっちこっち」
確かに聞こえた、それは家族のものでも見知った友人にも当てはまらない少年のような声である。
「なんだ...?」
ミナコは声のする方へ歩み寄る、ベットから声は聞こえる、正確にはべっどの脇に積み重ねられたぬいぐるみの山からだった。
「ぬいぐるみから声?...」
「おーい!」
ぬいぐるみの山を崩すごとに声はどんどん大きくなっていき、ついに声の発生源を見つけ出した。
ミナコはその声の主を鷲掴みにして顔の方まで持っていく、そしてそのぬいぐるみは明確に彼女の名前を口にしてあいさつを交わすのであった。
「こんばんは、梶原ミナコちゃん僕の名前は...」
「ぬいぐるみが喋ったぁぁあ!!」
そのぬいぐるみ、いや物体が自らの名前を口にする前にぶん投げた。
「おっかしいな、勉強のしすぎでおかしくなってるのかな...やっぱもう今日は寝よう...」
ハハハッと自嘲気味に笑い、散らかしたぬいぐるみを片付けようと手を伸ばした瞬間、また声がした。
「ひどいな、いきなり投げるなんて」
「なっ...」
立ちがり胴体の部分をポンポンッとはらい、ミナコに視線を向ける小さいそれを見て信じられないと言う表情を張り付かせたままの彼女をよそに言いそびれた言葉を再度語り始める。
「こんばんは、僕の名前はアルベルト、君は魔法に興味は無いかい?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
テーブルに向かいミナコと珍ぬいぐるみもといアルベルトは会話をする姿勢になっている。
もっともアルベルトは体高がちいさいので参考書を積み上げてミナコの前に立っている。
「えーとなに、つまりあんたは魔法の国からやってきて、日本を問わず世界中で悪さをする怪物に魔法を使って対抗して欲しいってことね...」
「その通...」
「断る」
またしても言い終わる前に言葉を遮った。
「私ね受験生よ、分かる?!勉強しなきゃいけないの数学国語に社会に云々、魔法少女なんかやってる時間ないし、そもそもそんな年じゃない」
有無を言わせぬ物の言い方にアルベルトは若干身をたじろがせた。
「いやでもこの世界では魔法少女になるのはすごい名誉なことって聞いたけど...」
「その偏った知識はどこで身につけた...確かにそういうのに憧れる子はたくさんいるけど、そいうのは中学生位のもので、現実じゃないし私高校生だし」
呆れたようにそう答えるミナコの目には同情すら伺えた
「そうなのか...でも僕的には魔法は現実だしそれに僕にはノルマとかあるし...」
「会社員かよ!!なんだノルマって...」
言い終わる前に先ほどの大きな音が耳をつん裂いた。
「またか、揺れもしないのに大きな音ね」
彼女がそう言うと先ほどからおとなしくミナコに説得を続けていたアルベルトがは立ち直し強めに呟いた
「ミナコちゃん、来たよさっき説明した化け物」
「はぁ?!」
家のドアを開けてミナコとアルベルトは外に出た、出たというよりはアルベルトに無理やりだが、音の正体を確かめるべく、ミナコは半分寝巻きである。
アルベルトにはその怪物の位置を探知できるらしくその方向へミナコは嫌々だが向かった。
そしてソレは路地を曲がったところに鎮座していた。
体調は2メートル近く顔は亀、体はゴリラのような真っ暗な異様な物体である。
「なっ...なんだこいつ...」
今までみたどんな生物のカテゴリーにも属さない容姿のそれをみてミナコは驚愕する
「さっき説明した憎魔だよ、この世界の人の負の感情などの蓄積によって出現するんだ。」
「分かってるよ...」
立て続けに起こるマンガのような非現実にミナコは頭がパンクしそうだったのだ。
「まだレベルも低そうだから人は襲わないと思うけどどうする?ミナコちゃん」
「どうするったってあんな小突かれたら吹き飛びそうなやつどうやっても勝てないだろ...」
そう言った瞬間振り向いたその憎魔と目があった
明らかにこちらを注視して襲いかからんばかりの様子である。
緊迫した空気の中アルベルトは視線をそらさずにミナコに喋りかける。
「魔法を使える状態に変身できるよう君の持ってるその端末にアプリを入れておいたからいつでも変身出来るからね」
「そんな勝手な!!お前いつそんなことしたんだ!」
ポケットに入ったスマフォを取り出して確認すると確かに参考書アプリの中に嫌に目立つピンクのアプリがホーム画面に置いてあった。
「嘘だろおい...」
ミナコは泣きそうだった。
ハッとなりミナコは正面を向くが憎魔は居ない。
「ミナコちゃん!上だ!」
え?と素っ頓狂な声を出し上を向くと手を広げて自由落下してくる憎魔の姿があった、跳躍してミナコの方え向かって来たのだ。
「なっ...!」
「ミナコちゃん!そのアプリの変身ボタンを押し...」
そう言い終わる前に憎魔はミナコの方へ落下した
質量のあるものが地面にめり込み周りは土煙で覆われ見えなくなる。
「うぅ...助かったのか...?」
土煙が風で晴れ状況が鮮明になる、ミナコはとっさに頭を庇うように腕を上げていた
しかしその腕がやたら重いことと、自身の変化に気づいた。
憎魔の巨大な腕をミナコの細腕が守っていたのだ、それと同時に先ほどまで来ていたパジャマが黒い服に変わってる。
「なっなっなっなんだこれ!?」
私どうなって...と言い終わる前に眼前の者と目が合う
憎魔の憎しみに満ちた目がミナコを睨んでいた。
「ひっ...」
ミナコは怯えていた、無理もない話だがしかし、アルベルトはミナコに語りかける
「おめでとう、魔法少女ミナコの誕生だよ!」
「んなこと言ってる場合か!どうするんだこの状況は!!」
もっともであるが、お互いが硬直状態である事にアルベルトは続ける。
「そのアプリのおかげで体に補正がかかってるんだ、
今の君ならヘビー級ボクサーの連打に耐える体と岩をも砕く力が備わったハズだ!」
「ハズってなんだよ!正確に言えぇぇえ!!」
なるようになれとツッコミの勢いで重ねた腕を振り払うと憎魔の体は空気のように遠くへ飛んで地面へめり込む
「すごい力だ...」
「魔法だからね」
当たり前のようにそう返すアルベルトは続けて言った
「まぁでも真っ先に腕っ節が強くなる魔法少女はそうそういないけどね」
ミナコは恨めしそうにアルベルトを見ながら手を閉じたり開いたりした。
「はぁ...なんだか行けそうな気がしてきた」
自分の順応性に疑問を抱きつつも憎魔に対して目配せする、ガラガラとアスファルトが滑り落ちる音を立てながら真っ黒色の怪物がミナコに突進する
「とりあえずお前を倒せば勉強に集中出来る!!」
そう言いながら両手を広げて突っ込んでくる憎魔の顔面に素人臭い拳をぶつけるミナコ、その拳が、めり込みながら憎魔の顔に沈み体をすり抜けた後、憎魔はふっと消えたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・
場所は変わってミナコの部屋、先ほどまでの黒い服ではなく元のパジャマに戻っている。
「飛んだ災難だ、あの力返却出来ないのか?」
もはや懇願とも思える顔つきで問うが帰ってくる現実は非情であった
「一度変身すると魔法少女になる契約に同意した事になるから無...」
そんな答えを最後まで聞かず渾身の力で掴んだしゃべるぬいぐるみを握りつぶした。
「お前それ詐欺じゃないか!!事前の説明にそんな事言ってなかったぞ!!」
「いやまぁ簡単な説明だけだったし後で言おうと思ったけど君が断るから...それに状況が状況だったし...」
「屁理屈こねるな馬鹿!!」
はぁっと大きなため息をついて変身するためのピンクのアプリを開いた。
ステータスと書かれた文字がはっきりと書いてある
「ん?なんだこれ...」
訝しげにその内容をみてみる
「上から順番に変身後の君の状態を示しているんだ」
握りつぶされながらアルベルトは続けてしゃべる
「上から、体力、知力、精神力、魔法適正の値をしめしているんだよ、知力と精神力は平均以上だね、なかなか居ないよ初陣でこれだけの素質を持つ子は!あ、でも魔法適正は0に近いね...」
知力と精神力はともに150と表示されていたが魔法適正は言葉通り2としか表示されていない。
「じゃあなによ、仮にも魔法少女なのに魔法が使えないって訳?いや興味は無いけど」
「いや今後の戦い方しだいで上がることもあるよ、そういう子もいるからね」
ぴょこぴょこ手を動かして説明する、顔は潰れているが。
「じゃ、頑張らないと魔法が使えないんじゃん、ダメじゃん、成り行きとは言えショックだわ、服もダサいし...」
うなだれるミナコに声をかけるアルベルト
「服が気に入らないのかい?だったら変えることも出来るよ!」
「え?服って変えられるの?魔法とか無いとダメなんじゃないの?」
投げやりにつぶやくミナコに嬉しそうに説明し始める
「そのアプリのメニューにある服って項目を開いてごらん!」
言われるがまま服の項目を開く、そこにはカッコいい服や可愛い服多種多様な服が揃っていた。
興味ありげに下にスワイプしていく
「へぇ結構充実してるのね...ん?」
するとミナコは服の画像の下に数字が書かれている事に気付く
「この服のページの下にある15200ポイントってなによ」
「それは憎魔を倒した時に貰えるポイントだねそれを使って服や武器なんかを交換できるよ」
嬉々として説明をするアルベルトに呆れたミナコは
「なにそれ、ステータスといいポイントといいゲームじゃん最近の魔法少女ってそんなのなの...」
取り立て魔法少女といった類に興味があった訳では無いが、イメージが崩れるとやはりショックなのかミナコはがっくりして肩を落とした。
「時代に合わせてシステムを変化させなきゃダメなんだよ、今の子は飽きっぽいって言うからね、僕たちも大変なんだよ」
無駄にシステマティックになる魔法使い像にため息を隠せないミナコであった。
「後はそのアプリの機能としては近くの魔法少女の位置を検索したり連絡を取ったり出来ることかな」
思い出しと言わんばかりにそう言い放ちミナコはハッとする。
「え、やっぱり私以外にもそう言う子が居るのね...」
「望んでそうなった子も居るし戦い方は人それぞれだから一度サーチをかけて会ってみるのも良いかもしれないね!」
ミナコは自身のケータイに映るアプリを見ながら感慨深く言葉を返す。
「まぁ、なってしまったものはしょうがないというかなんていうか、そういう先輩の話を聞いてみるのもいいかもね」
ミナコは疲れた表情でメガネをかけるとそう言った
「まぁ続きは明日だ、せっかくだから勉強の邪魔にならない程度にやってみるよ」
半ば諦めたようにそう続けると彼女はベットに転ぶのだった。
ここまで読んでいたきありがとうございます。
短いながらも所詮主人公が突発な事態に苦労してその中で受け入れていくしか無いというテンプレ作品ですが、自分なりに考えを出せていけたらと思いますので続きもよろしくお願いします。