表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Liited Wars   作者: 佐倉ユキ
第1章
1/1

Awaking

「全く、何で俺がこんなイベントに参加しなきゃなんないんだよ」

「文句言うなって、折角チケットが余ってたんだからゲームデビューと行こうじゃないの」

文句を言われた方は気にしない様子で会場に向かう。

奴の名前はトシキ。平たく言えば俺の相方みたいなもんだ。

「カオルも今時珍しいよな。全くと言って良いくらいにゲームやらないんだから」

「ほっとけ」

ゲームの技術進歩がさらに進み、経済までも動かすようになった世界。仮想世界と現実世界を結ぶゲームができたのはもちろん、こういう風に有志のユーザーを集めてのロケテストなんかも恒例行事のひとつになっている。

「今回のはカオルの親も開発に関わっているんだろ?何か話聞いてないか?」

「知るかよ。あんなゲームに取り付かれたクソ親なんかな」

何でも、今回のゲームには俺の両親も開発に関わっているらしい。基本家でも会話なんてないから心の底からどうでも良いけど。

「久々のロボットものだからなぁ。今回はチケット取れて本当に良かった、ってカオルも思うぜきっと」

そんな俺の心境などお構いなしにトシキは会場の中に入っていった。


チケットを見せて中に入ると、そこにはゲーセンで置かれていたようなカプセル型の筐体が所狭しと並んでいた。

「俺の場所はここだな。カオルのは別なところだから自分で探せよ」

「しばらくの別れだな。ま、ほどほどに楽しむよ」

最初の抽選で選ばれた筐体に向かう。

筐体の中に入ると椅子と頭に付ける接続用のヘッドセットが置いてある。

まずはこのゲームで使うアバターの設定をしないといけない。

最近のゲームでは現実の自分に似せてアバターを勝手に作ってくれるので簡単な操作ですぐできる。

このゲームの前知識がまるでなかったので一応説明を読んでみる。

「なるほどね」

自分でロボットを操作して戦ういわゆる戦略もののようだ。

こういうゲームは初めてなので練習がてらログインする。もう既に何人もログインしているようだ。


目を開けるとそこはもう仮想の世界だった。

俺にとっての初めての仮想世界が広がっている。

「感覚は生身と変わんないか」

軽く手を動かしてみる。少しだけ違和感があるが慣れの問題だろう。

今回のロケテストは100人が参加すると聞いている。ログイン人数を見てみるともうほとんどログインしているようだ。

「みなさん、はじめまして開発担当の者です。今回はこのLimited Warsのロケテストに参加いただき、ありがとうございます」

見たくもないクソ親父の顔が写る。

「このゲームはもし戦争が見世物だったら、ビジネスだったらと言う考えでできたものです。皆さんにはこれから2つの陣営に分かれてもらいます」

そして次にとんでもないことを口にする。

「そして皆さんに殺し合いをしてもらいます」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ