第2話:〜接触〜
第1話〜接近〜の続き、あの後大原はどうなったのでしょう!?
「ぇ、ぁ、ぅ‥」
俺は突然の事に動揺隠せずにいた。
〔な、なんで!?そ、そうか、確か保体委員長転校したから関山が代わりに‥って、それにしても何故!?席は他にもたくさん‥どどどうする俺!?〕
「やっほ〜♪」
俺の心境を知ってか知らずか、関山が挨拶をしてきた。俺は未だ動揺を隠せず、頷いて
「ぉぅ‥」
と小声で返した。
「それでは間近に迫った学校祭の仕事分担について再確認します。」 学習委員長が各委員長の仕事分担を、プリントで読みあげていった。
「ねぇねぇ、大原ってメルアドとか持ってる??」
突然、積極的に話しかけてきた関山に、俺は
「携帯」
と単調に答えた。
「そっか!!いいなぁ、美沙、PCなんだよね〜。ぁ、だったらメルアド教えて〜??」
〔ぐはっ、展開が早すぎる!?こんな女子今までで初めてだ‥〕
そう思っていると、関山が
「駄目??」 と言って、胸ポケットから出していたシャーペンをしまいかけた。
「いや、全然okだよ!!うん、何か紙ある??」
彼女はニコッと笑うと
「私が教えるから、生徒手帳貸して。」
と言って、俺の胸ポケットから半ば無理矢理生徒手帳を取り出した。
「はい、これ!!メール待ってるね。しろよ〜??」
俺の方へ顔を突きだし、上目使いで念押しされた。
夜10時に塾から帰宅し、真っ先に階段を駆け上がり自分の部屋へと向かった。制服のまま塾へ行ったので、部屋に入るとすぐに生徒手帳を取り出す。
「『やっほ〜o(^-^)o』っと。」
メールが送信された事を確認し、SevenStarを愛用のZIPPOでふかした。半分まで吸うと、俺はそれを揉み消して新しい煙草を口に加えた。すると、ズボンの後ろポケットで今流行りの歌が流れてきた。携帯を開き着信メールを見ると、案の定、関山からだった。
「『やっほ♪美沙だよ!!メルありがとo(>∀<*)oこれからよろしく☆』」
俺は
「『ぁぁ、ょろしくな(*´ー`)』」
と適当な返事を返し、夜中まで世間話をした後
「『もぅ寝るなwメルサンキュ♪また明日学校でヽ(*^ー)』」
と送り、SevenStarを2本吸った後、床についた。
次の日、教室へ入ると関山が入口の手前で会話をしていた。そして俺に気付いて、小さく手を振ってきたので俺も小さく手を振り返した。
「関山とメルアド交換したんだってぃ??」
いつもの様に暖房の前に行くと、瑛太がにやけて聞いてきた。
「ぇ、ぁ、ぅむ。」
手でワックスのついた髪をいじりながら曖昧な返事で俺は返した。
「関山も本当積極的なんだなぁ。」
イツメンの悠介が片眉を上げてそう言った。
「まぁ、こんなイケメンを見ちゃうと、どんな女子だって聞きたくなっちゃうさ。」
笑みを浮かべながらそう言った颯太に、俺は
「なっ!!」
と右腕を振り上げた。
「まぁまぁ、抑えろよイケメン♪」
瑛太と悠介が俺の腕を掴んで下ろさせた。
「お前ら‥」
担任が教室に来たので俺は瑛太達に呆れつつも、奥の一番窓際にある席へとついた。
1時間目から4時間目までの授業の後半はほぼ寝ていたが度々、廊下側の席に座る関山と、その近辺に座る女子の笑い声で起きる事があった。
昼休みはいつものように担任の目を避けながら1階と2階で鬼ごっこをした。
「そろそろ戻るか。」
一緒に鬼ごっこをしていた隆也達にそう言うと、皆で教室へと向かった。隆也とは最近仲良くなり、たまに俺の家で飲み会をしている友達だった。
汗をYシャツの袖で拭いながら教室へ戻ると、教卓の周りに人が悠介や颯太、関山と女子数人集まっていたので、何かと思い悠介の肩を叩いた。
「5時間目の最後に席変えするらしいぜ??」
「そいつはまた唐突な。」
今の席がとても気に入っていたので、残念に思いながら苦笑して席についた。
5時間目が終わる頃、担任が学習係を呼び席変えのクジを用意させた。
「運まかせかい、ぁ〜今の席&俺のアイドル尾美さんの横になれますように‥」
「はは。なれると良いなぁ、関山さんと。」
すぐ隣に並んでいた颯太の頭を軽く叩いた。尾美とは俺が少し想いをよせる、背が高く、ストレートヘアーの俺的に相当タイプな女子の事だ。
「おっ先〜♪」
そう言って、颯太が クジの入った大きな封筒に手を入れた。颯太が引き終えると、直ぐ様俺もクジを引いた。
クジには[超気持ちいい!!]と書いてあった。
「なんだこれは」
苦笑を浮かべながら俺は暖房の前で隆也、瑛太と話しながら結果を待った。
「席の場所を書いた席順貼るから、見に来て〜♪」
全員が引き終えた事を確認すると、担任が大声で言いながら黒板に紙を貼った。
「さてさて‥結果はどうなったかなぁ??と」
俺は隆也達と黒板に歩み寄って行った。
第3話をお楽しみに(*`・ω-)b