二 年頃ノ姫君
「えっと…これは…」
自分の部屋に小鳥のような声が響く。
姫君は疲れながらも、株や、土地の整理をしている。
妖怪の王国には、コンピューターという便利な機械はないが、書物や辞典がいろいろある。人間界にはないいいものまでもそろえてある。
「姫、お疲れですか?」
彼の名はティラミス。体格のいい人だ。
緑色の髪の毛。後ろで長い髪の毛を束ねている。
目はスカイブルーと、きれいな色だ。
右目の下には長い直線の傷がある。
召使いらしい服で、毎日を過ごしている。
「いいえ、大丈夫よ。整理が終わったら、書類を片づけないと…」
フフッとティラミスが鼻で笑う。
「たまには休んでくださいよ。姫。」
。。。
「疲れたわ…。」
ベッドの上で横になる。
彼女は、あることに悩まされていた。
「悪魔…様…」
それは、銀河ノ国の王子。
年頃の鬼神は、恋に悩んでいたのだ。
「姫?何かにお悩みですか?」
「えぇ・・・。悪魔様。。あの人に一度目が合ってから一目ぼれしたのよ。愛たいわ。」
もう一度会うのを願う日々。
一生合わないかもしれない日々。
「手紙・・・だわ!手紙を書きましょう!そうすれば、悪魔様だって合いに来てくれるはず!!」
早速手紙を書き始めた。
「願いが届くと・・・いいですね。」
。
。
。
「姫様~!」
白いけれど、少し青い紙・・・。いや、手紙を持ったティラミスが廊下を走る。
遅いで音響の間へ急ぐ。
音響の間は、声が響く部屋のこと。
姫は毎日そこで働いている。
「騒がしいじゃないの?何かあったかしら?」
電話を切り終えると、ティラミスを見る。
「お返事がきました…!」
ハァハァと息を切らしてまでここに来た。感謝せねばなと姫は思った。
「御苦労さま、ありがとう。」
と言い、中身を空ける。
内容は、いたって普通。
最後の文には、普通とは大間違いだった。
【大好き】
最初は鳥肌が立った。
何度も読み返すと、ほわほわあったかくなっていった。
「この宮殿から抜け出すわよ、ティラミス。」
「本気ですか!?姫様!?」
抜け出すと言っても、散歩っぽいものだ。
「父上には、散歩と言っておけばいいでしょう。」
「ですが…」
まだ何かあるのか?と鬼神がにらむ。
「わかりました。行けばいいんですね?」