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&ファイト  作者: もみじ
15/96

壁を叩いて3日経った。

差しあたって変化は無し。

そりゃそうだ。3日で撃てたらみんな達人だ。

しかし、合ってるかどうか分からないことを

ひたすら続けるって結構、心折れるな・・・

覚えているのは、敷石割るくらいの強い踏み込みと

それを手まで伝える身体の回転、的な感じだけど。

敷石割る踏み込みって・・・無理じゃね?

んごーー んあーー むにゃ・・・

こっちが頑張ってるのに、呑気ないびきを立てやがって。

筋トレは欠かさずしているものの、結局必殺技は

何もままならぬまま

ガチャン

廊下の扉の開く音。

今日は俺だよな。嫌だな。

「ジュン!頑張れよ!」

爆睡してても気づいて、気にしてくれる所が

嫌いじゃないぜ、パシム。

「行ってくる!」

不安と虚勢が混ざりながらも、声だけは強く腹から出した。



武具部屋。

さすがに筋力が付いたので、プレートアーマーも

1人で付けられるようになろうと思う。

案内人さんがいつも手伝ってくれるのだが、女の子と

分かったから、なるべく自分で付けられるように

なりたかった。

・・・なんというか、変な見栄?

まぁ、重いものを女の子に持たせちゃダメだしね!

一通り終え、ありがとうといつもの様に声をかけ

・・・この前のことを謝ろうかと思ったが、気のせいか

いつもより距離を取られてる気がする。

諦めるか・・・。

さぁ行こう!と気持ちを入れて立ち上がると

「あの!」

大きい声をかけられ、驚き振り向いた。

自分でも、思った以上に大きく出てしまったことに

驚いたのか、慌てて口を塞ぐ案内人さん。

気を取り直して、フードを外してこっちを見た。

「あの、ジュン様の闘い、私好きです!」

フードを外し、初めてはっきり見る顔は

栗毛色のショートの髪に、大きな瞳は薄い紫のような

綺麗な色をしてパッチリの目。

鼻も口も小さめでかわいく、顔もちっちゃい。

年齢は同じくらいかな?年下?

とにかく、かわいいって言葉がピッタリな女の子だった。

学校でこんな子いたら、男子爆上げだな。

ん?

「え?好き?」

「え?あ!いえ!あの!違くて!!

こんなに周りに非難されてても自分を曲げないで

頑張ってるのが格好いいというかあれ?あの!

ごめんなさい!応援してます!

今日も勝って帰って来てください!」

一気に捲くし立て、真っ赤に染めた顔をまたフードで隠し

慌てて部屋を出て行った。

告白、ではないよな?

闘い方が好きだって言ってたもんな?

とはいえ、本気で驚いた。

緊張がすっとぶくらい驚いた。

応援してくれる人もいる。それが分かっただけで、とんでもなく

嬉しい。頭に残るさっきの言葉を思い返しながら

がんばろ、と呟いた。


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