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あれから数日が経ったが、キラの痣は消えない。

キラは、いつもと同じように元気に振る舞っているが、あれに取り憑かれてから、少しずつ痩せてきているのが目に見えて分かる。魔力のないキラがあれを体内に宿すのは、かなり体力を消耗するのだろう。

多分、あれは、まだキラの中で生きている。


間もなく新学期が始まる。


クラークと何度もキラをどうするかについて話し合った。闇魔法の術者が学園に戻ってきた時、その影響をキラが受ける恐れがある。

でも、キラをこのまま閉じ込めていても、事態はあまり変わらない。少しずつ衰弱し、体と心を乗っ取られていくのを黙って見ているしかないからだ。


結論として、僕とクラークは、キラを普通どおり授業に出席させることにした。

術者がキラに対して、何らかの動きを見せるかもしれず、打開の糸口を見つけられる可能性にかけることにしたのだ。


初めは、キラを囮に使うなんて、絶対に認めないと思っていたけど、僕のことを全部受け入れるとキラが言ってくれたから...、そうすることを決心した。


僕は絶対にキラを失いたくない。その為に戦わなければいけない。


幸いキラは研究科の学生だから、同じ教室に魔力を持つ学生はいない。そこで、キラの教室に魔力のある者が入れなくなる結界を張ることにした。

キラは、毎日、僕の部屋から教室に通い、教室から移動する時は必ず、僕が付き添うようにする。

他の学生達は、ダンスパーティーでキラが怪我をしたことを知っているから、当分の間、キラに護衛が必要だということで説明できるだろう。


魔力のある者達をキラに近付けないことで、ある程度の危険は避けられるだろう。

あとは、キラに近づこうと不審な動きをする者を見つけ出すだけだ。


マリアンヌ嬢には、ある程度の事情を話し、協力をしてもらうことにした。彼女とは以前、例の橋の落下事故の日のことで話をしたことがある。


あの日キラは、マリアンヌ嬢の乗った辻馬車を追いかけて、彼女に魔道具を渡し、落下した橋を迂回する場所にある店に立ち寄るよう助言したそうだ。

マリアンヌ嬢に何故キラの言動を疑わずに従ったのかを尋ねたら、

「キラと一緒にいると、いつも良いことがあるんです。キラは、私の幸運の女神なんですよ。従うのは当然ですわ。」

と言われた。更に、影でこっそりとキラのことを探っていた僕に対して、

「キラに何かよからぬ疑いを掛けているのでしたら、例えアレスフォード様でも許しませんわよ!」

と怒られてしまった。


だからマリアンヌ嬢は、とても信頼できる頼もしい協力者だ。


キラに、新学期から通常どおりに授業を受けるように話した時、キラはものすごく渋った。彼女は他の学生達を危険に巻き込むことを怖れているようだった。

だからキラには、キラの中の闇魔法の残骸は、ほとんどなくなっていると説明した。痣が完全に消えるまで、念のための安全策にすぎないと。


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