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プロローグ

いつの頃からか-----

その人が私の夢に現れるようになったのは。

冷たい冬の海を思わせるような深い青の瞳の青年。少し伸びた濃い茶色の髪を無造作にひとつに束ねている。スラリとした細身の体躯は引き締まり、服の上からもよく鍛えられていることが分かる。

誰もがはっとするような美しい顔立ちだが、誰も寄せ付けないような近寄りがたい冷たい雰囲気を醸し出していて、それでもなお目を離すことができない。


その整った顔立ちには何の表情はなく、ただ暗い瞳でじっと私を見つめる。


彼の瞳を覗き込むと、深い青が一層濃くなり、底の見えない冬の海に沈んでいくような錯覚に捕らわれ、足がすくむような何とも言えない感覚におちいる。


彼が何を考えているのか。

何を伝えたいのか。

獲物を狙う獣のような強い視線。


彼の心を知りたくて。

わずかでも、その顔に彼の心の動きが浮かばないかと思って。

その表情を凝視してみるけれど、やっぱり感情を読み取ることはできなくて。


私はもどかしさと、苦しさで胸がぎゅっと締め付けられる。


長い前髪の隙間から見える氷のような獣の瞳で、射ぬくように見つめられ、私はいつも凍ったように動けなくなる-----


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