2.あれ……なに、これ?
シュール(*‘ω‘ *)?
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次回は、一方その頃かな??
「私、とても嬉しいです! またいつか、会いましょうね!!」
ティーナはそう言うと、花のような笑顔を浮かべた。
俺はそれが嬉しくて自然と微笑み返す。
そうして、その日は彼女と別れた。
いつの日かまた、楽しく笑い合う日を夢に見て。そして――。
◆
――数日が経過した。
その間は互いに気軽な話題で連絡を取り合っていたのだが、ティーナの方が多忙なため、再会の目途はなかなか立たない。
そうしていると、日増しに寂しさが込み上げてきた。
せっかく仲良くなれたのだ。
気の合う相手と話すのは、もちろん楽しい。
だから、俺はいつしか彼女と再び会うのを目標に日々を過ごすようになった。
「……はぁ…………」
「どうした、ワタル。また、例の女の子か?」
「あ、先輩。そうですけど……」
「やっぱりな、顔に書いてある。でも仕事中は集中してくれよ?」
「わ、分かりました……!」
そんなある日のこと。
俺はどこか、浮ついた気持ちで仕事をしていた。
その理由というのも昨夜、ティーナと取り合った連絡の内容で……。
『明後日、やっと休みが取れそうなんです! 居酒屋に行きたいです!』
なんと、多忙を極めていた彼女からお誘いがあったのだ。
俺はそれに浮足立って、眠れない夜を過ごした。その結果として寝不足になり、今日の仕事に身が入っていない、という。
自業自得だが、こればかりは許してほしかった。
最近は仕事でのミスも減ってきて、魔素回収以外の役割もできそうになっている。資格が必要だから、それの勉強も大変だけど。
なによりも、以前とは違って目標がある。
生活に張りがあるというのは、毎日の景色すら変えるのだ。
「……さて、と。それじゃ、魔素を回収しようかな」
とはいえ、まずは目の前の仕事。
そう考え直して、俺は先輩たちが魔物を引き付ける間に魔素を集めた。だけどやはり、どこか気が抜けていたのだろう。
背後から迫る気配に、気付かなかった。
「え……?」
「ひゃっはああああああああああ!!」
それは、一体のゴブリン。
世紀末の悪人よろしく奇声を発したそいつは、手に持った棍棒を振り上げた。人間が喰らえば即死級の一撃。俺はそれに、悲鳴を上げる間もなく――。
「…………ん?」
脳天を割られる。そう思った。
だが、いくら待っても痛みはやってこない。
不思議に思って目を開けてみると、なんとそこには……。
「えぇ!? マジすか? ……はい、分かりました」
「………………」
なにか、耳を手で押さえながら連絡を受けるゴブリンの姿があった。
そいつはどこか不服そうな声色で、通話先の相手に従ったらしい。
こちらをちらりと見て、一つため息をついてこう言った。
「う、うわー! や~ら~れ~たぁ~!!」――と。
そして、一目散に逃げていった。
「…………はい?」
……え? なに、今の。
俺は状況が把握できずに、呆然としてその場に立ち尽くした。
ゴブリンが現代機器を使用したのもそうだが、人間を襲わずに、さらには猿芝居を打って逃走。あまりにも不可解な出来事に、首を傾げるしかできなかった。
「…………えっと……?」
ひとまず、助かったのだろうか。
俺はそのことに安堵するが、この時はまったく考えもしていなかった。
これが、俺にとっての不思議な日々の始まりであることを……。
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