第十話 一切の考察の余地がないあまりにも現実的で説明的な解決
「ごめん……」
マッキーはオレに怒られて泣いてる。
かわいい。
さて、言いたいことは言い切った。
そして今、キレながら、オレは理想のチーター像を見つけた。
この世界に対するオレの答えを。
だけどその前に。
「女神」
「なんでしょう」
「お前、自発的にコードを暴走させられるみたいだけど……」
「あ、はい、できますね。
私の目の前にコードがあれば、って限定付きですが。
あの時ディーゴージさんのコードを暴走させたのも私です。
そうすれば洗礼してくれるかなぁと思ったんですが、何故かリングさんがビビっちゃって結局失敗でした。
うーん、もったいない」
「お願いがある。
マッキーのコードは暴走させないでくれ。
もし暴走させると保証できないならオレは洗礼を受けないし、その後で裏切ったら戦わない」
「はあ、いいですよ。
そもそもそんなにメリットもないし」
「ありがとう」
そう、関係ないんだ。
マッキーが死に戻ろうが、それが暴走しようが。
この世界にいる女神にとっては。
マッキーに愛着がない人間にとってはどうでもいい。
でもオレにとっては大問題。
だからお願いした。
気まぐれで暴走させられたら困るから。
暴走されたらどうなるかなんて知らないけど。
それだけの話。
「あ、それよりもう洗礼受けるんですか。
じゃあ理想のチータ像も、もう?」
「ああ、決まったよ」
たくさんの妄想を重ねた。
マッキーにも怒った。
それで一つ、わかったことがある。
この世界にいるオレには、この世界しかないんだ。
そして、オレはこの世界で幸せになりたいんだ。
この世界でマッキーを幸せにしたいんだ。
世界の仕組みを変える?
バカかと。
それで発生した世界で掴んだ幸せって、それ意味ある? 本当にそれは幸せなのか?
そんなの、幸せがなんなのかわからないオレには知りようがない。
でもそんな幸せはこの世界のものとは違うんだから、やっぱりなっても意味がない。
オレにはこの世界しかない。
それに、どうせ新しい世界でも、また変なことが起きるだけ。
それも安易な「ヤバさ」っぽくて逆に読める。
だったらこの世界で、この世界のシステムにのっとって、オレはオレの幸せを見つける。
承認欲求。
それによる発展と破滅。
チーターという存在と支配種との関係。
これがこの世界の仕組み。
この世界の仕組みの範囲で幸せになる方法を見つける。
オレにはこの世界しかないんだから。
それがオレの大目的だ。
だから、オレの理想のチーター像は
『世界中から嫌われるようなチーター』になること。




