第九話 円環の断り(ただのダジャレではない)
「リング!!!!」
ハッとしてオレは目が覚める。
いや、別に寝てたわけじゃないけど。
妄想の世界に浸りすぎていた。
妄想からちゃんとした現実に戻る。
目の前には女神とマッキーと異世界と化したアルシーヴちゃん。
うん、何も変わってない光景。
これだこれ。
「さ、理想のチーター像は決まりましたか?」
「……もう少し」
と答えたところでマッキーが銃を手に持ってることに気づく。
手に持ってるというか銃口をこめかみに当てて、今にも死のうとしてる。
死に戻り、あと何回かできるかはわからないと言っていた。
発動しなかったらただ死ぬ。
でもマッキーは、もうそれでいいと考えてるのだろう。
どっちでもいい。
それぐらいこの人生には絶望しているだ。
放っておいたら死ぬ。
でもオレは死なせたくない。
だからオレはマッキーの手から銃を取り上げた。
「えっ!?」
取り上げることができた。
いとも簡単に。
「なんで……」
オレもわからない。
まだ洗礼を受けてないからオレはチーターではない。 ただの人間。
腕力ではマッキーに大きく劣る。
まあ理由なんてつけようと思えばいくらでもつけられる。
マッキーが繰り返してきた何回か前の世界のオレは「マッキーを死んで守る」と理想していたらしい。
なんかそれが適当に作用したんじゃないの?
確かめようもないから答えなんてわからんし、わからんでもいい。
なんにせよ事実としてオレは銃を奪えた。
奪った。
「返してよ!」
マッキーが怒る。
でも、オレも怒る。
マッキーよりずっと怒る。
「返すわけねぇだろ!!
ふざけんなよ!!
何が死に戻りだよっ!!
マッキーにとってはこの世界の人生も数ある人生の一つかもしれないけどさ!
オレにとってはこの世界が全てなんだよ!!
マッキーは死に戻ってこの世界のこと忘れても、オレはここに残り続けるんだよ!!
マッキーが死んでハチャメチャになった世界で、オレは独りで生きていくことになるんだよ!!
マッキーはそれを何回もやってきたんだ!
繰り返してきた世界ではオレが生きてるまま絶望して死に戻ったパターンもどうせあるんだろ!?
それも結構な数!!
ふっざけんなっ!!
オレ、可哀想すぎるわ!!
死に戻りする奴ら、そういうこと考えない奴が多すぎるんだよ!!
考えろよ!!
オレは今、置いてかれた世界のオレの分まで怒るぞ!!
ふざけんなよ!!
置いてくなよ!!
マッキーがいない人生とか、もうオレ考えられないんだよ!!
絶対死なせない!!
戻らせない!!
オレにはこの世界しかないんだ!!」
キレたった。
疲れるね。




