第七話 驚いて言葉の出ないオレたちを余所に、女神はベラベラと一方的に説明を続けた。
「あら! あらあらあら! あら~……。
死んじゃいましたか?
まあ、そりゃ死んじゃいますよねー
おや、みなさん、どうしましたか? そんなに驚かれて……。
もしかして、アーカイブさんが死んだ理由がわからない?
いやいや、そんなはずはありませんよね。一緒にしっかり見てましたし。
え? 『支配種の攻撃は当たらなかったはず』……?
何を言ってるんですか。
当たってたじゃないですか。
顔? 腹? ……ええと、それは避けてましたよ。ギリギリで。
ああ、『体には』当たらなかったはず、という意味で言ってたんですか。
でしたらその通りですが、でも今はそういう話ではないです。
おかしいですね……。
戦い、見てましたよね?
当たったじゃないですか。
砕けたじゃないですか。
『杖』ですよ。『杖』。
コードである『杖』に、支配種の攻撃は当たってましたよね?
砕けてましたよね?
ええ、そうですそうです。
コードが壊れちゃったからです。
だから死んじゃったんです。
……?
まだ、ピンと来てない様子ですか……?
え? コードが壊れることと、死ぬことが、なんの関係があるか……?
……関係ありますよ。
関係大アリですよ。
だってコードってチーターさんの『本体』ですよ?
ええ、本体です。本体は本体です。
……意味がわからない……?
こちらとしてはなんでわからないのかわからないです……。
本体という言葉の意味は……ああ、そこはわかりますよね。
よかったよかった。
じゃあなんでわかんないんですかっ!
失礼、思わずツッコんでしまいました。
ちょ、マッキーさん、怒らないでください。顔恐いですよ。
でも、だって……本体が壊れたら死ぬ、そんなの当たり前じゃないですか。
なんでもそうですよ。
だからなんでわからないのかわからなくて……。
チーターさんの本体がコード、ということがわからない……?
あ! あ~~~! そういうことでしたか!
そっか、それ……言わないとわかんなかったんですかね……。
言わなくてもわかると思ったし、言ってもつまんない話だから説明とかしなくてもいいかなと思ってました。
わかりました。言います。
考えても見てください。
コードを抜いたら、なんの取り柄も魅力も価値もない元ゴミクズのチーターさんたちが、それでも世間からヒーローのように称賛されるのは何故でしょうか?
それは当然、コード能力があるからです。
世間も支配種も世界も、チーターさんそのものではなく、その『コード』を評価し脅威にしてるんです。
逆に言えばコードがなければ生きる価値なし!
それがチーターさんたちなんです。
ね? これはもう、コードが本体でしょ?
コードが壊れたら死ぬのも納得でしょ?
ちなみになんですが、だからチーターさんの使う能力の名前も、わざわざ『コード』にしてるんですよ。
だって能力の名前を『チート』にしてしまったら、『チーター』は『能力を使いこなす人』みたいな意味合いになってしまうじゃないですか。
実態も実体も全然真逆なのに!
能力の方が本体なのに!
それではウソになってしまいます。ウソはいけませんよねっ!
だからチートではなくコードなんです。
他人に用意してもらった仮初の力、コードがないと何もできない分際で、それでもまだ他人から認められたい底なしの承認欲求の害悪細菌。
それがチーターさんなんです!
他人がくれた力の奴隷!
コードがなくなったら世界から切り捨てられるのは当然なのです。
だって生きてて意味がないんですからっ!」




