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第四話 チーター兄妹VS支配種

 アーカイブ・アルシーヴ兄妹との邂逅から数日後。

 次の支配種が現れた。


 今日は新聞記者も近くまで立ち入りが許され、ギャラリーもいる。

 もう新しいチーターもいるし、現れた支配種もよくある普通の感じだから多分安全、と判断されたということだ。


 オレとマッキーも戦いを見にやってきた。

 横には女神が平然といて、「楽しみですね」とか話しかけてくる。

 本音を言えば無視したいけど、それは可哀想なのでヘラヘラ相槌を打つオレ。


 でもマッキーはやたらと女神を警戒してて、オレと女神の間に壁として立ちながら「う~」と唸っている。


「いや~さすがにもう勧誘はしないですって~。

 なのでそんなコワい顔しないでくださいよ~。

 この間、しっかりリングさんに断られちゃいましたし、それにホラ、今洗礼させたらあの人たちがうるさいんで」


 あの人たち、というのはもちろん、今日の主役の兄妹だ。


 視線を向けると、現れた支配種を相手にちょうどコードを発現するところだった。


「えいっ! コード発現! ヘカトンケイルの黙示録!」


 そう叫んだのは妹の方。

 すると体の前に巨大な盾が現れた。

 幅も高さ厚さも、人間の体の何倍分もある巨大な盾だ。


 それを見たからなのか支配種はギラッと光り、極太の光線を放つ。

 つい先日、この町がかき集めた総力を一瞬で葬り去ったあの光。

 あれとよく似ている。


 そんな不吉な光線をあの盾は受ける。

 受けて、受けて、受けきった。耐えきった。

 さすがと言うところか、あの盾は傷一つついていない。


「はぁ……、はぁ……。えへへ、どうだっ!」


 半人前だなんだと女神は言うが、防御だけなら十分反則級だ。


「よくやった、アルシーヴ! 次は俺様の番だ!

 コード発現! ヴァジュラの杖!」


 妹の盾の影に隠れることで光線をしのいだ兄も、満を持してコードを発現。

 手のひらの先から出てきたのは巨大な杖だった。


「ぶちかましてやるぜ!!」


 と言うからには攻撃特化型のコードなのだろうか。

 しかし……。


 ギラッ! ギラッ! ギラッ! ギラッ! ギラッ!


 ドドドドドドッパーーーン!!


 支配種の連続攻撃が止まない。

 これでは兄も盾に隠れ続けるしかないようだ。

 その状態では攻撃が……。

 と思ったのもつかの間、妹の盾に小さな穴があく。

 そしてそこに、兄は杖を刺し込んだ。

 正確には『セットした』というのがふさわしい表現かもしれない。


 その光景を見てオレはこのコンビの凶悪さを理解する。


 そうか。あの盾の役割はただの防御だけじゃなく、砲台でもあるのだ。

 あの杖専用の砲台。砲台兼盾。

 つまり兄は守られながら、一方的に攻撃を仕掛けることができる


「ぶっとべえええ!!!」


 杖からは目の前の支配種に対抗するかのように巨大な光線が放たれた。


 支配種の放った光線とぶつかり、そしてぶち破る。

 さすが腐ってもチーター。兄の方も威力だけならは十分に反則級だ。


 杖の光線は支配種の光線をぶち破った後、そのまま発射元でもある本体を貫く。


 光線を受けた支配種は一瞬で消滅した。


 ……なるほど。

 これはいいコンビかもしれない。

 妹が反則級の防御を担い、兄が反則級の攻撃を行う。

 中でも一番の反則っぷりはそれが同時に使えること。

 攻撃中もガード状態とは普通にズルいぞ。

 一人一人は半人前でもこの組み合わせは無敵じゃないのか?


 どんな支配種が相手でも、あるいは一人前のチーターが相手でも引けを取らないだろう。


 ワァァァァアアアア!!!


 そんな新しいチーターコンビの活躍と可能性の高さに歓声が沸き上がる。

 新しいチーターは人々に受け入れられたようだ。

 ちょっとうらやましい……と思ってしまったのがバレてマッキーに睨まれる。


「ダメだよ?」


「わ、わかってるよ。

 それにほら、あんな強いコンビの邪魔したくないし。

 怒らせたらすっごく面倒そうだし」


 本音だ。

 ひとまず洗礼をしない理由が外的にでも見つかって、オレはホッとしていたんだ。


 なのに。


「あら、リングさん、その心配はありませんよ。

 あの二人はしょせんレベル50なんですから。

 レベル999のリングさんの相手にはなりませんよ」


 この女神は……。本当になんなんだ。

 また自分への期待感でドキドキしてしまったじゃないか……。


「リング」


「だ、大丈夫だよ」


 マッキーの警戒心がヤバい。

 何か言い訳をしようと脳内を巡らせていたところ、


「まあ、レベル50なら暴走しても大したことなさそうだな」

「ああ、安心安心」

「ディーゴージさんの暴走はとんでもなかったからな……」


 ……!

 そんな声がギャラリーの中から聞こえた。


 万が一の暴走した時を心配する声。


 そうかもしれない。

 本来であればレベルの低さはナメられる要因かもしれないが、暴走へのトラウマがまだ冷めやらないこの地域においてはむしろ安心の要素なんだ。


 レベルが低くても支配種相手にはそこまで苦労もしなさそうだし。


 でも、だとしたら……。

 オレがチーターになるのは果たしていいことなのか?


 もしオレのコードが暴走が起きたら……?

 それこそ世界が終わるんじゃないか?


 ならやっぱり、オレはチーターになるのは危険なんじゃないか?


 そんなことを考えてて、オレは少し震えた。

 理由は3つ。

 1つは恐怖心。自分のしでかすことの大きさに震えた。

 もう1つは残念という感情。

 自分はチーターになるべきではない、そう考えるとやっぱり少し残念という感情が沸いてくるのだ。


 そして、3つ目の理由はもちろん……。

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