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時間

私には時間が足りない。

日々やりたいこととやらねばならないことに追われている。

それらを日々天秤にかけ優先順位を決めて時間を使用していく。


まず仕事。

これに時間を割かないわけにはいかない。

私は資産家でもないし、莫大な遺産を引き継いだわけでもない。

働かねば死んでしまうのだ。


私は大学で学び自分が成りたいと思った仕事に就いたはずだった。

しかし今ではお金を稼ぐ手段へとなり替わっている。

仕方のないことではあるのだろう。

人間生きるために働いているのだから。


次に食事。

これもさぼると死んでしまう。

時間を確保するために栄養剤でしのぐこともあるが、それは一時しのぎに過ぎない。

生きるためにはまず物を食わねばならない。

幸いにも食べる分は仕事で稼いでいる。


だがやりたいことをするためには時間が足りない。

だからまずお金にものを言わせて作る時間というものを減らす。

幸いにも現代にはコンビニ弁当やお惣菜、冷凍食品が充実している。

お金は少し多く使ってしまったが時間を作ることができた。


次に睡眠。

これも少し減らすことはできるかもしれないが、十分できないと死んでしまうもののひとつである。

仕事での疲れをいやす一因でもある。

だけど私には時間が必要だ。

少し減らそうそう思い眠りについた。

起きると、さわやかな朝が広がっていた。

もう出かける時間だ。


きっと週末こそ時間が取れるはずだ。


私はそんな気がしていた。

しかしその願いはかなわなかった。


時がたって私は、医者に余命1年だといわれてしまった。

私にはもう時間がない。

仕事はもういい。

1年生きる分の蓄えはある。

もうやりたいことだけをやろう。

悔いを残さないために。


まずゆっくりと食事をとり、多めに睡眠をとる。

起きるとさわやかな世界が広がっていた。

しかし、一つ自分の胸に刺さった違和感がある。


やりたいことってなんだっけ?

そんな些細でかつ重要な疑問だ。


まさか、自分は存在しないやりたいことのために時間を削っていたのだろうか?

そんなはずはない。

学生の頃はあんなにもやってみたいことに満ち溢れていたのに。


思い返すと学生の頃は楽しい人生を歩むために、なりたい職業のために頑張っていた。

今もそうだろう


私は結局のところ本当にやりたいことに出会えていなかったのではないか?

気が付かないように頃に蓋をしていたような錯覚に陥った。

そんなはずはないのだ。

しかしどこかで間違えていたのだろう。

そうでなければ私は今幸せの真っただ中にいなければならない。


何をどう間違えたのか?

私は考え始めた。

自分は間違ってはいなかったはずだ。

ならば何が間違っていたのだろうか?

頑張っても報われないこの世界だろうか?

仕事を楽しくなくする周りの環境だろうか?

なんにせよ私は悪くないはずなのに報われない。

そう時間の無駄だったのだ。


私はただただ怠惰に時間を過ごしていった。


そして死の間際気が付いた。


やりたいことはやっていたのだと。

自分が選んだ仕事は確かに自分のやりたいことだった。

そして、日々の生活の中にも楽しきはいろいろあった。

しかしいつからだったろうか、すでに手に入っていたものを際限なく探し始めたのは。

すでに見つけているはずなのにまだ見つかってないと際限なく探し始め。

その探す作業のためにやりたかったことや楽しかったことを犠牲にしてしまった。

わたしはこの1年間やりたいことを探し続けた。

悔いをなくすために。


ああ、時間の無駄になってしまったなぁ。


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