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譲り合い

あたしは譲り合いの精神っていうやつが好きなんだ。

相手のことを考え、相手のために自分の持っているものをほんの少し分けてあげる。

そんなちっぽけなやさしさが好きなんだ。


出会いは子供の頃に読んだ絵本の中、あたしは譲り合いに魅せられた。

こんなに素晴らしい人間になれたらどんなにカッコいいだろうと憧れた。

だからあたしは人にやさしく譲り合いを胸に生きると決めた。


あるときどうしても図書委員会になりたい子がいた。

くじ引きではあたしが勝ってしまった。

そこであたしは微笑みながら、彼女と自分のくじを入れ替えた。


彼女は生まれつき体が弱いそうだ。

だから重労働のない図書委員になりかかったようだ。

あたしは誇らしい気持ちになった。

物語の中のやさしさを自分は持つことができたのだから。


彼女とは話が合った。

彼女も私が好きな絵本を読んでおり、二人でたくさん語り合った。

彼女を親友と呼ぶようになったのはそう長くない時間がたってからだった。


あるとき私は親友と同じ人を好きになってしまった。

そう親友に告げると、友人は笑顔で答えた。

「あなたなら私はあきらめることができるわ。」

「頑張って!応援しているわ!」


なんでだよ!

私の中で激情が走った。

あたしは今までずっと譲ってきたじゃないか!

奪うわけがないじゃないか!

今度ばかりは諦めることができないんだ!


あたしはその時気が付いてしまった。

ここでこそ譲り合いの心を持たないといけないのだ。

あたしが憧れたものはここできっと譲るのだろう。

あたしは自分が本当に欲しものを手に入れられないときに譲ってほしいから、今までひとにゆずってきたわけではないんだ。


あたしはあの物語の中のやさしさにほれ込んだんだ。


あたしはあの物語の中のやさしさに感動した。


あたしはあの物語の登場人物のように優しくなりたかったのだ。


だから、笑って譲ることにした。


命を


~~~~~


私の親友はいなくなった。


彼女は本当にやさしかった。


残酷なほどに。


相手がどう感じるかなんて関係がなかったのだ。

ただ憧れたやさしさを体現するために譲り合っていたのだ。

いいや、譲り続けていたのだ。


馬鹿な私は今更気が付いた。

彼女は私の心を震わせるために当て馬になろうとしていたのだろう。

そうでもなければ親友は人から物を奪うことなんてしなかっただろう。


彼女は私に2つのものを残した。


私は彼女の残したものを大切にしようと思う。


誓うよ親友

私はあなたのように優しい譲り合いの心を胸に生きると!

この心臓に誓って。


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