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自己表現

僕は話すことが苦手だ。

きっと僕の話はつまらない。

よく落ちのない話をしてしまうし、話の途中に矛盾を見つけて話すことをやめてしまう。

数少ない友達は僕の話は面白いといってくれるが、きっと気を使ってくれているのだろう。

つまらない話だとしても友達と話すのは楽しいのだろう。

でも話の内容は頭に入っていないのだろう。

どうせ誰も話を聞いてくれない。


僕は文章を書くことが苦手だ。

つぎからつぎへと書きたい内容が浮かんでくる。

拙い言葉、拙い表現、そんなものを書き連ねるのはどうかとは思うが、それでも伝えたいことがあふれ出る。

予定の文字数を大きく超えてしまった。

こんな長ったらしいもの誰も読んでくれないだろう。

僕の文章を読んだ先生はとても面白い!君は小説家になれるよ!と言ってくれた。

この先生は優しい。

僕が頑張って書いたものに価値をつけようとしてくれたのだろう。

だがしかし、

僕の本が売れ残る姿が目に浮かぶ。


僕は絵を描くことが苦手だ。

自分が見たままには絵にすることができない。

僕は写真のような絵が描きたいのに。

美術の先生はとても味のあるいい絵だといってくれた。

たとえ「味がある」とついていたとしてもいい絵だとほめられるのはうれしいい。

だけど廊下に貼るのは勘弁してほしい。

きっとみんな笑われるだろうから。


僕は歌うことが苦手だ。

声が大きく他の人の声をかき消してしまう。

それに高く済んだきれいな声でも、低く耳心地の良いいい響きでもない。

音楽の先生は良く透るいい声だといってくれた。

きっと変な癖があって聞き取りやすいのだろう。

それでもうまく利点として伝えようとしてくれるこの先生は優しい。


僕は自分を認めてもらいたい。

お世辞ではなく、心からの賛辞が欲しい。

誰か僕を認めてほしい。

肯定してほしい。

愛してほしい。


しかし現実は残酷だ。

誰も認めてくれない。

心からの賛辞はもらえない。

誰も肯定してくれない。

愛してはくれない。


なぜなら、一番自分のことをわかっている自分が肯定することができていないのだから。

自分ですら肯定できないものを他の誰かが肯定してくれるのだろうか?


なぜなら、一番自分のことをわかっている自分が認めることができていないのだから。

自分ですら認められないものを他の誰かが肯定してくれるのだろうか?


なぜなら、一番自分のことをわかっている自分が賛辞を贈ることができていないのだから。

自分ですら賛辞が送れないものに他の誰かが賛辞を送ってくれるのだろうか?


なぜなら、一番自分のことをわかっている自分が愛することができていないのだから。

自分ですら愛せないものを他の誰かが愛してくれるのだろうか?


誰にも聞くことのできないこの問たちの答えができた時初めて、僕は自分の思いを相手に伝えることができたのであろう。

そして誰にも聞くことのできないこの問たちは永遠に答えを得ることはできないだろう。

だから僕はきっと自己表現が苦手なのだろう

きっとそうに違いない。


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