悪口
俺は悪口が嫌いだ。
悪口はぶつけられると気分が悪い。
他の誰かに向かって言っているものが聞こえても気分が悪い。
直接的な悪口はわかりやすい。
馬鹿だ、人の話を聞かない、何を考えているかわからない。
悪口を面と向かって言われると気分が悪くなる。
しかしこれは奴らなりの指摘なのかも知れない。
だがしかし言い方が気に食わない。
だから俺は悪口には悪口で返すことにした。
「お前らほどじゃねーよ」と。
俺がそう言い返すと奴らは困った顔をしていた。
きっと悪意を返されるとは思わなかったに違いない。
間接的な悪口はこざかしい。
わざと聞こえるように悪口を言うような奴ら、名前を出さないだけで俺のことを指しているのは分かりきっている。
だから俺は大きな独り言をつぶやいた。
「お前らは本当にしょうもない」と。
俺がそう大きな独り言をこぼすと奴らは驚いた顔をしていた。
きっと図星だったに違いない。
声に出していない悪口もこの世には存在する。
今、目の前の女どもがこっちを見て笑っていやがった。
声に出さなくともそういった態度は無言の悪口だと俺は思う。
だからすれ違いざまに俺は言ってやった。
「お前らに笑われる覚えはねーよ」と。
俺がそう告げると奴らは驚いた顔をしていた。
きっとバレるとは思わなかったに違いない。
陰で悪口を言っている奴らは最悪だ。
直接悪口を言い返すことができない。
コソコソとセコイやつらだ。
だから俺はそんな奴らに機会があれば言ってやるのだ。
「お前らいつもいつも俺の悪口で盛り上がって楽しいのか?」と。
奴らが俺の悪口を言っているの明白だ。
ほら見ろ、やはり奴らは驚いた顔をする。
まさかバレるとは欠片も思わなかったのだろう。
悪口を言うやつらは皆揃ってごまかそうとしてくる。
「馬鹿にしているわけではない、君の話を聞きたいだけだ。」
「お前の話をしているわけではない。」
「あなたのことを笑ったわけじゃない。」
「僕は君のことを悪く言えるほど君のことを知らない。」
否定すればいいとでも思っているのか、奴らはただただ否定をする。
まるで心外だというかのような顔をして。
奴らはみんな嘘つきだ。
俺に悪口を言うことで気分を晴らそうとしているのはわかっている。
奴らが先に俺を気晴らしの対象として利用してくるのだ、せめてその悪口で悪くなった気分はそのまま悪口として返してしまおう。
そうすれば少しは俺の気が晴れる。
俺はきっと今もどこかで悪口を言われている。
だからそんな奴らに対して俺は悪口を返し続けるのだ。
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