表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/609

被害者

わたしは最も正しい人間を知っているの。

その人は別に強いわけではないし、とても賢い人間でもない。

むしろ様々な悪意や脅威にさらされ続ける人間です。


この世界に絶対的な正義が世界の覇権を握った時があったかしら?

私はそんな歴史を学んだ記憶はないわ。

だってそんな歴史存在しなかったんですもの。


絶対的な正義であるその人は何者にも勝利することはないし、何者にも害を与えることもできない。

それは被害者です。


被害者とは悪意にさらされ正義を掲げるものに守られる存在である。

誰かに害を与えるものは被害者にはなれず、ただすべてを受け止めるだけであり続けるの。


被害者は日々とてもつらい思いをしているはずです。

だって悪意にさらされてもほかの人にやりきれない気持ちをぶつけてもいけないし、八つ当たりなんてもってのほかだ。

ほかの人に危害を与えたらそれは被害者ではなくなるのだから。


被害者とはとても繊細だと思う。

被害者であることを笠に着ても被害者ではなくなるし、加害者がいなければ成り立たない存在でもある。


私はそんな被害者にあこがれた。

この世にある唯一の絶対的な正義。

そんな弱く儚くそんな正義に私はあこがれた。

だから私は被害者でありたいの。


みんなが私を守てくれる。


みんなが私は正しいと認めてくれる。


そう、被害者であればそれがすべてかなう。


人間は弱きものに正しさを感じ、守りたがるのだ。


そう考えわたしは行動した。


そしてある時わたしは被害者になれた。


そして気が付いてしまった。

守られた瞬間から被害者は被害者でなくなってしまうことに。


つまり被害者とはただの敗者ではないのか?


気が付いてはいけないことに気が付いてしまった。


自分があこがれたものには力がなかった。

自分があこがれたものには華がなかった。

自分があこがれたものには良さがなかった。


自分があこがれたものには価値がなかった。


そして私は被害者であることをあきらめた。

所詮世界は強いものが勝つのだと。

そして理解した。

正義などに価値はなかったのだと。


よろしければ評価と感想をお願いします。


作者が新たな考察をする活力になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ