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どこかで見た姿

少女は空を仰ぐ。

何を想い、何を考え、なんのために空を仰ぐのか僕には皆目検討がつかない。


それが彼女なりの時間の使い方であって、僕にはきっと分からない。

もし僕が彼女と親密な関係であったのであれば、僕は迷いなく彼女にその行動の意図を尋ねただろう。


尋ねようと思う理由は二つある。

一つ目は単純な知的好奇心だ。

自分には思いつかなかったことをやっている人に、自分が知らなかったことを聞くということだ。

新しいことを知るという行為に僕はゾクゾクしっぱなしだ。

二つ目の理由はその少女の姿を美しいと僕が感じたからだろう。

座った椅子と一体になり、自然体でいる姿に僕の胸はときめいた。


少女は外に出る為にきっと化粧をしている。

自分を美しく見せるための努力をしている。

そしてその努力はなみなみならないものだと聞いたことがある。

そんな努力をしている人が見せるほんの少しの自然体、ほんの少しの気の緩みを愛らしいよ僕は思えた。


だらしない?それの何が悪い?

全く努力していないのであればほんの少しは思うかもしれない。

だが僕の目には少女の努力が一番に目に映る。


僕が少女に見惚れてしまった理由はこんなところだろう。


どうでもいい話だが今日の僕は少々眠い。

昨日あまり寝れていないのだ。

電車内で揺られることによりそれはより一層強大な力を発揮する。

僕は席に座り、少々船を漕いでしまう。

しかし船を漕ぐと周りに迷惑をかけてしまう。

僕としてはそんな他人に迷惑をかける選択肢を取りたくなかったため、背を伸ばし、頭を後ろにつけ、少々顎を上げる。

そうすることで自分の頭を安定化させるのだ。


僕の目には電車の上部にある広告と蛍光灯型LED、僕はその広告への興味のなさとその明かりの眩しさから目を瞑る。

そうすると不思議なことにまるで空を仰ぐかのような姿となる。


著:見惚れる少年


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