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相手を理解する

貴方は他人の考えが分かるだろうか?

私にはわからない。

私は時折自分の考えでさえ分からなくなる時がある。

そうであるのに他人の考えなんぞ、分かるわけないだろう。

ましてや相手が言葉にしていない考えが分かるわけないだろう。


貴方は異なる言語を話す人の考えが分かるだろうか?

私にはわからない。

お互いが言葉に出していたとしても、その言葉が理解できなければ相手の考えは分からないだろう。

そして、相手の言語を学んだとしても、相手と同程度に言語を操れるようになるのはかなり先の話だろう。


貴方は異なる文化に生きる人の考えが分かるだろうか?

私にはよく分からない。

ことなる文化を理解する為にはその文化に触れ、その文化を自分で体験し、自分の中に落としこんで行く必要がある。

そしてこれも相手と同じくらい理解するのに時間がかかる。


貴方は異なる種族の考えが分かるだろうか?

私にはわからない。

人間はせめて言葉を交わそうとしてくれる。

そしてどの言語にも同じ人間と意思疎通をしようという意思がある。

だから辛うじて理解できるのだろう。

では貴方は犬の考えを理解できるのだろうか?

貴方は猫の考えを理解できるのだろうか?

私にはわからない。

ただでさえ同族の考えも理解できていない私が、多種族の考えを理解できないのはもはや必然だろう。

分かるのは経験則からくるものや、同じ生物として必要な事柄だろう。

そして多くの場合は相手が本当にそう望んでいるかわからない。

所詮こっちが勝手にそう受け取っているだけかもしれない。


貴方は異性の考えが分かるだろうか?

私にはわからない。

考えてみてほしい、生物としての構造が違い、文化が違い、話し方も違う。

それは多種族の動物とどう違うのだろうか?

もしかしたら犬や猫が自分と同じ言語を操っているのと変わらないかもしれない。


結局自分に近いところを利用して、自分に置き換えて考えるのだから、自分を理解する以上に相手のことを理解するのは難しいのだろう。

それでも誰かと一緒にいたいから相手のことを分かろうとするのだろう。

言葉を学び、文化を学び、相手の反応を覚え、次に生かす。

それが人間なのだろう。


だから私は今日も相手の気持ちを理解しようと考えるのだ。


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