第39話 添い寝×ゲーム
雅人が朝起きると腹あたりに柔らかい感触が当たっていた。
クッションよりも柔らかくもっちりとしていて、ほとよく温かく、雅人よりも小さいナニカがいた。
寝ぼけた頭でそれを見るとクリーム色をしていた。
見ていると徐々に上がってきて顔付近まで上がってきた。
「…お姉ちゃん…」
寝ぼけた葵は雅人の肩に腕を回し抱きついた。
夏場で下着に近い格好で寝ていた葵が人にくっつくとその凶器が雅人の胸に潰れた。
その上、葵の服は乱れ雅人が見下ろすと丘の上に立つ物が見えた。
「…葵?かなり惜しいことをするが、起きてくれ」
「お姉ちゃん。もう少し寝てる…夏休み…だ…し…」
一回は意識が覚醒に近づいたようだがすぐに夢の中へと旅立った。
葵は雅人の胸に顔を埋めいい場所を見つけたのか大人しくなった。
「葵。起きろ」
「んん?…ん?」
いつも聞こえる声より低いことに気がついた葵は徐々に覚醒していった。
「お姉ちゃん…?」
「お姉ちゃんじゃねぇよ。この体勢心臓に悪いから起きてくれ…」
寝ぼけまなこだった葵の目は一気に大きくなり大きく飛び退いた。
だが場所はベットの上、そんな場所で飛び退いたら落ちてしまう。
「え…あ…」
「あぶねな」
頭を地面へと打ち付ける前に雅人が葵の頭に腕を巻きクッションになった。
「ご、ごめんなさい!私寝ぼけていたみたいで!」
「それはいいから落ち着いて。ちゃんと服なおしてから出て行け」
「え?」
葵はそこでやっと自分の胸が出かかっていることに気がついた。
「すいませんでしたー!」
葵は肩紐を雑に引っ掛けると扉を勢いよく開け出て行った。
扉を勢いよく閉めた葵はその場で座り込んでしまった。
(いつから!いつから私は赤嶺くんと添い寝を!?記憶があるのは寝る時…そこから記憶がない…)
そう考えている間に色んな可能性が浮き上がりどれが正解か分からなくなっていた。
「葵?扉前に座り込んでなにしてるの?」
「な、なんでもないです」
エプロン姿の詩音に聞かれたが葵は誤魔化した。
朝、詩音の掛け声により全員が起床しリビングの椅子に座った。
「はい。朝食」
「おー!美味そう!」
「2人で作ったの?」
「そうですよ」
「アタシも起こしてくれればよかったのに」
「先輩は勉強教えてもらったりしてるんでこういう時は後輩に甘えてくださいよ」
「そう。2人が言うならそうするわ」
「腹減った。もう食っていい?」
「待って。それじゃあいただきます」
『いただきます』
こうしてお泊まり会の2日目が始まった。
「2日目は基本自由だからそのつもりで。なにか用があったら個々に連絡またがグループに送って」
自由なら雅人がすることは1つ。
部屋に戻るなりベットに身を投げ枕元に置いてあるゲームに手を伸ばした。
お菓子の袋を側に置き完璧な布陣とした。
雅人がゲームをしているとドアがノックされ葵が入ってきた。
「赤嶺くんもゲームですか?」
「ああ。それ以外にやることなんてないだろ」
「課題はいいんですか?」
「課題?なにそれ、美味しいの?」
「美味しくはないですね。でもやらなきゃダメですよ?」
「分かってる。用件を言え」
「私も一緒にゲームしたいなー…なんて思ったり…」
「いいぞ。このクエ終わったら一緒に狩るか」
「はい」
「ランク高いですね…武器もスキルも火力特化って感じですし…」
「そういう葵は万能型だな」
「攻撃特化だと被ダメした時に痛いんですよ」
「当たらなきゃいい話だろ」
「こういう装備って性格でますよね」
「?俺がゴリラって言いたい?」
「いえ、そんなことは…」
クエスト開始前はおしゃべりが絶えないが一度始まれば無言となる。
雅人の部屋にはカチカチという音とゲーム音しか聞こえない。
「ラスイチ貰って来ますね」
「弓の方が速いんだな」
雅人の速射によりモンスターは倒れた。
「装備剣士用ですよね?」
「一応それように作ったけど護石と装飾品変えればガンナーでもいける仕様今作り変えた」
「ズルイです。私は前で体張ってるのに」
「最初に言ったろ、当たらなければいいって」
膨れる葵に雅人は頭を撫でた。
「なにか違うゲームがしたい」
「なに持って来たんですか?」
「家庭用ゲーム一式」
「本当に一式ですね…」
「家と同じ状況にしたいからな。うーむ…新しいゲームを買いに行くか…葵も付いてくるか?」
「いいんですか?」
「どうせならこの休みの間全員で出来た方がいいだろ」
「パーティー用ってことですね」
「まあ、家じゃソロになるけどな」
「なら、時間があれば行ってもいいですか?」
「容赦なくボコすがそれでもいいなら」
「負けませんよ?センスはある方なので」
「…ホラー買うか」
雅人の言葉に少し涙目になった葵。
炎天下歩き、近くの電気屋に来た雅人達。
「…夏だから新作も出てるよなー」
「赤嶺くんはパソコンは買わないんですか?」
「バイトして溜まったら買う」
「買う時は自作の方がいいですよ」
「そうするつもり」
全員が出来そうなゲームを見た。
「太逹とか赤ひげがいいよな。アイツらでも出来そう」
「この料理を運ぶゲームでも出来そうですよ?」
「なにそれ。楽しいのか?」
「…多分…」
お互いに中学時代はぼっちだった人間、パーティーに相応しいゲームなんて知らないし分からない。
「こういう時辛いですね…」
「そうか?ゲームなんてぼっちで黙々とやるもんだろ。だれかと集まって馬鹿騒ぎしながらやるのは偶にで十分だ」
「私は…皆と笑いながらやる方が楽しいと思います。今日の朝食だって楽しかったですよね?」
「うるさいの間違いだろ。特に梓。一々噛みつきやがって」
「それも誰かと食べてるからならでわの感想ですよ。1人で食べてたら思わないですよ」
お互いに黙り込みなんとも言い難い空気が流れた時、雅人が何かを感じ取った。
「あれ〜雅人くんだー」
現れたのは金髪やらメッシュに髪を染めたガラの悪い男たちだった。




