プロローグ
〜♫〜♫
ピッ。
「はいもしもし」
『あー雅人?』
「あ、茜さん。お疲れ様です」
『おお、あのさ。お前明日から学校だよな?どこ高だっけ』
「えっと多摩川高校ですけど…それがなにか?」
『いやな、お前に折り入って頼みがあるんだよ』
「頼み?」
『そ、まあ難しいことじゃない。アタシの妹がお前と同じ多摩川高校に入るんだが少し心配でな。お前に面倒を見てほしい』
「面倒を見てほしいって…俺だって明日入学なんですから同い年じゃないですか。それに学校なんですから輩は来ませんから大丈夫ですって」
雅人は明日から運良く入れた高校への初登校日。
茜の妹も一年生だと言うが、同い年の女子を面倒を見るなんて雅人自身出来るなんて思っていなかった。
『ほう…お前はアタシの頼みが聞けねぇってのか…ちょっと表出て待ってろ、ぶっ殺す』
だが茜の方は本気のようでスマホ越しでもわかる殺気に雅人は少し戦慄した。
「いえいえ!そんなことないっす!喜んで引き受けます!」
『そうか、お前ならそう言ってくれると思ってたぞ』
焦ったせいで昔のくせが出てきてしまったがなんとか命は助かったようだ。
『あの高校はアタシの母校でもあるんだがいいぞー。サボれる場所が沢山あるからな!それじゃ、妹の件頼んだ!』
ブツ!
一方的に電話を切られたが具体的なことはなにも教えて貰えなかった。
女子高生のお世話とは?茜の妹とはどんな人なのか、身体に不自由があるのか精神が特殊なのかそれすらもわからない。
教えて貰ったのはサボり場所があるということだけ。
赤嶺雅人。
高校一年にして恩師から恩師の妹のお世話を引き受けた。
これは、不幸少女と不良少年の物語。
初めましての方は初めまして。そうでない方は昨日ぶりですね。
作者のチョコです。
今作、書こうと思ったきっかけは友人のこんな一言からでした。
夏休みの課題をやっていた時のこと。
『なな!マイナス×マイナスがプラスならさ!陰キャ×陰キャは陽キャなんじゃね!?やば、俺頭いいわ』
「その発言がもう既に頭悪い」
「それ、陰キャをかけてるんじゃなくて足してるでしょ」
「これもう冷房いらないっしょ」
「ん、暖房...つける?」
数人で課題をやっていたのですが言われた瞬間場が静まり返りましたね。
この友人の頭の悪い発言がきっかけで考えつきました。
寒いギャグとネタ提供ありがとよ。
彼は色々と無意識にネタ提供してくれるので作家としてはかなりありがたいです。
アウトドア派な彼から聞いた自慢話は全て小説のネタとして使われます。
時々たまーに殴り合いの喧嘩もしますが今でも仲良しです。
さて、友人自慢はこれくらいにしてそろそろ締めましょう。
それでは、
『マイナス×マイナスがプラスなら、マイナス少女×マイナス少年は幸せのはずである。』
をどうぞよろしくお願いします。