第八・五話・続、選択
前回の話にちょっと付けたし。肝心の選択のシーンです。
「夜空、俺は……」
夜空に話し出すその瞬間のことだった。
「まさか蒼夜!夜空に能力を明かそうなんて思ってるのか!それだけは止めろ!」
耳元、否、心に直接語りかけてくるセルシオの言葉が俺の発言を遮る。
「時間を巻き戻せると人前に晒した時、能力を知るものが死ぬまではその力は使えなくなる!」
俺の心は妙に落ち着いていた。セルシオの言葉を飲み込んだ後、再び考えなおす。
時間を戻すか、夜空と逃げるかを……
もし時間を戻すのなら、この『時間』の夜空と別れ、再び蒼の天使となる覚悟で全てを救う。
夜空と逃げるのなら、ここで彼女に能力を明かし、完全に蒼の天使を捨て去ってしまえる。
もし俺が正しい人間なら、こんなことはすぐに答えを出せるはずだろう。
俺には正解が分からない。だが、これが正しい、そうだと信じたい、だから……
「俺は蒼の天使じゃない。そうだよな、夜空」
こちらを見つめる青い瞳に、一つの問いをなげかける。決意を確かにするために。
「え?うん!もちろん蒼夜くんは蒼の天使じゃないけど、何でこんな時にそんなことを?」
「こんな時だからこそだ。
自分の気持ちが変わらないことを確認したかっただけだ。」
心配そうな表情をする夜空に、何の心配もいらないと少しでも安心させるため、頭を撫でてやった。
「なに、ちょっとした覚悟が必要なだけさ」
一瞬揺らいだ気持ちは、今確実なものになった
『俺は時間を戻してやる』
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窓の外には星空が広がり、月明かりが部屋をうっすらと照らしている。
「『リセット』」
呟いたそれは、今使った能力の名だ。
「後悔しようと構わない。さあ、始めよう!
『東雲蒼夜』」
つづく
次回は九話からです。一章は十三話までなので後少し!