第五話・『蒼』の能力
疲れていてまともな文章書けませんでした泣
そのうち文章力が上がったら、一話からしっかりした文章を書き直したいです。
「セルシオ、お前はある程度現実に干渉出来るんだよな」
俺の能力らしい真っ白な世界の中で、ただ一つある振り子時計に向かって蒼夜はそう言った。
目の前の振り子から聞こえる声の主は、蒼の天使セルシオ・トワイライト。彼の話によると、多少なら現実に干渉が可能らしい。
「今朝、エリシアがお前を殺すのを阻止することが出来たのが証拠だろ?」
「あれは幽霊となってエリシアの前に立っただけだ。彼女の改心によるものだから物理的な干渉は出来ないぞ」
「蒼の天使の力、それを俺に譲れ。あの野郎を倒すのにその力が必要だ。俺の身体を媒介しても構わない。」
「…………」
出来るか分からない、出来たとしても俺は自我を失い、憎き紫の天使と同じようになるかもしれない。それを覚悟してのことだ。
おそらくセルシオはこの選択を拒むだろう。だがどうしてもやらなければならない。たまから自分に今出来るだけの覚悟を決めた表情で、振り子時計に向き合う。
「正気の沙汰ではないな……」
「まあ、俺もそうは思うよ」
「精神の壊れかねない代償を背負い、自我を失えば、死より恐ろしい結末、望まぬ殺戮を繰り返すことになるんだぞ」
「いずれ後悔することになろうとも、今何もせずに死んで後悔はしたくない。だからもう一度セルシオ、お前に頼もう。
俺に力を貸してくれ。」
「覚悟は揺るがないか……ならばそれに答えるのが男ってもんだ」
次の瞬間振り子時計の目の前に、侍風貌の白髪の男がたっていた。
「よろしく、蒼夜」
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「あなた、何者です?」
目の前にいるのは憎き紫の天使だ。そして隣で倒れるエリシアを確認し、軽い治癒術式を施し、焼けるような痛みをこらえて立ち上がる。
「さあ、な」
その場にいる者達の目から映る蒼夜は、先程倒れていた人物とは違う雰囲気を感じとっていた。
「蒼の天使……因子を解放したのね……」
エリシアは怯えるような、だがどこかに希望を見いだしたような表情で、震える声でそう呟いた。
紫の天使は、苛立っている様子で狂気の叫びを放った。
「蒼の天使だろうがなんだろうが、神に逆らう者共にとどめをさしてあげましょう!」
紫の天使はオーラから無数の蛇を伸ばすが、蒼夜の元に届く前にこの戦いは終わった。
「必ず殺してやる、紫」
蒼夜が一言言ったその瞬間、空間の歪む感覚の後に意識は白い世界に落とされた。
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「ぐえぇ……………」
形容し難き強烈な不快感が体の中から湧き出し、耐えきれずその場に倒れこむ。
これまでに味わったことの無いほどの精神な苦痛は、一時的に呼吸すら出来ないようなものであった。
精神を大きくえぐられたような感覚は、次第に絶望感に変わり、さらに怒りへと移り行く。
「紫の天使……」
そう呟いた時、ようやく回りの状況を把握出来た。
俺はクロノスの屋敷の自分の部屋の前に座っており、前にはエリシアが怯えた様子でこちらを見ていた。
先程の森にいないことから、おそらく俺に変わってセルシオが紫の天使を討ち果たしたのだろう。しかし、屋敷に戻って普通に動けるようになるまで意識を乗っとるとはどういうことか……
「エリシア、あの後どうなった?」
「あの後って?昨日のこと?」
「ああ、多分そうだ。昨日紫の天使は結局どうなったんだっけ」
「あなた、何を言っているかまったくわからない…………」
エリシアは銃を取り出し、その銃口を俺の眉間に向けた。
「おい、冗談だろ?俺が何したってんだよ……」
一歩一歩後退る。
「蒼の天使……」
怒りを込めたエリシア声は、冗談ではないということを証明するには十分だった。
つづく
次回は、一章で一番いいところ入るつもりです。