断章:傑物たちは過去の足取りを
◇◇◇
人族の領土、その中央にひしめく6国のうち南に位置するのがバストアク王国である。
そしてバストアクの東に接するのは、6国のなかで最も小さく、最も近年に成立した国家、ウォルハナム公国。
――他国からは、『伏竜の巣』と呼ばれている。
その首都に置かれた、深緑の岩で築かれた城。なかでも最も高い階層に設えられた会議室では、ここ連日、首脳陣がバストアクの政変に関する情報をかき集め、それでも埋まらない部分を必死に推測し、いった何が起きたのか解明に努めていた。
なにしろ、対外的に公表されているのはセイブル27世が逝き、王弟であったファガンが28世を継いだことのみである。
それ自体も今後の外交に大きな影響を及ぼすことではあるが、公表されていない『それ以外』がむしろ大問題であった。
ある意味では国王以上に有名であった、ステムナ大臣とサレン局長の死亡。
そのサレン局長が率いる特殊軍がカディス平原で起こした大規模な戦闘と、記録的な全滅。
先代国王が発動した『神の恩寵』と、それに伴う神の降臨。
――そして、その国王を弑した謎の集団。
――さらに、旧ステムナ領に代わる、新たな領土の誕生とその領主。
これらの大半はカディス平原で起きた事態であり、見通しの良い平原での事象など、通常であればウォルハナムが仕込んでいる諜報員達に筒抜けだっただろう。
……が、どうやらサレン局長の特殊軍が戦闘前に『掃除』をしたのか、監視に向かった人員は誰ひとり帰ってこず、超遠距離から朧気に観察するのが限界であった。
なお、数日後に諜報員の遺体を回収に向かったのだが、その一部――特に優れていた数名――は異様に鋭い刺し傷が頭部にひとつあるだけで、ほとんど反撃の余地もない即死だったという。検死に立ち会った古株の諜報員や工作員は『奴が、戻ってきた……』などと蒼白な顔で呟いていたという。
そういった訳で確たる情報が少ない状況ではあったが、隣国の大政変を放置などするわけにいかない。
ウォルハナムの首脳陣は、大幅な追加予算を投じてバストアクの情報収集と事態解明に努めていた。
――そして彼らが精根尽き果てた翌日。
ウォルハナム元首たるヴィトワース大公は、ベッドの上で果物を齧りながら、側仕え兼『元首代行』の肩書を持つ老人、オブザンから会議室でまとめ上げられた報告を聞いていた。
そろそろ昼になろうかという時間帯である。
「そっかぁ、ファガンくん、王様になったんだぁ」
あくびを噛み殺し、長い髪をかき上げ、また果実を一房口に入れる。種を吐き出す仕草は子供のようだが、その姿形は妙齢の美女である。
起き抜けの素顔だというのに、肌はくすみなど見当たらず内から仄かに輝くようで、大きな瞳や赤い唇は化粧を拒むかのように麗しい。まだ少女の可憐さを脱ぎ捨てきっていない庇護欲を掻き立てそうな外見ながらも、成人女性の色香も併せ持ち、さらにはどこか薄っすらと猛々しさを匂わせる、多面的な美貌だった。
そんなヴィトワースを見下ろすオブザンの視線は、嘆かわしさを隠そうともしていない。
「嬢、せめて公表されている以外の情報に感想を述べたらどうです。皆が必死に集め整理した情報ですぞ」
「えー、じゃあ聞くけど」
拗ねたようにオブザンを見上げ、
「騒動を引き起こした主要因だっていう、ジガティスって男のこと。なんで又聞きっぽいの? バストアクは各国に通達したんでしょ。うちは? ファガンくんからの書状は?」
オブザンはすっと目を逸らした。
「爺?」
「……正確には、『必要と思われる各国に』ということのようですな」
「なんでウォルハナム外されたの?」
「バストアクほどではないにしても、この国も諜報には力を入れておりますからな。勝手にその情報を取ってくると思ったのでは?」
「で、実のところ?」
「その男を囲って悪用すると考えたのでしょう。もしくは、嬢への単なる嫌がらせか。……できる限り接点を持ちたくなかったという可能性も微存しますな」
正しくはその3つすべて、かつ最後の1つが最も大きな割合だろうとオブザンは推測していた。
ヴィトワースは両手を組んで伸びをする。
「よっし、宣戦布告の準備して。ファガンくんへの一騎打ち申込みでもいいよ」
「戯言を仰らずそろそろ起きてはいかがですか」
「元首の決定を戯言と評した?」
「そもそもを遡れば、嬢がファガン殿を散々虐げたせいかと」
「うそ、仲良くしてたじゃない。ときどきちょっとからかっただけで」
現バストアク国王のファガンは、若き頃にここウォルハナムへ留学していた経験がある。
そしてその間、ヴィトワースの手によって3度の骨折、両手に余る数の気絶、決して消えないトラウマなどを味わっていた。『これ以上ここにいたら、私は死にます』というのが予定より早く戻ることを決めた彼の言葉だった。
「……悪意がないのが逆に厄介でしたな、この嬢は」
「うるさいわね。それで、そのジガティスってのは来てないわけ?」
「はい。好き好んでこの国に亡命してこようなどという輩はそういないでしょう」
「仮にも元首代行が言う台詞?」
「元首がこの有様ですから」
「……まあ、縁がなかったのと死んだのはどうでもいいわ。ならファガンくんと、えっとその、ラーナルトの――」
「レイラ姫と、フリューネ姫ですな」
「それ。うん、よし、挨拶に行こう」
「駄目です」
「……爺、今日起きてから私、否定と罵声しか聞いていないのだけど?」
「明日からもっと早起きしましょう」
ピン、と小指の先ほどもある果実の種を飛ばすヴィトワース大公。
スリングショットを優に超える速度で飛来したそれを、指2本で受け止めるオブザン。
特に何事もなかったかのように、ヴィトワースは口を開く。
「で、理由は?」
「当面、探りを入れるだけにせよと」
「帝国が?」
「他に誰が?」
はあ、とヴィトワースはため息をつき、ベッドの横にある大窓から外を眺めた。
そこからは、この世界にあっても極めて異様な光景が見える。
ウォルハナムの国境より少し先。この城からは相当な距離があるが、たとえ国境線が見えずとも、『それ』だけはここよりさらに手前からでもはっきりと見えることだろう。
人族の領土どころか、大陸全土においても最高峰を誇る大山。
あまりに高く、あまりに険しく、その鋭い山容から『牙』と称される、地上から突き立つ未踏の霊峰。
――そして、それと噛み合うように、天上から突き立ったもう1本の牙。
鏡合わせのように天地からそれぞれそびえ立つ一組の山は、見るものの常識を破壊し、誘い込まれるように幾人をも引き込んでゆくものの、誰一人として返そうとはしない。
常に雲間に隠れているため、麓――天頂がどうなっているのか誰も知らないが、この有り様を見た者が想像することは共通している。
地上から精一杯に伸ばされた1本の牙に対する、神々の領域から差し出された道標。
通称、『巨神獣の顎』。
……だが、如何に異様な光景とて、日々それを眺めていれば畏怖も薄れるというもの。
ヴィトワースが見ている――睨みつけているのは、そのさらに奥。
人族最大の国家、大陸の南東を制する巨人、ジルアダム帝国。
「……さすがに見えんでしょうに。いくら睨んだところで」
「うるっさいわね」
ともあれ、
バストアク王の冠を継いだファガンが、蘇るトラウマに胃を痛めるまでには、まだ幾ばくかの猶予が残されていた。
◇◇◇
「レイラ・フリューネ特別自治領、か……」
話を聞いたグラウスは、眉間にしわを寄せながら腕を組んだ。
「他国の姫君が、属国でも隣国でもなく、嫁いだわけでもないところの領主になるなんて異例のことね」
報告書を手にしているわけでもなく、そらで説明を終えたレアスも難しい顔になる。
「結局、バストアクで何が起こったんだ……?」
噂ばかりが先行し、何が正しいのかグラウスには判別がついていなかった。
「私が探れる範囲では、こんなところが限界」両手を広げてみせるレアス。彼女が説明した内容は、ヴィトワースが受けた報告に比べれば7割の精度といったところだった。
彼女は一拍置いて意味ありげに微笑む。
「けど、正確な情報じゃなくて良ければ、興味深いのがもうひとつ」
「なんだ?」
「噂、というか、風聞ね。その領主レイラと、特別顧問フリューネの外見について」
「外見?」
そこで美人なのか、などと聞くどころか考えもしてなさそうな朴念仁ぶりがグラウスの良い点でも悪い点でもあるなあ、とレアスは思う。
「領主レイラは、深々とした藍色の髪に、人形のような白皙で、年齢は18だけど少し上に見えるみたい。特別顧問フリューネは、薄緑の髪をした小柄で可憐な少女。11歳だそうよ」
その容姿と、ふたりの組み合わせに、グラウスは引っかかるものがあった。
「さっきも言ったけど、ふたりはラーナルトの姫君。それと、こちらは本当に噂でしかないのだけど――強大な恩寵を持つバストアク王を倒したのが、そのレイラ姫なのだとか」
「おい、それは……」
グラウスの脳裏に、一瞬で広がる光景があった。
コルイ共和国で立ち寄った洞窟。
ラーナルト王国セルザス侯爵家、その娘だというミモルトという少女。
そして、あのスタンと試合をして、過剰とも言える戦力のおそらくは一部だけを見せた、イオリという女。
「やっぱり、同じこと連想するよね」
憂いの滲んだ笑顔を見せるレアス。
「――テムには?」
あの場に連れていたもうひとりの名を上げるグラウス。
「さっき、軽い説明と口止め済みです」
「そうか」グラウスは息をつき、「――やはり、危険か?」
「それはもう」レアスは肩をすくめる。「ラーナルトの姫で、バストアクの領主。立場としては向こうが上。おまけに大政変の当事者と推測されている。……これ以上私たちが嗅ぎ回ったところで、バストアクに潰されるかうちの国に使い倒されるか、どの道ろくな目にならないよ。沈黙が最善だね、今は」
グラウスはごきりと首を鳴らした。
「そういう、ことだな」
「そうそう。今は、できることをね」
彼の肩を叩くレアス。
なお、スタンに関してはふたりとも確認しようとはしなかった。口止めが通じるような性格ではないし、政変などにも興味を示すことはないだろう。
――万が一、今の情報が伝わったとしたら、
『んなとこにいやがったか! 鉄腕女!』
などと騒ぎながら国境を越えて領主の目の前まで乗り込み、決闘を申し込んだりしかねない。
そんな事態になれば、彼を客分としてこの国に招いているグラウスとレアスの一族郎党、物理的に首が飛ぶ。
今は近郊の森に籠もって修練中のあの男には、何も言わないでおくのが最善だと判断していた。
一抹の懸念を振り払うように、レアスは明るい声をあげる。
「ということで、今日も一発お願いします」
「近所迷惑になっていなけりゃいいんだが」
彼らがいるのは、ラーナルト王城の裏手に広がる訓練所、なかでも高い塀に囲まれた、極秘訓練に使われる場所であった。
グラウスは三十歩離れた地面に刺さっている丸太へ向けて、意識を集中する。
「――轟き、落ちよ」
グラウスの声とともに、よく晴れた空から雷が降る。
直撃した丸太が縦に裂け、遅れて甲高い轟音が響き、破片となった丸太から炎が上がる。
雷神から賜りし恩寵、召雷。
それを一日の上限である5発、続けざまにグラウスは行使する。
5本の丸太が炎に包まれた後、大きく深呼吸をして疲労感を紛らわすグラウスに、「お疲れ様」とレアスは水を渡す。
ここ数日、グラウスはこの訓練所で召雷を放ち続けていた。
高い塀で遮られているとはいえ、晴天に轟く雷は城下町からはっきりと目視できる。市民は英雄の復帰か、死門の黒獣への再戦か、などと沸き立っていた。――もちろん、期待だけでなく嘲りややっかみなどの声も混ざっているが。
しかしグラウスもレアスも、そんな声を気にするには戦歴を重ねすぎており、加えて、そんなことよりもずっと、気にすべき事項が目の前にあった。
それこそが、この人目につかない訓練所を使っている理由。
グラウスは『それ』に、手を差し伸べた。
「そういえば、こいつもラーナルトのものだったな」
「そうね」
レベル測定器。
ラーナルトから輸入した、まだ希少品であるそれを、レアスが苦労して連日の使用許可を得ていた。
「新技術を発信するため、中央に拠点を置いた――っていうことなら分からなくもないけど、それだとコルイにいた理由が説明できないし、ほんとなんなんだろ」
レアスが口にしたのは、もちろんイオリたちのことだ。
「詮索しないんじゃないのか?」
「考えるのまで止められるわけないでしょ。――さて、と」
測定が終わり、その数値をレアスは確認する。
急に重たくなった口を開く。
「……レベル……、41」
その言葉に、グラウスはきつく目を瞑った。
「そうか……」
この訓練所を使う前、最初に王に呼ばれて測ったときのレベルは、43であった。一線を退いた身では魔族を仕留める機会もなく、そこから今日に至るまで、本来ならばレベルはそのままのはず。
訓練2日目でレベルが42になったときはまだ、測定器の誤差か、あるいはレベルというものは加齢や実戦から離れた時間経過などで、自然減少するものなのか、などの推測を立てられた。
しかし短期間で2度めのレベル低下を確認してしまった今、それと訓練との紐付けはもはや防ぎようがなかった。
レベルが下がった理由は。
「違和感は、ずっと前からあったのにな」
じっと手を見下ろしながら、グラウスは苦い呟きを漏らした。
まだ若い頃は、伸び悩む時期なのかと考えた。
全盛期と言われた頃は、相対的に敵の脅威が下がり、強化の度合いが下がったのだろうと思った。
最終的に、ここが自分の成長限界なのかと諦め、後進の育成にまわることにした。
そうした言い訳は、どれもこれも誤魔化しだった。
神から賜った恩寵に、聞かされていない代償があったことに気づきたくないが故の。
「10発で、1レベル分、ってことかな」
ここ数日の記録を脳裏に入れているレアスが計算する。
「少なくとも今の状態ではな。もっとレベルが下がったときにどうなるかはわからないが」
「レベル上昇に達するまでの、経験値ってやつ、そこまで測れればもっと正確にわかるんだけどね」
「贅沢な悩みだな。少なくともこの道具で、二十年来の悩みに決着がついたんだ」
「でも、どうしてなんだろう」レアスは目を細めた。「確かに強力な恩寵だから、そうした制約があるのも理解できるけど。……説明を頂けなかったのは、ちょっと謎だな」
「言い出すと、最後まで説明する羽目になるかもしれませんでしたから」
「――っ!!」
いきなり流れてきた声に、一瞬で臨戦態勢にはいる2人。
しかし、声の出処を見据えた途端、同じぐらいの俊敏さでグラウスは抜いた剣を逆向きにし、レアスは法力の集中を解除した。
「アズウルム様……!」
見た目は線の細い、青年だった。
どこか気の弱そうな顔立ちを、漆黒のガラスが入った眼鏡で隠している。ガーゼのような素材の黒い布地を幾重にも貼り合わせた、丈の長い衣服に身を包み、青と金が組み合わさった大きな輪が3つ、周囲に浮かんでいた。
雷神、アズウルム。
グラウスに恩寵を授けた神であった。
「しばらくぶりですね、グラウス」
「またお会いできるとは夢にも思わず、光栄の至りです」
こうして会うのは、恩寵を授かったそのとき以来、二十年ぶりのことだ。
隣で跪くレアスは、蒼白になった顔で、
「申し訳ありません、決して疑心を持ったわけではなく――」
「ああ、構いません。当然のことですから」
ゆらりと手を掲げて謝罪を制したアズウルムは、
「実を言えば、あなたに与えた恩寵は、ある技術革命に繋がりかねない代物だったのですよ。ですから、戦闘以外で行使すればあっという間に弱化するよう制御をつけていたのです」
「革命、ですか……?」
「詳しく言えないのは今も同じですがね。……けれど、遠い地でその技術が進んでいるようでして、幸いそちらも革命を起こす目論見はないようですが、あなたばかりに制限を課すのも、情勢に合わないと言うか、そう、不公平にも感じるのでね。――まったく、ラントフィグシアとメイワーシェルスは危機感が欠損していて――」
アズウルムは平坦な表情のままで言葉を紡ぐ。最後の言葉は小さく聞き取りづらかったが、他の神の名が出てきたことはわかったので、迂闊に聞き返すことなどグラウスもレアスもしようとはしなかった。
「これまでの記録も踏まえれば、あなたはこの先も戦士であり続けるのだろうと、私は思います。どうです? 今の技術革命という言葉に、何か試そうなどという思いは生まれましたか?」
グラウスは、慎重に、真剣に、心の内を探った。
「いえ。……私はこれまでもこれからも一介の戦士であり、それをお見通し頂いたことは至上の名誉だと歓喜に堪えません。加えて蛇足ながら申しますと、その技術革命という代物、おそらくは私自身が薪か油のごとく消費され尽くすものでは、という気が致します。それは、正直に言って断固拒否したく」
「いいでしょう」
アズウルムの周囲に浮かぶ金属の輪が、ひとつ高度を増した。
「……まあ、それでもまったくの無条件とするような、それこそ彼女たちの如き真似はしませんが――」
人差し指を立て、雷神は眼鏡の奥からグラウスを貫くように見つめる。
「提案です。敵、あるいは障害とみなした対象にしか行使できない。その条件をつける代わりに、発動ごとに弱化する制約を解除します。それと幾ばくかの補填として、威力と回数上限に多少の上乗せをしましょう」
「有り難くお受けします」
グラウスは即答した。
そこで初めて、アズウルムは微笑した。
そして、レアスに「離れていなさい」と告げる。
雷神が、片手を地面に向けた。
――その途端、対面しているグラウスは、何故か遥か上空から巨大な何かに見下されている感覚を受けた。
「降臨したほうが簡単なんですがね、ここ最近続いているため控える空気が流れているんですよ」
またも何やら小声で言う内容は、グラウスに対する説明なのか、軽い愚痴なのか、判断しづらい口調だった。
そして、ここ数日の名物と化していた王城裏手に降る雷が、
これまでの数倍の光と音を伴って、轟いた。
「グラウス!」
その雷は、グラウスに直撃し、レアスの目を眩ませる。
「……問題ない」
しかし、耳鳴りに混ざって馴染んだ声が届き、彼女を安心させる。
視界が戻った彼女の目の前には、グラウスひとりが立っていた。
何やら、片手を握ったり開いたりし、視線は空を向いている。
その口元には、こらえきれないように笑みが浮かんでいた。
それにレアスは、懐かしさを覚える。
「まったく、神の『多少』は、人の『過剰』だな」
ここより十数日後。
大荒野に、古豪グラウスの凱旋が知れ渡ることとなった。