マハトラ・モハンマドさん
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんとジャマダハルを装備したインド人のマハトラ・モハンマドさんがおりました。
おじいさんとおばあさんは、市役所に確定申告(自営業の為)に、マハトラ・モハンマドさんは、近所の川原に釣りにいきました。ジャマダハルを装備したまま。
マハトラ・モハンマドさんが釣りをしていると、近所の子供達がよってきました。
「おい、マハトラ、おまえ今日もジャマダハル装備してんのかよ」
「あははは、マジだジャマダハル装備してるじゃん」
マハトラ・モハンマドさんは言いました。
「अरे, क्या आज भी ड्रैगन बॉल हीरोज करने वाले बच्चे हैं?」
子供達は何を言われているのか、まったくわかりませんでした。
「なに言ってっかわかんねぇよ!」
「そうだそうだ、おまえ何いってんだよ!」
そう言われたマハトラ・モハンマドさんは言いました。
「やぁ、子供達、今日もドラゴンボールヒーローズをやりに行くのかい?と言ったんだよ」
「おまえ日本語しゃべれんじゃねぇかよ!」
「はじめからそうしろよー!」
「ごめんな、どうしても母国語が出てしまう時があるんだ」
「そうなのかよ」
「おまえも大変なんだなぁ…」
そんなこんなで、子供達と釣りをしていると、上流の方からどんぶらこ~どんぶらこ~あ~どっこい!と言いながら、確定申告にいったはずのおじいさんが流れてきました。
「おいマハトラ! あれおまえんとこのじいちゃんじゃん!助けないと!」
「ほんとだ! 助けないと!」
流れてきたおじいさんを見て、子供達は騒ぎ立てます。ですが、マハトラ・モハンマドさんは、
「落ち着きなさい、子供達、こう言う時は冷静さが大切なんだよ」
と優しくさとし、流れているおじいさんに言いました。
「अरे, क्या आज भी ड्रैगन बॉल हीरोज करने वाले बच्चे हैं?!」
「いやだから、何言ってっかわかんねぇんだよ!」
「マジで、ふざけてる場合じゃねぇだろっ!」
するとおじいさんは言いました。
「いんや~、今日はいかなーい」
「おいまさか」
「マハトラ、おまえなんて言ったんだ?」
「やぁ、子供達、今日もドラゴンボールヒーローズをやりに行くのかい?と言ったんだよ」
「おいおまえふざけてんじゃねぇよ!じいちゃん死ぬぞっ!」
「ほんとだよ、しかも子供じゃねぇし!老夫だしっ!そして普通に答えてんじゃねぇよ!」
慌てる子供達に、マハトラ・モハンマドさんは言います。
「男は…いくつになっても少年なんだ…」
そう言って遠い目をしました。
「いや、知らねぇよ! ダメだコイツっ! おい、誰か大人呼びにいこうぜ!じいちゃん死んじまうよっ!」
「おうっ!行こうぜ!」
子供達はそう言うと、マハトラ・モハンマドさんの側からさっていきました。そして、おじいさんが調度マハトラ・モハンマドさんの辺りまで流れてきた時、マハトラ・モハンマドさんは、手をさしのべました。するとおじいさんは
「いや、おまえジャマダハル装備してるじゃん、それ物理的に握るの無理じゃね?」
と言います。仕方なくマハトラ・モハンマドさんは、ジャマダハルを外し、手をさしのべ、おじいさんを引き上げました。
「おじいさん、今日も川から流れて帰ってきたんですね」
「こっちからの方が早いからな、それに楽だし」
「……そうですか」
こうして、無事おじいさんを引き上げたマハトラ・モハンマドさんは、交換留学を終え、母国へと帰っていったのでした。
めでたし、めでたし。
なにこれ。