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EP1 ていうか、また探すの?

「……つまり覇王装備を集めればいいの?」


「そうじゃ」


 結局このパターンかよっ。


「……何かを集めるパターンが定着しつつあるような……」


「済まぬのう。じゃがブラッディーロアも乗り出してきた以上、一刻を争うのじゃ」


「そうね。院長先生達が覇王装備をコンプリートして覇王の宝玉を完成させちゃったら、目も当てられないもんね」


「いや、〝飛剣〟や〝刃先〟(エッジ)が集めたならば、まだ話し合う余地はある。じゃが〝絶望〟が集め出しておるならば……」


 ……まさか……。


「……神命の宝玉(コトノハ・オーブ)を知っている?」


「そう考えるべきじゃな。〝絶望〟を名乗っておる以上、絶望の獣(ディアボロス)と関わりがあると思って良かろう」


 ……絶望の獣(ディアボロス)もいちいち関わってくるわよね……。


「わかったわかった。覇王装備集めには私達も参加するわ」


「済まぬのう」


「ていうか、ヒントちょーだい」


「む、ヒント?」


「当たり前よ。宇宙って果てしなく広いのよ? 当てもなく探せ、なんて言われたら何年かかるやら」


「あ、そうじゃな。ならばこれを授けよう」


 そう言って渡されたのは………………箱?


「これは覇王センサーじゃ。このように覇王装備を近づけると」


 懐から小手のようなモノを取り出して箱にかざす。

 すると。


 がちゃん


『はおーっ! はおーっ! はおーっ!』


「……という具合に、箱からミニマーシャンが飛び出して、方角を指し示すというおぐぅほ!?」

「こんなオモチャで何ができるってのよ!? もっとマジメにやんなさいよ!」


「ま、真面目も真面目、大真面目じゃ! この覇王センサーは現在科学の粋を集めて作った傑作じゃぞ!?」


「そんな重要なモノに自分の人形を使うバカがいるかっ!」


「アンドロイドが作ったのじゃ! 妾への尊敬の念に違いあるまいて!」


「あんたが尊敬されてること自体がおかしいのよ!」


 この不毛な言い争いは。


「いやっかましいわっ!」

 どごっ

「ぽげえっ!?」


 私の八つ当たりキックでマーシャンがKOされるまで続いた。



『ぐるぐるぐるぐーる、ぐるぐるぐるぐーる』


 ……うっざいなぁ、コレ。


「おはようございます……サーチ、何ですかそれ?」


「おはよ。昨日マーシャンから押しつけられたガラクタ」


「マーシャンから?」


『ぐるぐるぐるぐーる、ぐるぐるぐるぐーる』


 箱から飛び出したミニマーシャンは、意味もなくぐるぐる回ってるだけ。ウザい。


『ぐるぐるぐるぐーる……ピコーン!』


 ピコーン?


『きょにゅー! きょにゅー!』


「な、何ですか、それ!?」


「私が知りたいわよ! 何で巨乳(エイミア)に反応するわけ!?」


「……ふわあ……おはよ〜」


 今度はナタが起きてきた。すると。


『ピコーン! びにゅー! びにゅー!』


「はあ? びにゅーって何?」


 ……たぶん「美乳」だな。


「何なのサーチ、このふざけたオモチャは」


 一応現代科学の結晶だそうです。


『お早う御座います、サーチ様』


 ライラちゃんも起きてきて……って、ヤバくね?


『ピコーン! ひんにゅー! ひんにゅー!』


『…………はぁ? 誰が貧乳だぁ?』


 やっぱり! ライラちゃんが夜露死苦フォルムに変化しちゃった!


『ヤキ入れてやるんで夜露死苦ぅぅぅ!』

「待って待って! ライラちゃんストップ!」

『ヤキ入れたるぞゴラァァァァ!!』

「ナ、ナタ、これってどうやって止めるんですか!?」

『きょにゅー!』

「ボクにもわかんないよ!」

『びにゅー!』

『巨乳だ美乳だ、私への当て付けかゴラァァァァ!!』

「ちょっとライラちゃん落ち着いて!」



『ぐるぐるぐるぐーる、ぐるぐるぐるぐーる』


「……ホントに効果あるの、これ?」


「今のところ胸以外には反応してませんよね」


 このミニマーシャン、どうやら姿かたちだけではなく、内面もマネているらしい。


「とはいえ、これしか手がかりがないのよね〜……」


『一応知能は有る様ですし、直接問い質すしか無いのでは?』


「うーん……ちょっと、ミニマーシャン」


『ぐるぐるぐるぐーる……ぐる?』


「ここから一番近くにある覇王装備まで案内して」


『ぐるぐるぐるぐーる……はおーっ! はおーっ! こっち!』


 おお、通じた!


『ぐるぐるぐるぐーる! ぴかいちびにゅー! ぴかいちびにゅー!』


 はい?


『ぴかいちびにゅーのいうこときくー! ぐるぐるぐるぐーる!』


 ……??


『要はサーチをマスターと認めたのだと思います』


 ニーナさん。


『そのような見た目ですが、現代科学の結晶というのは嘘ではなさそうです。素晴らしい出来映えですよ』


「これが!? 現代科学の結晶で!? 素晴らしい!? 出来映え!?」


『……外見は除きましょう』


「で、でも中身は一級品なの?」


『それは保証します』


 マジでー!?


『実際にその機械の導きに従ってみればわかりますよ。着いた先に覇王装備が無ければ、その時はスクラップにしてしまえば良いのです』


『ぐるぐるる!?』


「そうね、スクラップにね……」

「そうですね、鉄屑にね……」

「そうだね、粗大ゴミにね……」

『あの、申し訳御座いません。私にもその言葉は厳しいので』

「「「ごめんなさい」」」


 そうね、ライラちゃんも鉄の固まりだもんね……。



『ぐるぐるぐるぐーる、あっちあっち!』


 ウザい機械の導きに従って航行すること三日。レーダーが巨大質量を捕らえた。


『これは廃棄されたコロニーですね。おそらく第十八コロニーかと』


 そんなところに覇王装備が?


「人がいる感じはある?」


『……サーモグラフィーには何も。コロニー自体も動いていません』


「……つまり……」


『人が住めるような環境ではない、という事です。空気も尽きているでしょう』


 そんな場所に何であるわけ?


「……どっちにしても、行ってみるしかないか……」



 宇宙服の代わりになるボディバリアを展開。これで宇宙空間でも難なく動けるし、空気の心配もない。


「まずは内部に手分けして侵入。エイミア、扉を切っちゃって」


「はい」


「エイミアが扉を切ったら、私が最初に潜入する。ナタは援護を」


「りょーかい」


「ライラちゃんは私と一緒に」


『畏まりました』


 手筈を整え、エイミアが電撃を集中したとき。


 ウィーッ


 え、開いた?


「誰じゃ……ん? サ、サーチかえ?」


 マ、マーシャン!?



「……なるほど、マーシャンの隠れ家ね」


「まあな。ブラッディーロアからは狙われておるからの」


 つまり。マーシャンが既に手に入れていた覇王装備を検知し、私達をここまで導いてきたのだ。つまり、機械は正しかったわけで。


「マーシャン、あの機械のデザイン、マジで何とかならなかったの?」


「……妾に対して大変失礼な事言っとる自覚はあるのか?」

マーシャンに引っかき回される運命。

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