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EP5 ていうか、ファッションショー?

 第二十一コロニーに到着してから、もっと深刻な問題があることに気づいた。


「着るモノをどうしよう……」


 一応普段着はあるんだけど、下着は全て盗まれちゃったから……。


「マズい。普段着だと下着を着けてないのバレバレだわ」


 エイミア達は戦闘用の重装備があるから、下着を着けてなくても外見ではわからない。私の場合は普段着=柔らかい生地だから……形がしっかりとわかっちゃうわけで……。


「どうかな。やっぱりわかっちゃう?」


 試しに少し多めに着てはみたモノの。


「わかりますね」

「二つしっかりわかっちゃうね」

『はっきりと認識できますわ』


 だよねえ……。


「それに歩いてるときの揺れ具合が目立ちます。そのままだと間違いなくバレますね」


 ですよねー!



 というわけで、女の子同士で話が盛り上がるうちに。


「第一回、サーチ。をプロデュース大会〜!!」


「『わ〜〜!』」


 何でそうなった!


「ていうか、私服でいいじゃん!」


「駄目です! 戦いのときに万が一攻撃を受けたら、一撃で終わりじゃないですか!」


 今までのビキニアーマーだってそうだよ!


「それにサーチの私服は露出度が高すぎるし」


 だからビキニアーマーだってそうだよ!


『それ以上にサーチ様を着せ替え人形にしてみたいのですわ』


 正直だなっ!


「それに戦闘用なんですから、自分の好みを持ち込んじゃ駄目です。やっぱり機能優先ですよ」


 ……はああ……こりゃ退かないわね。


「わかったわよ。その代わり最終的に決めるのは私だからね?」


『わかりましたわ。では私が幾つか下着を見繕って参りますので、それから行動を開始致しましょう』


「「「お願いします」」」


 全身金属のライラちゃんは下着を着けていようが着けてなかろうがノープロブレムだからね。


「ていうか、ライラちゃんって下着必要ないんじゃ?」


『それは女の子ですから』


 さいですか。



 ライラちゃんが適当に買ってきた下着を着て、まず向かったのは。


「ランジェリーショップでしょうよ」

「当たり前ですね」

「一番重要だよね」

『これは必要不可欠ですわ』


 ライラちゃんにはワゴンセールの安売りを買ってくるよう頼んだから、やっぱり着心地は悪い。


「ま、どうせ仮の下着だしね」

「自分の下着は自分で選びたいです」

「ボクもそれは完全に同意だね」

『やっぱり女の子ですからね』


 それぞれに下着を選んで購入していく。


「あ、あれ!? エイミア、またサイズ上がったの!?」


「はい。何故かどんどん大きくなってて」


 す、少しでいいからその肉をよこせ!


「別にいいじゃん。サーチだってDくらいあるんでしょ?」


「……ずっとCとDを行ったり来たりなのよ。いつまで経ってもDの壁を越えられないのよ!」


「そうなんだ。ボクはEの壁を越えられないんだ」


 …………は?


「ちょっと見せて…………ホ、ホントだ。全部Eカップ……」


「な、何だよ。人の下着をジッと見て」


「ボ、ボクっ子に負けた……」


「はあ?」


 け、結構精神的にくるわね……。


『大丈夫ですわ、サーチ様。私はずっとBですの』


 成長したら不思議だよ!


『それよりも、次ですわ。既に女の子向けの防具専門店もピックアップしてありますわよ?』


 準備万端だな!


「わかったわかった。ならライラちゃんが探してくれた店に行きましょう」


「「『わーい♪』」」


 ……たく。完全に私をオモチャにする気だな。



「……って、ゴスロリかよ!」


 ライラちゃんが選んだ服は、完全に戦闘用ではなかった。


『全てアイアン加工されていますわ。立派な防具ですわよ?』


 前言撤回。一応防具らしい。


『さあさあ、着てみて下さいまし』


「ちょっとライラちゃん!? 何でカメラを準備してるのかな!?」


『撮影してサーチ様の写真集を作りますわ!』


 どんだけ撮るつもりだよ!


「あ、いいですね! サーチ写真集、私も参加します」

「ボクもボクも」


 おおい!? 当初の目的はどこいった!?


『早く着替えて頂けます? 後が詰まってますわ』


 ……はああああ……。

 長いため息のあと、試着室に向かった。



「着替えたわ。開けるわよ」


 カシャアアッ


『おおおおっ!』


 カシャカシャ パシャパシャ


 カーテンを開くと、カメラを構えたライラちゃんが撮影を始める。残像を残す勢いでシャッターを切る。


『サーチ様、腰に手を! もっと胸を強調して! そこで屈んではにかんで!』


 はいはい……っていうか何をさせるのよ!


『出来ましたわ。次の方どうぞ』


「はいはい、ボクだね〜」


 ……ていうか、このネット生地のシャツ……。



「うん、サーチにはパンツスーツも似合うね」


 ぜ、全身真っ白すか!?


「ほらほら、ポーズポーズ。今回は男っぽいカッコなんだから、そういう雰囲気でお願い!」


 何でボーイッシュ趣味? ボクっ子だから?


「うん、いいね。ボクも撮影終了だよ……次は大本命だよ」


「さあ、待ってましたよサーチ!」


 ……ていうか、このパンツ、意外と……。



「サーチに着てほしいのは……これです!」


「ていうか、これってキュアガーディアンズの事務員の服よね!?」


「サーチが一番着なさそうな服を考えたら、それに行き着きました!」


 私が着なさそうなヤツを選んでどうするのよ!?


「…………私が着てみたかったんですけど、サイズ的に無理で」


 へーへー、どうせバストがキツいってんでしょ!


「さあさあ、サーチの晴れ舞台ですよ! きちんとポーズとってくださいよ!」


 ライラちゃんに負けない勢いでシャッターを切りまくるエイミア。ていうか、マジで写真集作るつもりか?


「……はい。堪能しました。私も撮影終了です」


 ……ていうか、この上着……。



『さあ、サーチ様!』

「この中から!」

「どれを選びますか!?」


「選べるか! ゴスロリとボーイッシュと制服で戦えっての!?」


 戦うにはジャマすぎるっつーの!


『……そうですか……』

「……そうだよね……」

「……ガックリ……」


「とはいえ」


 私は気になってたパーツを着込み、試着室から出る。


「ネット生地だけどしっかりアイアン加工だから防御力が高いし、白のパンツも伸縮性がバツグンだから着やすいし、この上着も端末内蔵で使いやすいし……というわけで、良いとこ取りしてみました!」


 イメチェンついでに髪型もポニーテールに。どうかしら?


「「『…………』」」


「な、何よ?」


「いや、ネット生地って……要はメッシュですよ? 下着丸見えですよ?」


「え、別にいいじゃん。見られてもいいブラだし」


「「『…………』」」


「な、何よ!?」


「「『露出狂』」」


 う、うるさいっ!



 結果的にライラちゃん監修で製作された私の写真集は、発売開始から三分で完売した。

 ただし、買ったのは一人。ハンドルネーム「すねーくへっど」ってのが全部買い占めたんだけど……まさか、ねぇ?

なにげにヴィーが。

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