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EXTRA リ、リル、何事?

かなり痛々しいシーンがあります。

 どがあっ! ばきっ!


「うぐっ! ニャぐっ!?」


「ほらほら、どうしましたの? 貴女は一時はパーティを率いていたのでしょう?」


 どごどごどごっ!


「ぐふっ、がふっ、あぐぅぅぅ!!」


 ……意外と粘りますね、リルも。


 ずどっ! どがどがどがどがどがっ!


「ニャぐぐぐぐ……! ぐぁぁぁぁ……!」


「ほら! 気を失う前に、一発キツいのを行きますわよっ!」


 そう言ってナイアはサイ・ハンマーを振り上げ。


 ぶおんっ!

 どすううぅぅぅん!!


 天井から吊り下げられたリルの腹部にヒットし。


「ニャぎゃああああぁぁぁぁ…………っ」


 苦痛の悲鳴をあげてから、リルは再び意識を手放しました。


「ふう……ヴィーさん、交代ですわ」


「わかりました」


 ナイアが部屋を出ていってから、私は聖術で水球を作り出し、リルの顔に叩きつけます。


 ばしゃあ!


「ニャ!?」


「目が覚めましたか? 次は私の番です」


 再び水球を作り出すと、今度はぶつけるのではなく、リルの顔を覆います。


「ごぼっ!? がぼぼぼぼぼっ!」


 呼吸が出来ずに苦しむリルに、サイ・テンタクルを展開。


 ぐるぐるぐる


 三本でリルの身体に余す事なく絡み付き。


 ぐぐぐぐぐぐっ

 めきめきめきっ みしみしっ


「ごぼぼぼぼぼっ!」


 骨が砕ける一歩手前まで締め上げます。


 みしみしみしみし……めきめきっ


「がぼっ! ごぼあ!」


 同時に肺も締め上げられ、体内に残っていた空気も締め出されて……。


「ご、ごぼぼぼぼ…………ぼこ…………」


 酸欠によってリルは再び意識を失います。


 ざばんっ!


 取り敢えず水球を解除して呼吸を再開させまして。


 ぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎり

 めきめきめきっ


「……っ……ぅぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」


 一気に最大限の力で締め上げ、痛みによって意識を強制的に戻します。

 そして。


 みしみしみしみし…………ぼきっ!


「がっ! きゃああああああああっ!」


 ばきっ! ぼきぼきぼきっ!


「あぐっ! ニャぐっ! ニャ、ギニャアアアアア!!」


 全身の骨が砕けていく凄まじい痛みに、リルは耐えきれずに悲鳴をあげます。


 ぼきぼきぼきぼきっ!


「あがっ! ぐあっ! ご、ごぼっ!」


 内臓に深刻なダメージが出たらしく、大量の血を吐きます。それを見た瞬間にサイ・テンタクルをほどき、聖術で回復。


 ぱあああああっ

「ぐあ……あ……あ……は、はあ、はあ、はあ……」


 全身の傷が癒えてもなお、リルの苦痛の表情は取れませんでした。


「……よし、今日はここまでですね」



「どうでしたか?」


「……昨日よりかなり耐久力は上がりましたわね。死ぬ一歩手前まで及ぶ時間が段々と長くなってますわ」


「そうなると……更に違う方法で責めないといけませんね」


「ええ。では二人同時にやってみませんこと?」


「そうですね。明日からはそれでいってみましょう」



 ぎりっ ぎりっ ぎりりっ


「ううっ」


 次の日。再びリルを吊し上げてから、私はナイアと頷き会います。


「きょ、今日はニャにしてくる気だよ。楽しみだニャ〜」


「へえ……まだ虚勢を張る元気があるのですわね」

「なら遠慮なくいきましょう」


 手始めにサイ・テンタクルを展開し。


 びしぃ! ばしばしばし! びちぃぃん!


「ぐあ! があああああ……!!」


 リルの全身を鞭の要領で叩きます。そして。


「まだまだいきますわよ!」


 ぶおんっ! ずどむっ!


「ぐふぅ!」


 ぶおんっ! どずん!


「がぶぅ!」


 ぶおおんっ! ずずぅぅん!


「ぐぶぅぅぅ!」


 ナイアの全力でのサイ・ハンマー三連撃。堪らずリルは気絶します。


「まだまだ寝かせません」


 昨日と同様にリルの顔に水球を叩きつけ。


「げぼっ!」


 強制的に覚醒させ、昨日と同じようにサイ・テンタクルを全身に絡ませ。


 ぎりぎりぎりぎりっ


「ニャぎゃああああ…………!」


 ゆっくりと、しかも少しずつ力を上げながら締め上げていきます。更に。


「はああああっ!」


 ずどどどどどどどっ!


「あがああああああ!」


 ナイアが鳩尾に連続でパンチを当てて、更にリルに苦痛を与えます。


 ぎりぎりぎりぎりっ みしみしみしみしっ


「ぐあああああ……!」


 骨が砕けるギリギリの状態を保って締め上げ。


「はいっ! はいっ! はいっ!」


 ずどむっ! ずどむっ! ずどむっ!


「ぐふぅ! ぐふぅ! ぐふぅ!」


 今度は連続でミドルキックを決められ、口から吐く息に血が混ざり始めます。


「ど、どうですか!?」

「まだ! もう少しです!」

「なら一気に?」

「いえ、このまま維持します」


 みしみしみしみし……!

 ずどむっ! ずどむっ! ずどむっ!


「あ、が、が、があああああぁぁぁぁぁ……!」


 すると、あれだけ苦しそうだったリルの表情が段々と解れていきます。


「きました! いよいよですよ!」


「がああああああがああああああ! ウニャアアアアア!」


 リルの全身に力がみなぎっていきます。そして……!



『条件達成。スキル≪苦痛耐性・Lv.MAX≫が解放されました』



「ふうう、助かったぜ。今までありがとな」


「もう嫌ですわよ!」

「私も懲り懲りです!」


 リルにご飯を奢ってもらいながらも、私達はリルに文句を言います。

 一週間前、突然リルから「私を徹底的に痛めつけてっ」と言われた時は、本気でパーティ離脱を考えたモノでしたが……。


「すまねえな。最後のスキル解放条件がキビしくてよ」


 リルも相当レベルを上げていますが、どうしても解放できずにいたスキルがあったそうで。それが≪苦痛耐性≫の最終レベルだったそうです。

 しかも、その条件が……。


「身体に感じる最大限の苦痛を長時間味わい続けるって……どうやれってんだよ」


 頼まれた私はナイアにも声をかけ、あの手この手でリルを痛みつけたのですが……。


「やはり決め手はエカテルの薬ですね」


 リルが拝み倒して作ってもらった苦痛倍増薬。流石はエカテル製だけあって、効果抜群でした。


「リル、今回だけですわよ。仲間を痛みつけるなんて、金輪際御免ですわよ!」


「わかってるよ! 私だってもうイヤだよ!」


 私はリルを眺めながら、変な嗜好に目覚めないか、という不安からようやく開放されたのでした。


「……何回夢でリルが『……もっと』と言ってきたか、わからないくらいです」

「ワタクシもですわ」

「私なんか『もっと苦しい薬を』って足にすがり付いてくる夢を……」


「全員気色悪い夢見るなぁ!!」



 因みに。


「ワタクシも何故か≪攻撃上昇≫のレベルが上がりましたわ」

「私も≪禁薬≫のレベルが上がりました」


 実は私も≪鞭≫のレベルが大幅に上がりました。



 結果オーライ?

よかったよかった。


明日から新章です。

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― 新着の感想 ―
[一言] いきなりの展開に何事かと思いきや……苦痛耐性とはドMとヤク中を生み出しかねない危険を秘めたスキルなのか(゜A゜;)
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