第二十三話 ていうか、紅美回。 クイズ・テラドニアでみんなを助けて一千万円獲得だ!
『では、二問目!』
ジャジャーン♪
……真っ昼間から露天風呂で、しかも素っ裸でクイズに挑戦してる私って一体……。
『私の八代前の先祖の名前はどれ?』
がちゃあああん!
『ご、ごめんなさい! もう言いませんから!』
……たく。
『で、では本当の二問目。北米大陸の最高峰は、次のうちどれ?』
え、何だったっけ……。
A、ヘナリ
B、デナリ
C、えなり
D、ホワイトハウスの庭の砂山
「絶対にDは無いな」
『え〜? わかりませんよ〜?』
大統領が住んでる家に北米大陸の最高峰があってたまるか! しかも砂山で!
「……Bのデナリ」
『本当に?』
「ええ」
『本当〜…………にいいのね?』
「……はい」
『本当に本当に本当に本当に本当に本当』
がちゃあああん!
『いやああああ! 止めて止めて!』
「ならさっさと答えを言ええええええええ!」
『さ、最後の答え?』
「はいはいはい、最後の答え!」
『……正解』
ぃよっし! 少しえなりと迷ったのよね!
『デナリは北米大陸とアメリカ合衆国の最高峰であり、標高は6190m。別名としてはマッキンリーとも呼ばれ「ウンチクはいいから次の問題!」……はい』
さあ、ドンと来なさい!
『三問目!』
ジャジャーン♪
『……今、何問目?』
……は?
A、一問目
B、二問目
C、三問目
D、四問目
『さあ、答えをどうぞ。少し難しかったかな?』
「……………………C、最後の答え」
『いいのですね?』
「最後の答え」
『わかりました…………………………………………………正解』
だから! 無駄に溜めるな!
『よくわかりましたね』
「……貴女……最初に『三問目』って言ったわよ……」
『し、しまったああ!』
こんな調子で……。
『答えはBの土方歳三でいいのですね?』
「もちろん」
『では、最後の答え?』
「最後の答え」
『…………………………………………正解』
次々と正解を重ねていき……。
『……Dですね?』
「だからBだって」
『Dで本当にいいんですね?』
「だから! Bだってば!」
『……わかりました。もう変更はできませんからね……Dで最後の答え?』
がちゃあああん!
『ごめんなさい! ごめんなさい! Bで正解ですぅぅぅっ!』
……ついに十問目へと到達したのだった。
『さあ、この問題に正解すれば、あなたの手には百万円が!』
「ちょっと待って。百万円って何よ?」
『……ちょっと気分を盛り上げたかっただけです』
「いや、本当にあるなら貰うけど」
『ありません』
なら言うなよ!
『さて、それでは運命の十問目!』
ジャジャジャーン♪
『…………自動車は簡単に言うと、走る何と言える?』
は?
A、電算機
B、蓄音機
C、原子力発電所
D、火力発電所
『さあ、どれ?』
二つが違うのはわかるけど……!
「う〜ん……」
『お、今回はわかりませんか?』
「ん〜……二つのどっちかで迷ってるんだけど……」
『ならば、命の線を使いますか?』
命の線???
『はい、「皆に聞く」と「半分半分」と「念話で電話」から選べます』
あったな! 確かにそういうのあったな!
「それじゃあ……『皆に聞く』でお願いします!」
『はい、それでは会場の皆さん、手元のスイッチを…………あああ! 会場の皆さんが誰もいなあああい!』
意味ねえじゃねえか!
「何じゃ何じゃ、女湯が騒がしいのう」
誰かいたあああああっ!
「あれ、会場の皆さんよね!?」
『そ、そうですね……』
「じゃあスイッチも無いし、直接聞くわ。お爺ちゃん、車って走る何って言われてる?」
「ん? そりゃ走る火力発電所に決まっとるじゃろが。元整備士のワシを舐めるでないわ」
ナイス偶然!
「というわけで、Dの火力発電所!」
『……最後の答え?』
「最後の答え!」
『…………………………………………………………正解』
無駄に溜めるなっつーの!
「お爺ちゃん、ありがと〜! 今度お酌なり肩揉みなりしてあげるわね〜!」
男湯から歓声があがる……って結構いたのね、会場の皆さん。
そして、私は……。
『では十一問目の答えはBのフェルメールでいいのですね?』
「いいわ」
『本当にいいんですね?』
「……いいわ」
『本当に、本当に、本当に、本当』
がちゃあああん!
『ごめんなさい! ごめんなさい! 正解です!』
十一、十二と順調に正解を重ね……。
『十三問目はBですね?』
「違う、D」
『本当にBでいいのですね?』
「だから、D」
『わかりました。ではBで最後の答え』
がちゃあああん!
『すみませんでしたあ! D、Dですね! 正解!』
ついに最終問題、十五問目まで到達した。
『そ、それでは十五問目……運命を変えるのはあなたです!』
「わかったから早くして! ぶっ壊すわよ!」
『は、はいいっ!!』
陶器タヌキは空中に何かを映し出す。
『さあ、この一千万の小切手を手に入れられるのか!』
「……また冗談なんでしょ?」
『いいえ、これはマジです』
「……本当にお金に交換できるのね?」
『はい、間違いなく一千万円になります』
「よおおし、絶対当てちゃる!」
陶器タヌキはニヤリと笑った。
『では最後の問題……発売されてからクリアされるまで十数年を要した事で有名になった、伝説のクソゲーは何?』
「……………………はい?」
A、デスク○ムゾン
B、エル○ークの財宝
C、○の恩返し
D、メタル○レイダーグ○ーリー
……き、聞いた事ないゲームばっか…………わ、わかるかああああああ!!
「え、え〜……」
『まだ命の線は残ってますよ?』
あとは……『半分半分』と『念話で電話』か。
「……とりあえず『半分半分』使います!」
『では答えが自動的に二つ消えます……』
じゃん!
A、デスク○ムゾン
B、エル○ークの財宝
どっちにしてもわかんねえええっ!
「う、う〜……二択かぁ……勘でいくしかないかな」
『……まだ「念話で電話」が残ってますよ?』
「だ、誰に繋がるのよ?」
『あなたともっとも縁の深い方ですね』
私に縁が深いって……ホンニャン母さんかな。
「……賭けです。『念話で電話』使います!」
『わかりました……もしもし』
『……へ? タヌキから念話?』
こ、この声はサーチ!? サーチなら……!
「もしもし、紅美だけど」
『へ? タヌキが紅美?』
「タヌキから離れて! ちょっと教えてほしいんだけど」
『は?』
「発売されてからクリアされるまで十数年の時間を要した、伝説のクソゲーって何?」
『は、はあああ?』
「デスク○ムゾンか、エル○ークの財宝」
『あ、それならエルナークの○宝に決まってるじゃない』
「ありがとー!」
『え、ちょっ』
「というわけで、Bのエル○ークの財宝でお願いします!」
『……最後の答え?』
サーチ、信じてるから……!
「……最後の答え!」
『……………………………………………………おめでとう! テラドニア達成!』
ぃやったああああああああああ!
ただし、税金は引かれます。