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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第二十話 ていうか、ついに新メンバー発表! その名は……?

「先日はお疲れ様でした、サーチ様」


「エ、エリザ!? 何であんたが?」


「リファリス様のご命令で使者として参りました」


「だからどうやってよ! あんたリファリスと帝国に帰ったんじゃないの!?」


「帝国ではなく、共和国です」


「どっちでもいいわ!」


「どっちでも良くありません! 帝国と共和国は全く別物です! あなた、命を懸けて戦った民衆に喧嘩を売ってるのですか!?」


「政治体制の議論をしてるんじゃないわよ! とっくに帰路についてるはずのあんたが、どうやってここへ来たか、って聞いてんのよ!」


「どうやってと言われましても……出立する直前にリファリス様からご命令があっただけです」


「ああ、つまりは帰らずに戻ってきたってわけね……。転移でもしてきたのかと思ったわよ」


「それより! 帝国と共和国とでは、そもそも政治体制としては対極に」


 それはもういいから! 政治と宗教と野球の話題は、忙しいときは御法度だからね!



「……じゃあ魔王軍(ソレイユたち)との今後の関係について、具体的な協議を始めるの?」


「はい。まずはその下準備の為に私が派遣された次第で」


「……エリザってメイドよね? 政務官みたいなことまでするわけ?」


「私はリファリス様の秘書も兼任しています。他国との交渉の際は、私が先行して事務的な協議をします」


 ……政務官としても優秀だったんだ。盾をぶん回す印象が強すぎる。


「なら、私には一体何の用なの?」


「リファリス様から書状をお預かりしています。受け取った後は、その場ですぐ読むように……との事です」


 そう言ってエリザは懐から書状を取り出した。余談だけど、当然メイドの格好ではない。


「すぐに読め、か。こういう場合って、ろくなことがないのよね……」


 封筒を開き、手紙を取り出す。なになに……。


「………………」


 音も立てずに置かれたティーカップをとり、口に運ぶ。


「……ぬるい。65点」


 エリザの表情が強ばったけとスルー。そのまま二枚目に読み進み……。


「……ぶふぅぅぅっ!?」

「きゃああ! 熱い汚い熱い汚い熱いいぃぃ!」


「な、な、何ですってえええっ!?」


 リ、リファリスのヤツ……一体何を考えてるのよ!?


「も、もはや許しません! 人の顔に、口に含んだ紅茶を吹き掛けるとは! 表に出なさい、決闘ですひぐぅ!」

「はい、あんたの背後をとりました。おまけにあんたの首筋には短剣。誰がどうみても私の勝ちよね?」


「う、うぐぐ……」


「そういうわけだから、これ読みなさい」


「は?」


「あんたにも関係あることだから。ったく、リファリスの正気を疑うわ……」


 エリザはそのまま手紙を受け取り、読み始めた。けど。


「な、な、何ですってえええっ!」


 ……私と同じ反応をした。手紙には、こう書かれていたのだ。



『暗黒大陸にエリザを連れてって。返品不可でお願いね☆』



「リファリス様、あれはどういう事ですか!」


 私から念話水晶を強奪(はいしゃく)していったエリザは、速攻でリファリスに抗議の念話をしていた。そこへ騒ぎを聞きつけたソレイユが顔を出す。


「サーチ、何かあったの?」


「……どうやらリファリスから、三行半を突きつけられたみたいで」


「三行半? ……ああ、あの子はリファリスの?」


「何故か私達に付いていくように言われて、ただいま猛烈に抗議中」


「じゃああの子が、リファリスが言っていたエリザって子ね」


 ん? リファリスが?


「サーチ達が地上に戻ってくる前、少しだけリファリスと会談をしたのよ」


 もう魔王(ソレイユ)に根回しか。相変わらずリファリスは政治的な対応は迅速ね。


「その時にへヴィーナの話も出てね、折角だからリファリスの元で、政治のいろはを叩き込んでもらう事になったのよ」


「ああ、それはいい考えだわ。リファリスは戦うことより、政治の方が得意だから」


「ただし見返りとして、一人鍛え上げてほしい子がいる、って言われたの」


「……それがエリザ?」


「ええ。これからエリザはリファリスの右腕として、ますます忙しくなる。だからいろんな経験を積んで、見識を広くしてほしいんだって」


 なるほど……それで私達の旅に同行しろと。旅ってのは否応なしに貴重な経験が積めるから、間違ってない。間違ってないけど……。


「……私達の意思は完全に無視されてるわね」


「だね〜。リファリスってアタシ以上の曲者だよ」


 すると、意外にもエリザ同行に賛成する声があがった。リジーである。


「サーチ姉、エリザの職業って何?」


「私と同じ、重装戦士よ」


「なら『攻撃力』は高い?」


「普通の重装戦士ならね。ほぼ全ての装備品を扱えるってのは伊達じゃないわよ」


「なら完全に前衛の盾役になってもらえる。私が後衛に回れば、遊撃役のサーチ姉が活きる」


 むむ、意外と考えてるわね。けど甘い。


「その案を採用するには、まずリジーが遠距離の攻撃方法を身につけないとね。梯子じゃ中距離がやっとでしょ?」


「ところがどっこい無問題」


 リジーは魔法の袋(マジックバッグ)から弓を取り出す。


「の、呪われアイテム? どこで拾ったの?」


「ヒルダさんがくれた」


 い、院長先生が!?


「放つと必ず自分に矢が返ってくる自縛の弓」


 自縛じゃなくて自爆じゃね?


「だから呪剣士の私が使えば、必ず敵に当たる必殺の矢が放てる」


 な、何てチートな……一気にリルの存在感が薄れていく……。


「ただし、あまり威力は望めない。だからサポートがメインになる」


「いや、サポートで十分。狙った場所に当てられるんなら、これほどサポートに適したことはないわ」


「なら私の案は採用?」


「あとはエリザの攻撃ね。武器の種類によっては、近距離戦が難しいこともあるから」


 モーニングスターだったり、槍だったり。さすがは重装戦士、装備できない武器はない。


「そ、それは本人に聞くべし」


「……だそうよ。エリザ、あなたの得意な武器は?」


 ……何だか足元が覚束ないような……。


「……盾です」


「盾が得意なのは知ってるけど、攻撃は?」


「……盾です」


「いや、だから」


「盾で殴って守ってます」


 盾で殴るって……あ、そういえばリファリスがそんなこと言ってたっけ。


「ぜ、前衛を任せても大丈夫……よね?」


「……お任せ下さい」


 ん? お任せくださいってことは……。


「……リファリスに論破された?」


「……はい……」


 それはそれは。


「まあどちらにしても……私達と一緒にいくしかないか」


 私達としても前衛が必要だし、エリザもそれしか手がないし。


「はい、というわけでよろしくお願いします。私がリーダーのサーチです。担当は大体遊撃」


「私はリジー。今度から後衛担当」


「……前衛担当のエリザと申します。どうかよろしくお願い致し「まった!」……はい?」


「仲間になるんだから、ですますは無しで。ね?」


「え? つまり、素で話せと?」


「そう」


「そう……ね。わかった。これからよろしく」


 お、意外と硬派なしゃべり方。


「うん、よろしく。そして、ようこそ! 私達のパーティ、船の底抜きボトム・フォールアウトへ!」


「………………ボトム……フォールアウト?」


「うん、そう」


「嫌だああああっ! こんな名前のパーティは嫌だああああっ!」



 こうして私達、新生船の底抜きボトム・フォールアウトが起動した。

あと一話で新章です。

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