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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第十八話 ていうか、久々にソレイユとマーシャンに会ったんだけど……?

 リル、ヴィーと別れてから、私とリジーは再び暴風回廊(ゲイルストーム)へ向かった。そこでソレイユとマーシャンに会うことになっているのだ。


「でもどうやって暗黒大陸へ行くの?」


「そうよねえ……海を越えるのが難しいなら、空を飛んでいく……とか?」


「……どうやって?」


「ん〜……魔術?」


「それが可能なら、とっくの昔に魔王様は暗黒大陸に到達している、と思われ」


「ま、そうよね……。ていうか、暗黒大陸に関する情報が無さすぎ! どんな種族がいるのかもわかんないって!」


「サーチ姉、誰も辿り着いた事がない大陸の情報、元々あるはずがないのでは?」


「リジー、甘いわ。前人未到とか言われてる場所はね、大体は昔の人達によって到達されてたりするもんなのよ。そういう話が、先祖代々口伝によって残ってるってことは、意外とよくあるモノなのよ」


「……へー」


 何よ、そのボタン押したら鳴るような感じの返事は。


「あーくそ、何か情報はないかな……。暗黒大陸にも温泉があるのかないのか、それが重要なのに……」


「……って、そこなの?」


「何よ、めっちゃ重要よ!? 戦いに疲れた身体を癒すため、温泉は絶対に欠かせないのよ!? 中には寿命が一万年近く延びる神秘の湯だって……」


「無い無い。あったら色々おかしいと思われ」


「そ、それはそうね……。ていうかリジー。暗黒大陸には必ず新種の呪いがあるはず」


「さあ行こうすぐ行こう。絶海は泳いででも渡ろう」


 ……相変わらずわかりやすい子。だけどね、泳いで渡るのは止めようね。



 あまり悠長にもしてられないので、途中で音速地竜(ソニックランドラゴン)を借りてスピードアップし、普段の半分の日数で暴風回廊(ゲイルストーム)に到着した。白目を剥いて気絶してるリジーをおんぶし、裏門へ回る。


「お、重い……! あんたもいい加減に音速地竜(ソニックランドラゴン)に慣れなさいよ!」


 ちょっと飛ばし過ぎだったかもしんないけど、泡吹いて気絶することないじゃない。失禁でもしたら遠慮なく突き落とそうかと思ってたけど、尊厳と命は自身の尿道括約筋によって守られた。


 ドンドン


「ソレイユ、着いたわよ〜。開けてちょうだい」


 …………シ〜ン


 あれ?


「いない……のかな?」


 おかしいな、聞き間違えはないと思うけど、実際に「シ〜ン」って音が聞こえた気が……。ま、まあ、とりあえず念話水晶で連絡してみるか……ん? んんん?


「一瞬既視感(デジャヴ)かと思ったけど……ホントにインターホンだ……」


 裏口の壁に、前世ではよく見かけたボタンがあった。


「……そういえば前から付いてたっけ……。あまりにも不釣り合いな光景に、強制的に忘れてたわ……」


 ファンタジー感ありありの世界で、裏口にインターホンを付けてるのは、たぶんソレイユくらいだと思う……。ていうか、ラスボスのいるダンジョンにインターホンって、ラストバトル感台無し。

 ……まあいいや、押すか。


 ピンポーン♪


『はいは〜い』


 早いな! 待ち構えてたのかよ!


「こら、返事は十回!」


『え!? ……えっと、はいはいはいはいはいはいはいはいはいはいはい! これでいいの?』


「一回多い!」


『よく数えてたわね! ってサーチ、随分早かったんじゃない?』


音速地竜(ソニックランドラゴン)でぶっ飛ばしてきた。ここ、開けて」


『……だからリジーの脈拍が弱いのか。いい加減にしないと、リジーの心臓止まっちゃうわよ?』


 む、それはいかん。今度からは加減してやろ。

 ていうかリジーの脈拍、こんだけ離れててよく聞こえるな。



 未だに失神中のリジーをケンタウルス女医さんに預け、ソレイユと最上階へ向かった。


「そっか。リルとヴィーは故郷へ帰ったのね」


「リルは実家に結婚の話をしに、ヴィーは今後のことを村のみんなと話し合うって」


「ふふ〜ん、寂しいんじゃない?」


「ぶっちゃけ……別れて二日間くらいは泣いてた」


「そうかそうか、泣いてた……って嘘!?」


「ウソって……ちょっと失礼じゃない?」


「あ、ごめんごめん。サーチにも涙腺あったんだ、と思って」


「……涙腺から止めどなく液体を垂れ流されたい?」


「いえ、全力でご遠慮申し上げます」


 ……たく。


「だけど流石に慣れたわよ。毎晩々々念話もかかってくるし」


「どっちから?」


「二人とも。あんまり多いから『緊急時以外に使うのは止めなさい!』って怒るくらい」


「あははは! あんた達らしいわ!」


 一応頻度は減ったけど、それでもたまに念話がある。だからヴィーだけは応答してる。

 え、リル? 知らぬ。


「そういえばさ、〝八つの絶望〟ディスペア・オブ・エイトは存続させるの?」


「冒険者の皆さんの仕事を奪えないでしょ。だから適度に(・・・)運用してくよ」


 ……確かにモンスター討伐が冒険者のメインの仕事だからね。ダンジョンからモンスターが出てこなくなったら、一気に廃業になっちゃうわ。


「……もしかしてギルドの総帥に泣きつかれたとか?」


「ま、そこは持ちつ持たれつってヤツよ」


 ……変な密約交わしてんじゃねえよ。ギルドの構成員には、口が裂けても言えないわな。


「……ん? 持たれつって……ギルドに何かしてもらってるの?」


「ああ、そうだった。サーチに言わなきゃって思ってたんだった」


「何かあったの?」


「ん、クルクルマキの二人を知ってる?」


「知ってるも何も……いろんな意味で記憶に残ってるわよ」


 人前でアレをやる度胸だけ(・・)は、大したモノだわ。


「やっぱりそうでしょ? あの娘達はすばらしいわ〜」


 は?


「だからギルドに頼んで、あの娘達を売り出してもらう事にしたの」


 ずどどっ!


「サ、サーチ? 急に階段から落ちてどうしたの?」


「う、う、売り出すですって!? あの二人を!?」


「ええ。ギルドの総帥もあの二人を見て『これは逸材だ』って太鼓判を押してたわよ」


「いやいやおかしいって! ソレイユもギルド総帥もおかしいって!」


「え? そんな事ないよ。以前と比べたら『……別人じゃね?』 っていうくらい面白くなったわよ」


「いやいやいや、以前のレベルがあまりに低すぎて、別人レベルじゃ面白くなり得ないって!」


 まさに神様に進化レベルじゃないとムリだよ!



 すっげえ気になる話題だったけど、とりあえず置いておく。マジで気になるんだけど、歯軋りしながら置いておく。


「マ、マーシャン! 何なの、このわだかまり! 何なの、この胸のときめき!」


「……何を混乱しておるのじゃ?」


「マーシャンはクルクルマキのことをどう思う!?」


「……成程、あの者共の事か。安心せい、ワシもサーチ達と同じ葛藤を抱いておる」


「やっぱり!? やっぱりそうよね! あーよかった、私の感性が変なのかと思ったわよ!」


「……サーチ、暗黒大陸への移動手段については気にならんのか?」


「………………あ、忘れてた」


「「「忘れるなよ!」」」



 ま、何はともあれ。とりあえず移動手段は何とかなりそうなんだけど……。


「……マジで?」


「マジじゃ」


 ……クルクルマキ、吹っ飛んだわ。

もうすぐ新章。ちなみに、パーティがサーチとリジーの二人だけ、なんてことはあり得ません。ということは……?

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