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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第十三話 ていうか、絶望の獣の最後の悪あがき! 結構ヤバめだけど、みんなで協力しあって勝鬨をあげる……?

 あれだけ早く傷が回復するのだ、抗体の強さもハンパないだろう。


 ガ……グゴ……ゲエエエ!


 だからこそアナフィラキシーショックもヒドい症状となる。たとえ顔が七つあろうと、全ての気道を塞いでしまうほどに!


「……OK! 準備できたわよ!」


「え……? ソ、ソレイユ!? 傷は大丈夫なの!?」


 何と、包帯だらけのソレイユが背後にいた。


「大丈夫じゃないけど、そんな事言ってらんないっしょ! やっぱアタシが現地で微調整しないとね」


「……わかった。時間がないから急いで!」


 アナフィラキシーショックがいつまで続くかわかんないし。


「じゃあ早速いくよーん! 次元の間に広がりし洞の扉を今こそ開かん! 無限の小箱(アイテムボックス)オープン!」


 バリ……バリバリ……

 ガパア!


 かなり大きめの亀裂が空間に現れる。あとはここに収納できれば……!


「う……嘘でしょ!? 入らない! ……な、何て抵抗力なのよ! この大きさの無限の小箱(アイテムボックス)でも小さいっていうの……!?」


「は、はああ!? まさか収納できないとか……言わないよね?」


「そのまさか。少し小箱(ボックス)内を広げるわ。あと五分はもつかな?」


「五分なら……たぶん」


「ごめん、ちょっとの間お願い」


 そう言ってソレイユは空間に手をつっこみ、何かゴソゴソし始める。


「……ま、あれだけのアナフィラキシーショックを起こしてるんだから、何もできないよね……ていうか思いたい」


 そのとき、念話水晶の呼出音が響いた。誰?


「はい、サーチです」


『さーちゃん、大変よ! 絶望の獣(ディアボロス)が何か変なのよ!』


 え!?



 急いで絶望の獣(ディアボロス)が見える位置に戻ると。


 グアアアアア…………!

 バキバキ、ギチュ……!


 な、何あれ……?


「あ、さーちゃん! 絶望の獣(ディアボロス)の顔が、段々と身体に取り込まれているみたいなの」


「顔が取り込まれてる?」


 ……そういえば……真ん中の顔だけ大きくなってきてる? これって以前に、ヴィーの頭の蛇が合体したときに似て…………あ!


「ヤ、ヤバい! 絶望の獣(ディアボロス)は顔を全部合体させて巨大化し、気道を広げるつもりなんだわ!」


「えっと……つまり、さーちゃんの作戦で塞いだ気道を、広げる為に身体の構造を変えてるわけね?」


「……おそらく」


「なら、相当なエネルギーを消耗するはずだから……もう一度強力な一撃を見舞えば、再生に必要なエネルギーと相殺されて、構造変化が止まるんじゃないかしら!」


「さ………さすが院長先生! ルーデル、もう一発お願ーい!」


『はあ!? 無茶言うなよ! さっきの一撃で精一杯だよ!』


 ちっ、ルーデルはガス欠か。


「先生は……」


「流石に無理よ〜。なんならさーちゃんが飛ぶ?」


 いえ、≪人間飛剣≫(フライングヒューマン)はマジで遠慮します。


「リルは……短槍(タマ)切れか。うわ、ヤバい! 何か手は……」


 ここまで、ここまで来たのに……!


「サーチ姉、もうすぐ完了すると思われ」


「わかってる! わかってるんだけど……! あ゛〜〜〜、誰か何とかしてよおおおっ!」



『……わかりました』



「……ん? 今、誰かしゃべっ……」


 …………ォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!


「な、何あれ!?」


「わ、わかんない! 凄まじい波動が……」


 ゴオオオオオオオ!

 ズドオオオオンッ!!


「きゃあああ……!」


 な、何て威力の炎……! 一体誰が……!


「さ、さーちゃん! あれ!」


 え?


「ウ……ウッソオ!? 絶望の獣(ディアボロス)が半分無くなってる!?」


 グチュ! グチュグチュ!


「そ、それでも再生するのかよ!? ソレイユ、もう時間が……!」


「う〜、間に合わない! 仕方ない、これはやりたくなかったけど……無限の世界(アイテムワールド)全開(フルオープン)!!」


 ビキビキ! バッカアアアアン!


 ソレイユの悲鳴に似た詠唱により、さっきとは比べモノにならない亀裂が開き。



 絶望の獣(ディアボロス)が堕ちていく。




『チクショウ、チクショオオオオ! モウスコシ、モウスコシデセカイヲホロボセタノニィィィ!』


『……あなたの好きにはさせませんよ』


『ダ、ダレダ! オマエガワレヲボウガイシタノカアア!!』


『私、この世界が意外と好きなんです。ですから、あなたは邪魔なんです。そのまま収納されてしまいなさい』


『クソ、クソオオオオ! カラダガイウコトヲキカナイ!!』


『……それにしても、まさか次元の間(アイテムボックス)に閉じ込めるとは……あの娘さん、なかなか面白い発想をしますね』


『キサマ、ゼッタイニユルサナイ! ワレヲボウガイシタコト、ゼッタイニ、ゼッタイニコウカイサセテヤルゾ! ナヲナノレ、コノオロカモノガ!』


『……そうですね。餞として教えてあげましょう。我が名は……嘆きの竜(ローレライ)


『ナ……! ロ、ローレライ!? バカナ! スベテニカンシンヲモタナイオマエガ、ナゼ……』


『だから言ったじゃないですか。私は、この世界が、好きなんです』


『グ……グオオオオ……』


『……さようなら……要の狼(・・・)よ』




 ……ォォォォ……


「よし、封印(クローズ)!」


 ビキビキビキ……ズズウウウウン……


 ……し、閉まった。


 ソレイユを凝視する。院長先生も、リジーも。

 ソレイユは遠くを見るような目で、宙を睨み……やがて満面の笑みで。


「……やったよ。収納完了だああああ!」


「「「……よっしゃあああああああっ!!」」」


 ……何ごともなかったかのように澄んだ青空に、私達の勝利の雄叫びが響き渡った……。



 やがて……。



「リル、やったわよ! 絶望の獣(ディアボロス)封印作戦、無事に終了! 私達の勝ちよおおおっ!!」


「う、うっしゃあああ!」



 喜びの声は……。



「ヴィー、やったわ、やったわよ! 私達の大勝利よ!!」


「……!! 良かったぁぁ、本当に良かったぁぁぁぁ……」


「……なあ、サーチよ。サーシャは……逝ってしまったのか?」


「! ……うん。ごめんなさい、私を庇って……ごめんなさい……」


「いや、サーチが謝る事ではない。番を守って死んだのなら、あれも本望じゃろう」


「マーシャン……」


「それに世界を守って死ねたのじゃ。これ以上の餞はあるまい」


 は、はなむけね……。マーシャンには絶対に言えない。



 あちこちから響き始め……。



「リファリス、ありがとう! あなたの操作、全く危なげなかったわ!」


『あ、あったりまえでしょ……このリファ姉にお任せ……あれ……』


 バタッ


「あ、あれ? リファリス?」


『シーッ、眠ってらっしゃいます』


 ……そこまでがんばってくれてたんだ。


「エリザもありがとう。見事に勝ったそうじゃない」


『あ、あれは……その……あなたに誉められても嬉しくありません!』


 ふふっ、ツンデレ。



 ……だけど……。



「エイミアもお疲れ様。美徳装備を使いこなしたんだって?」


『…………サーチ』


「あ、あれ? ニーナさん? ………エイミアは……どこですか?」

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