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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第十一話 ていうか、最終決戦! サーチの渾身の一撃が決まったが、代償はあまりに大きかった……けど、何で三冠の魔狼いるの!?

『早く離脱しろっ!』


 ……くっ! あと少しだったのに!

 急速に回復してきた絶望の獣(ディアボロス)の皮膚に押し出される形で、傷口から離脱することになった。お願い、効いて! これで効果が出てくれれば、みんなが救われる!


 グギャアア!


『危ない! 避けろぉ!』


 ……え?

 スローモーションで私に迫ってくる、絶望の獣(ディアボロス)の牙。しまった、間に合わない……!


『させるかああああっ!!』

 ズドムッ!

『ぐはあああっ!?』


 ……この衝撃で、私の意識は暗転した。



 ――番よ。


 ………。


 ――番よ。


 ……んぅ……。


 ――これ、番よ。起きぬか。


 ……ん〜……起きぬきぬきぬおキヌちゃん……すぅ……。


 ――実力行使。


 がぶぅ!


 いってええええ!! な、何すんのよ!


 ――やっと起きたか、番よ。


 ……夢……かしら? なぜか私の前に、超絶美形の細マッチョが立ってるんですけど。もろ私の好みストライクなんですけど。


 ――お初にお目にかかるな、この姿では。私が先代の勇者にして、マーシャの夫であるサーシャだ。


 マジか。マーシャンのヤツ、意外と面食いだったのね。……ていうかマーシャンの旦那さん? なら……あんた三冠の魔狼(ケルベロス)!?


 ――そうだ。だから「この姿では、お初にお目にかかる」と言ったであろうが。


 ……確かに。


 ――今、私達がいるのは冥府……の入口辺りになる。


 冥府の入口? ってことは、私達死んじゃったの!?


 ――いや、死んだのは私だけだ。番は気絶しているに過ぎぬ。


 そうか、気絶しているに過ぎない……って戦いの途中で!? マジでヤバい! 早く目覚めないと!


 ――少し待て。この空間は時が止まっている。あと二時間程度は問題ない。


 時間が止まってる? 無限の小箱(アイテムボックス)と同じ理屈?


 ――そう思ってくれ。理屈はややこしい。


 ……まあいいんだけどね。で、あんただけ死んだってのは?


 ――はっきりと言ってしまえば、番が絶望の獣(ディアボロス)に食われそうになったのを庇い、代わりにバッキバキのグッチョグチョに噛み砕かれて死んだ。


 マジで!? ていうかそこまで具体的に言うなよ! 罪悪感ハンパないよ!


 ――いやなに。少しでも罪悪感を植え付けようと、かなりリアルに伝えたまでだ。


 ………っ……あんた、絶対にSよね……。


 ――えす?


 何でもない。だけど……ホントにごめんなさい。私がドジったばっかりに……。


 ――気にするな。多少噛み砕かれて、痛くて苦しくて辛くて、本気で死にたいと百回くらい願った程度の事だ。


 …………あんた、絶対に根に持ってるわよね……。


 ――当たり前だ。一番死にたくない方法の一つを、嫌という程に味わう羽目になったのだからな!


 ご、ごめんなさい……。


 ――本当に悪いと思っているのか?


 当たり前じゃない! 私の代わりに命を落とした相手に、罪悪感を抱かないわけないじゃない!


 ――ならば、最後に私の願いを聞いてくれるか?


 ……まあ……大体のことは……OKかな。


 ――ならば番らしい事をさせてもらう。


 番らしいこと?


 ――健全な男女の営みだ。


 え!? ちょっとそれはむぐぅ!?

 ……速攻で唇を塞がれた私は、そのまま押し倒された。細マッチョって、意外と力が強いのね……ちくしょう。



 ………。


 ――礼を言うぞ、番よ。


 ………。


 ――これで思い残す事はない。


 ………。


 ――ん? どうした?


 ……………良かった。


 ――は?


 いいいやいや、何でもない何でもない!


 ――? ……まあ、別にいいが……。


 ていうかさ、あんたナニをしてくれるのよ! 世間一般で言うところのゴーカンよゴーカン!


 ――何を言うか。あれだけ善がっていた癖にぃうわ、危ないぞ! いきなり剣を向けるでないわ!


 ……余計なこと言ったらぶった斬るわよ。


 ――す、すいません。


 たく……。


 ――そう怒るな。私にとっては、何よりの餞となった。


 はなむけって……もうこの世にはいられないの?


 ――皆まで言うな。


 そう……。


 ――但し、三冠の魔狼(ケルベロス)は地獄門の門番として、絶対に必要な存在。故に再び選定されて現れる。


 選定?


 ――どのような理屈で選定されるかは知らぬ。この世界の住人の誰か、としか言いようがない。


 ……まあいいわ。まだ先の話なんでしょ?


 ――いや、もう来ておる。


 ………はい?


 だから、もうここに現れて、絶望の獣(ディアボロス)と戦っている。


 ……はあああああっ!?



「……う……」


「あ、気が付いたみたい」


「さーちゃん! さーちゃん、起きて!」


「……ん〜……起きてから大きい手で掟を破る……くぅ」


「……実力行使」


 ずびしぃ!


「いてえええっ! な、何すんのよ……って院長先生?」


「院長先生? じゃありません! まだ戦いの途中ですよ?」


 ………あ、そうだ!


「ケ、三冠の魔狼(ケルベロス)は!?」


「それがよくわからない。絶望の獣(ディアボロス)に食われたと思ったら、突然他の場所から現れた」


 ゆ、夢じゃなかったんだ。じゃ、じゃあホントに三冠の魔狼(ケルベロス)は……サーシャは……死んだのね。


「いい勝負をしているけど、あのままだと時間の問題ね〜。ジリジリと押され始めてるわよ〜」


 ……あ、そうだ! 毒の効果は!?


「ディ、絶望の獣(ディアボロス)の様子は!? 動きが鈍ったりしてない!?」


「え、動き? ……格別鈍ったようには見えないと思われ」


「さーちゃん、あなたが噛み付いた直後は少し苦しそう(・・・・・・)だったのよ。だけど、すぐに立ち直った感じだったわね」


 少し苦しそうだった……か。なら、効果はある。しかも二度目の方が(・・・・・・)もっと効き目がある(・・・・・・・・・)

「院長先生、リジー。もう一度噛みつけば絶望の獣(ディアボロス)に決定的な足止めができる。だから力を貸して!」


「……わかったわ。もう一度光線を放つように仕向ければいいのね?」


「はい」


「ならリジーちゃん、もう一度お願いできるかしら?」


「ひえっ!?」


 あ、リジーもやっぱり投げられたのか。


「…………………………わかった」


「うん、こっちは何時でもいけるわよ」


 よし、あとは……。


「新・三冠の魔狼(ケルベロス)の協力が得られれば……」


「「……新?」」


 そのとき、私の近くに新・三冠の魔狼(ケルベロス)が吹っ飛んできた。ナイスタイミーング!


「ちょっと、私の声が聞こえたら返事して」


 ガルルルル……


 ……興奮してるか。会話できないかな?


「ほーらワンちゃん、よしよし」


「バカリジー! 火に油を注いでどうするのよ!」


『誰がワンちゃんだ、バッカヤロー!』


 ………あ、返事があった。リジー、ファインプレー。


「あ、えっと……私と会話しませんか?」


『何を堅っ苦しい事を言ってんだ。普通に話せよ、サーチ』


 は……?


「わ、私のことを知ってるの?」


『あ、こんな姿だとわかんねえか。俺だよ、ルーデルだよ』


 ル………ルーデルぅぅぅ!?

ついにルーデルの時代が!?

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