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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第九話 ていうか、最終決戦! みんながそれぞれの役割を全うしてくれるから、私は先に進めるんです!

「……風向きよーし。視界良好。身体(ゆみ)もドラゴンのヒゲも問題無し……っと」


 矢の代わりの短槍を取りだし、セット完了。ギリギリまで………くぅ………引くぅ!!


「……角度……よし! 目標、絶望の獣(ディアボロス)の右端の顔の右目! れでぃ……………ふぁいあ!」


 ドシュン!

 ヒイイイィィィ……


 ……………ザスッ

 ギャアアアアアアアアアアア!


「よし、命中! ……うわあ!」


 私が矢の命中を確信したと同時に、あの光線で反撃してきやがった!


「あ、あぶねえあぶねえ……けど、これであいつの気を引くことができるな……」


 さらなる反撃がないことを確認してから、移動を開始した。


「そういえば……あの飛んできた短槍を持ってきちまったが……使っていいのかな? まあ短槍(たま)切れになったら使わせてもらうか……」



「……くぁ! 今のは封じられなんだのう」


「な、何て凄いパワー……」


 かなり威力を弱める事はできましたが……どちらにしても、一撃で消滅させられる程の威力である事には変わりありません。


『……大変! 大変よお!』


 その時、血相を変えた魔王様の念話が飛び込んできました。


『ち、地上でケルベロスが大量に攻め寄せてきてる!』


「えっ!? どういう事ですか!」


『さっきの絶望の獣(ディアボロス)の変身の際、あいつの力の欠片が結構地上に降り注いだの。それが小型のケルベロスに変化して、あちこちに被害を出し始めてる!』


「そ、そんな! 一体どうすれば……『安心してもらおうか』……へ!?」


 突然、念話水晶から聞こえてきた声。それが私達に一筋の光をもたらしました。


『我等ギルドがすでに動いている。被害が出ている町へ冒険者が向かっており、すでに交戦状態の場所もある。戦いは優勢だから安心されよ』


『それだけじゃないわよ〜!』


 この声は、秘密の村の……!


『久しぶりぶり、今が旬!』

『久しぶりぶり、私はブリッ子!』

『以上、クルクルマキでした〜!』


「…………あはははは」


『『笑いに感情が込められてない!』』


 ………………ク・ルクとル・マキは相変わらずですね。


『チクショオオオ! 何故俺様までえええ!』


『ほら、キリキリ働きなさい! ……へヴィーナ、やほ〜』


 ガードナーゾンビに、死霊魔術士(ネクロマンサー)の姉さん……!


『ふーい、ふーい、何故長老の儂が……』


『働け!』『戦え!』『さっさと進めえ!』


『は、はいい!』


『『『へヴィーナ、こっちは私達に任せて!』』』


 皆……! ありがとう……!


『我らも戦ってますぞ!』


 デュ、デュラハーンさんも!?


『それに真竜(マスタードラゴン)も参戦しています!』


 真竜(マスタードラゴン)まで……!


『それと、魔王様の許可は得ていませんが、ダンジョン産モンスターを投入しました』


 ダンジョン産を!?


『い、一応緊急措置として、ダンジョンコアをちょこっと弄ってはあったけど……ちゃんと作動したんだ』


『おお、魔王様! 事後承諾で申し訳ありませんが、ダンジョン産モンスター達の活躍は目覚ましいですぞ!』


「ま、魔王様。人間は襲われないのですか?」


『ええ。ダンジョンコアに目標(てき)をセットすれば、それだけを攻撃する仕様だから』


『だから何も心配せずともよい! へヴィーナ、この世界を救ってくれ! 頼んだぞ!』


 ありがとうございます、デュラハーンさん!


『我ら人間も負けてはおれん! 必ず守り抜くぞ!』


 あ、ありがとうございます! ギルド所属の誰かさん!


「さて、後顧の憂いが無くなった以上、次こそ防ぐぞ、ヴィーよ!」


「……はい! それより……マーシャン?」


「む、何じゃ?」


「先程のギルドの方は、どなたですか?」


「ん? ムムムム……本部のお偉方じゃったと思うが………思い出せん」


 あの哀れな方がギルドの総帥だと気付くのは、ずっと後の事でした。



「う……く! ぐうう………!」


『その調子です。≪蓄電池≫(バッテリーチャージ)と要領は同じですよ』


「は、はい!」


『……! エイミア、また光線が来ます! 結界の強化を!』


 今度こそ……止めてみせます!


 ……ォォォオオオ!

 バヂィ!


「あうううううううぅぅぅぅっ!」


 バヂヂヂヂヂヂ!


「ぐぅぃぅ……あああああっ!!」


 バヂイイン!!


「く……はあ、はあ、はあ……」


『……エイミア、見事でした。威力は半減していたとは言え、あなたは防ぎ切ったのですよ?』


「はあ、はあ……い、いえ。マーシャン達が威力を弱めてくれたから……です」


『……エイミア。リルの矢が来ます。結界に穴を』


「はい!」


 ……ヒュウン!


『……タイミングもバッチリです。このまま維持しますよ、エイミア』


「わかりました、ニーナさん」


 絶対に勝って、サーチに……言う事があるんです!


『……エイミア。サーチに何を言うのですか?』


「ひゃぐ!? な、何でそれを!」


『……あなたの心の声は大き過ぎます。気を付けないと駄々漏れですよ?』


 ……はい。修行します。



「…………」


 あれからリファリス様は、一言も話されない……。これ程集中なされたリファリス様は、初めてです。


 ……ィィィイイイン!


「!? 光線が!」


 急いでタワーシールドを展開して、防御を……!


 ズバババババババ!


「くぅああああああ!」


 す、凄い衝撃! と、とりあえず、流動の舞で逸らして……。


「あ! リファリス様が……」


 ここで軌道を逸らせば、リファリスに光線が!


「……耐える! 耐えてみせます!」


 バヂヂヂヂヂヂィィ!


 た、盾が赤く……発熱している!?


 ジュウウ……


「!! きゃあああああ! 手が、手があああ!」


 や、焼ける! 手が!


 バヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ………

 ジュウウ……


「あ……あ……ぅ……は、離さない。絶対に離さないんだからあああああっ!」


 バヂヂヂヂヂヂ……ヂ……ヂ…………


「……ぐぅ……はあ、はあ、はあ……ま、もり、きった……。私、リファリス様を守れました!」


 ……と、浮かれていられない。またあの光線が来るかわからないんだし……今のうちに手を治療して、タワーシールドを直しておかないと……。



 その数分後、必死に術を制御するリファリス様の頬に、涙の跡を発見するのですが……あれは私に関連する涙なのでしょうか?



「……光線が止んだ」


 あ、そういえば。


「マーシャがようやく封印に成功したか、エイミアちゃんの結界に弾かれたか……」


「どちらにしても、皆のおかげと思われ」


 ……みんなの頑張り、ムダにはしない!

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