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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第八話 ていうか、最終決戦! さあ、いよいよラスボス戦です………よね?

 ビキッ! バキバキ……


「そ、空に亀裂が……!」

「いけない! 虚空神殿(ホロウパレス)内に張られていた空間干渉聖術が破れかかってます……! 皆伏せて下さい!」


 ヴィーの忠告に従って、全員が地面に張りつく。


「一体、な、何が「あんたも急ぎなさい!」 んきゅ!」


 立ったままだったエリザを、ムリヤリ引き倒す。そのときに顔から地面に突っ伏したけど、私的には軽くスルーでいいと思う。


 バリィィィィン!


 やがて、大量のガラスを一気に叩き割ったような轟音が響き、強力な爆風が熱を伴って私達の背中を通過する。

 しばらくして爆風がおさまり、周りに警戒しながら立ち上がると……。


「……な、何ですか、あれ……」


 半壊しながらもギリギリ宙に浮く虚空神殿(ホロウパレス)の向こう側を見ながら、ヴィーは震えていた。


 そこにいたのは、全長30mはあろうかという、巨大な狼。だけど正面に三つの頭を持ち、四本の尻尾の先にも狼の顔がある。

 正面は右側から寝顔、無表情、牙を剥きヨダレをダラダラ垂らす顔が並ぶ。尻尾の先の顔も、それぞれに特徴を持っていた。やはり大罪の象徴なのだろう。

 狼達の顔が一斉に吠えた。その途端に、青かった空が真っ赤に染まっていく。


―――ナゼダ、ナゼコウナッテシマッタ。ワレガノゾンダノハ、ゼツボウニソマッタニンゲンノカオヲミルコトダッタノニ。


―――ダガ、ソレモカナワヌ。モウスグワレハ、ワレデアッタコトモワスレル。アノオンナガジャマシタセイデ。


―――モハヤ、ワレハシラヌ。ワレヲボウソウサセタシリヌグイ、オマエタチガシロ。ゼツボウニウチフルエ、セカイノオワリヲミトドケルガイイ……………………ガ、ガアアアアア!!


 途切れ途切れの念話が止むと同時に、絶望の獣(ディアボロス)は。


 ガアアアアアアアアアア!!

 ゴオッ! ズドオオオオン!!


 ……滅びを開始した。



「シャ、シャレになんない! 何よ、あの破壊力は!?」


 絶望の獣(ディアボロス)が放った光線は、たった一発で近くの島を蒸発(・・)させた。無人島とはいえ、かなり大きい島だったわよ……!


「おい、このままだと、あっという間に世界が吹っ飛ぶぞ!」


「わかってるわよ! 一体どうすれば……」


「……ふむ、ならば妾があの光線を封じてみよう」


 マーシャン!?


「そ、そんなことが可能なの!?」


「多分な。しかし妾だけでは無理じゃ。ヴィー、力を借りるぞ」


「わ、わかりました!」


「これ、聞いておるならお主を力を貸せよ、ソレイユよ」


『……そうね。アタシが遠隔でフォローするから、メインはサーシャ・マーシャがお願いね』


「無論じゃ。ではサーチ、後は頼む」


 そう言ってマーシャンは座り込み、術の詠唱を開始した。


「サーチ……」


 ヴィーは私の手を取って、軽く口付け。


「……死なないで」


 そう言って身を翻し、マーシャンの元へ向かった。


「わかってるわよ、ヴィー……」


『サーチ、聞こえますか、サーチ!』


 ん? この声は……グレートエイミア?


「はい、サーチだけど……ってあれ? グレートエイミアじゃなくなってる?」


『詳しい説明は後です! 私はニーナさんと先程の光線で撃ち抜かれた結界を、再び張り直します。マーシャン達が光線を封じてくれれば、絶望の獣(ディアボロス)をこの場から逃がさない檻になるはずです!』


 あ、そうね。あの巨体でも、逃げ回られたらどうしようもない。


「わかったわ、結界をお願い。あとは私達が何とかする」


『お願いします………サーチ』


「ん?」


『また、一緒に……冒険しましょうね?』


「あったり前じゃない! この件が終わったら、全世界温泉巡りに行くんだからね!」


『サ、サーチらしいですね……では御武運を!』


 ………とは言ったモノの……。


「……どうやってあの巨体に近づけば?」


「それはあたしが担当するわ」


「え? リファリスが?」


「あたしの軍勢スキル≪女王の憂鬱≫メランコリー・オブ・クイーンで、さーちゃん達を糸で吊り下げて、宙に浮かせるよ」


「宙に浮かせるって……」


「さーちゃん達の考えを糸を通じて読み取るから、その通りに誘導してあげるよ。どう?」


「……それしかないわね。リファリス、お願い」


「よぅーし。ばっちこーい! あ、エリザ。あたしはさーちゃん達を操作してる間は……」

「完全に無防備なのですね。お任せ下さい、私が必ずリファリス様を守り抜きます」


「任せたわよ。あたしの背後は任せた(・・・・・・・・・・)

「え!? ……は、はい!」


 リファリスが背後を任せるって……私でも言われたことないわよ。


「じゃあリファリスとエリザ、よろしくね!」


「任せときなさい!」

「サーチ様……どうか御武運を」


 あと必要なのは……私が絶望の獣(ディアボロス)に密着する際の援護かな。


「リル、私の援護をお願いできない?」


「よし、なら私とリジーでお前について行って……」


「ちょっと待って」


「な、何だ?」


「今回は遠距離からの援護射撃をお願いしたいのよ」


「え、遠距離? 弓か?」


「そう。私達の中で遠距離射撃ができるのって、リルだけなのよ」


「……わかった。なら私はこの辺りで射撃する。ただ」


「? 何よ」


「……死ぬなよ」


「わかってるわよ!」


 リルは親指を立てると、近くの岩場を登っていった。


「……リジー、それと院長先生。一番危険なことをお願いしますけど……いいですか?」


「私達であの絶望の獣(ワンちゃん)の気を逸らせばいいのかな?」


 ワ、ワンちゃんって……。


「そ、そうなんですけど……大丈夫ですか?」


「全然大丈夫よ〜。敵の撹乱は私の一番得意な分野だから〜」


「そ、そうなの?」


「元々私のパーティでの役割は、斥候だったから〜」


「……先生の職業って?」


「飛剣士よ。アサシンとレンジャーの中間くらいの職業かな〜」


 ……なるほど。なら≪気配遮断≫や≪隠蔽≫なんかもできるのか。


「それにリジーちゃんだっけ? あの子を貸してもらえれば更に撹乱度アーップよ」


 ……は、はあ……。


「わかった。私、ヒルダさんと一緒にサーチ姉を援護する」


「……ありがとう、リジー、院長先生。ただ、一番危険な役回りってことを」


「わかってるわ。私はこんなとこで死ぬわけにはいかないのよ〜」


「以下同文」


「……OK。なら……」


 リファリスを見て頷く。それを見たリファリスが頷き、≪女王の憂鬱≫メランコリー・オブ・クイーンを起動させる。


 ふわ……


「あ、浮いた」


 手足を糸で絡め取られてる感じだけど、リファリスの言っていた通りだ。自分が考える通りに手足が動かせる。これなら大丈夫だろう。


「リジー、院長先生! 行くわよ!」


「「おう!」」

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