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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第六話 ていうか、最終決戦! その六、エリザvs強欲《グリード》

 いよいよ、私の将来(すべて)を賭けた大博打が始まる。


『……で、私の相手はあなただけって事? 随分と甘く見られたモノね……』


 目の前の敵……強欲(グリード)は、フゥッとため息をつくと。


 ブアア……ン


 額の前に黒い魔力球を作り出した。


『私ね、あなたみたいな娘は好きよ。だけどね、自分の実力を過信して挑んでくる愚か者は……大っ嫌いなのよ』


「……そうですか」


『だから、苦しまないように……一瞬で楽にしてあげる!』


 ズギュン!


 大砲を放つような音を響かせながら、私に向かって魔力球が迫ってくる。自分の首にかかる盾のアクセサリに魔力を送り……。


 グゥン! ズン!


 三枚のタワーシールドに戻す。


『な!?』


「三盾流! 流動の舞!」


 ズゴン! ギャルルル……


 す、凄い威力! このままだと耐えきれないかもしれない……が!


「はああああっ!」


 ギャルルルリリリィ! ギュオン!

 ヒュゥゥ……ズドオオン……


「……受け切れないのなら、逸らしてしまえば良い。タワーシールドの丸みは、攻撃を受け流す為のモノ。私の盾を突破するのは至難の技と心得なさい」


『…………クク……アッハッハッハ! これは失礼しました。甘く見ていたのは私の方だったわけだ。謝るわ、あなたは私と戦うに相応しい淑女(レディ)だと認めます』


「……ありがとうございます。ですが、私は主からのお褒めの言葉以外は、雑音と同じ価値しかございませんので、悪しからず」


『んん〜……! 久々にゾクッと来たわ。私はあなたが欲しい。私の強欲(ほんしょう)が、あなたを求め始めたのよぉ……!』


「……ありがたいお言葉ですが、私の主人はリファリス様、ただ御一人。それ以外の方には死んでもお仕えする気にはなりません」


『ああ……! 更にゾクッと来たわ! 手に入らないとわかっているモノ程、私は求めて止まないのよぉ……! いいわ、あなたの意志なんて関係ない。絶対に、絶対に私のモノにしてやるわあああ!』


「……できるモノならやってみなさい。ウチの盾、突破してみせろやぁ!」


 タワーシールドの一枚を背負い、両手に一枚ずつ持って構える。


『いいわ! その盾、私の牙で噛み砕いてやる!』


 強欲(グリード)が牙を剥いて私に迫ってくる。


「……負けない! 絶対に負けられない!」


 私も構えたまま走り出し、右のタワーシールドを前に出した。


 ガギ!


 強欲(グリード)の牙が私の盾を捉える。


 ギギギギギ……!


 な、何て力……! このままだと……!


「くぅ……シールドバッシュ!」

 ばいんっ!

『くけっ!? ……あ、あはは。まさかタワーシールドでシールドバッシュしてくるとはね……。重量もあるから、威力は中々……だが』


 強欲(グリード)はニィィ……と、不気味な笑みを浮かべる。


『他に武器がない以上、シールドバッシュが最大の攻撃手段のはず。それで私に決定的なダメージを与えられない以上は……あなたの勝ちは薄いわね?』


 ちぃ、もうバレたんかいな!


『ならば徹底的に防御に徹し、私のスタミナが切れるのを待つ……ってところかしら? でも私の攻撃で盾に傷が入ったみたいだけど……そのタワーシールド、いつまで耐えられるかしらね?』


 ……読まれてる……だけど。


「だから何? さっき言ったはずです。私をモノにしたければ、まずは私の盾を突破しなさい、と!」


 再び構えてから。


「そういう寝言は私の盾を全て砕いてから言いなさい!」


 見栄を切る。


『……あはははは! 精一杯の強がりなのか、何か裏があるのかは知らないけど……いいわ! 付き合ってあげるわよおおお!』


 再び私に躍りかかってくる強欲(グリード)。よし、とりあえず挑発には乗ってくれた。後は……耐えるのみ。


『ほぅら! ほらほらほら! ほぅら……らららららあっ!!』


 ギィン! ガンゴンバイン! ガリ……ガリリリリリリ!!


「さ、三盾流、流動連鎖ぁ!」


『あははは……大したテクニックだよ! ちゃんと攻撃が当たる瞬間に、威力をうまく逃がしてるねえ! 確かにその戦い方なら、猪突猛進の暴食(グラトニー)くらいなら追い込めたかもな! だが……』


 ズド! ザクゥ!


「うぐっ! た、盾を貫通して……!」


『……私には……通用しないんだよおおおっ!』


 わ、脇腹を掠めた……!


「くっ……があっ!」

 ばぎぃ!

『ぎゃあ!』


 盾に前足を突き刺している格好になった強欲(グリード)を、もう片方のタワーシールドで殴り飛ばす。まだ突き刺ったままの右前足を、盾を支点にして、テコの要領で関節を極める。


『あがああああっ! いだいいだいいだいいい!』

「三盾流、腕ひしぎ……はいっ!」

 メキィ!

『ぎゃあああああああああああっ!』


 反対方向へ関節が曲がった強欲(グリード)の右前足を離し、一旦距離をとる。


「イタタ……傷は深くないみたいね。とりあえず薬草で応急処置を……」


 傷付いた脇腹の上に薬草を塗布し、スカートを千切って巻き、止血をする。


『ぐぅぅぅ……! た、大したモノだ……! まさか私の腕を折るとは……!』


「私は三盾流の継承者です。盾を貫かれた時の対処法も、当然考えています」


『ふ、ふふふ……面白い! ここまで私を手こずらせるとは思わなかったわ。さあ、戦いはこれからよ!』


「ええ! 私は負けません!」


 そう言って私達は再び戦闘状態に入った。



「……はは……あはは……あはははは!」


『はあ……はあ……どうしたのかしら? ついに頭のネジが吹っ飛んだ?』


「失礼ですね……いえね、私だけでもあなたのような強敵と戦えるのだな、と思いまして」


『何言ってんのさ。あんたは十分に一人でも(・・・・)強いよ』


 私は……一人でも強い。


「……少しはリファリス(あの人)に近づけたのでしょうか」


『あんたみたいな強者に慕われている主人は、本当に幸せ者だよ……。だからこそ、私はあんたが欲しい!』


「何度も言いますが、私はあなたに仕えるつもりは更々ありません!」


『いいさ。勝って、無理矢理にでも従わせる』


「やれるモノなら……やってみなさい!」


 折れた前足を引き摺りながら、強欲(グリード)は駆け出した。


『やってやるさ。私の最大の技でな!』


 強欲(グリード)の額に黒い魔力球が浮かび、それが強欲(グリード)自身を包んでいく。


『いくぜえええ! 最大奥義≪暴狼発動≫!』


 魔力球を全身に纏っての突進技! まともに食らえば命はない……!


「三盾流、流動の舞!」


『この技を……受け流せるわけないだろおおおおおお!!』


 バキャアアン!!


 防御に使ったタワーシールドが粉々に砕け散る。


『な!? い、いない!?』


「……三盾流、流動の舞……」


 盾を犠牲にして、私は空高く跳び。


「……変化技、天槌」


 ザクザクッ!


 二枚の盾の先端を、強欲(グリード)の身体に突き立てた。



『……あはは……負けちゃった』


「……とても、良い勝負でした」


『ふふ……そう言ってもらえれば、私も……生きた意味があっ…………た……………くふっ』


 ……果てましたか。


「……どうか、あなたの魂が、良い来世となりますように……」


 ……リファリス様……勝ちましたが……あなたの隣に並び立つには、まだまだみたいです。

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