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ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜   作者: メーギ・F・ツネコ
第二十一章 最終決戦でみんなでFになるんですよね!
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第二話 ていうか、最終決戦! その二、リファリスvs色欲《ラスト》……この二人、怖い。

 先生はどうせ一歩も動かずに勝っちゃうんだろうな……あたしにはそんなスマートな勝ち方は無理だ。

 だけど、あたしにはあたしなりの戦い方がある。どんな手を使ってでも……勝つのみ。


「この辺りでどうかしら? あたし達の戦いの場には、最高の舞台だと思いますが……」


 そう言って行き先に見えてきた遺跡を示す。おそらく昔は神殿だったのだろうが、今は柱だけがかろうじて残っていた。


『いいぜぃ……ハニーはあそこで犯されるのが趣味かぁ?』


 ……どういう趣味?


「いえ、貴方の墓標に相応しいかと思いまして」


『墓標かぃ……言うねえ、ハニー。クックックッ』


 ハニー呼ばわりされるのは嫌なんだけど……こういう遊びもいいかもねぇ?


「あたしの舌は毒まみれよ……あたしをモノにしたいなら、死ぬ気でかかってらっしゃい、ダーリン(・・・・)。あは……あはははははは!」


『いいぜぇ……お前みたいな女は最高だあ……! どちかが死ぬまで乱れようじゃねえか……あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!』


 ああ、久しぶりに血が騒ぐ。エリザを弄ぶのも最高だけど、それとは違う快感。この血の昂り。

 自分の命と尊厳を賭けて、ギリギリの死線を掻い潜る危うさ。エリザ達を召し抱えてからは控えていたけど……やっぱりいいわあ!


「さあ始めましょう、もっとも美しくて凄惨な血の宴を! ダーリンの血で、あたしを真っ赤に染めてちょうだい……あはははははは! ひゃははははは!」


『おいおい、俺以上に頭のネジが緩んでるな……。けど、やっぱ最高のハニーだぜ! お互いに斬って斬って斬りまくって、この神殿も赤く染めてやろうぜ……あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!』


 いいわあ! これは今までで最高の(たたかい)になるわ!


『では始めようか、ハニー?』


「あ、ちょっと待ってちょうだい」


『んあ? まさか怖じ気づいたのか? そりゃねえぜ、ハニー……』


「まさかあ。何で今更、怖じ気づかなくちゃならないのよ。ただ提案したい事があっただけよ」


『提案だぁ?』


「どうせなら、最高の(たたかい)にしたいじゃない? なら、下手な探り合いは止めてさあ……最初から全力でぶつかり合わない?」


『全力でぇだあ?』


「フルパワーvsフルパワーのぶつかり合い……それこそがあたし達に相応しい戦いだと思うよ?」


『フルパワーか………ふふふ……あひゃひゃひゃひゃひゃ! いいねえ、マジでいいねえ! 流石はマイハニーだ! 乗ったぜ! 派手にぶつかって派手に散るのが、俺達には相応しい!』


「決まりね。ならダーリンからお願い」


『いいだろう……俺のフルパワー、見せてやるぜえ!!』


 すると色欲(ラスト)の身体が一回りも二回りも大きくなり、爪は更に鋭く、牙は更に長くなる。フサフサな毛で覆われていた尻尾からも角が生え、全体的に刺々しい見た目になった。


『かはあああ……。これが俺の全攻撃形態。防御を全て捨てた、相手にダメージを与える事のみに特化した身体よぉ。文句無しの捨て身のフルパワーだ』


 ……色欲(ラスト)は応えてくれた。なら、今度はあたしの番だ。


「ダーリン、あたしの場合はダーリンみたいに、すぐにフルパワーってわけにはいかないの」


『ああ、わかってるよハニー。お前が完了するまで待てばいいんだろ? 舌舐めずりして待ってるぜえええ?』


 ……一応信用しておこう。でも久々だなあ……あの姿になるの。


「んじゃあいくわよお……あああああ! キシャアアアアアア!!」


 あたしの手足が鱗に覆われ、全身に紋様が現れる。瞳孔が縦に長くなり、舌が二又に割れた。


『へええ……ハニーはトカゲの獣人かい。なら≪獣化≫(アーマード)した姿がフルパワーって事かい?』


「いえ、まだよ。あたしのフルパワーは……≪獣化≫(アーマード)程度じゃない」


 三つ又の短槍で指を傷付け、その血で頬に紋様を描いた。


「女王の操り人形よ、狂え狂え。女王を巻き込んで、共に踊り狂え」


 あたしの指先から操り人形(マリオネット)の糸が伸びていき、あたしの四肢に絡む。


「変異術式≪私こそが人形≫(パペットマイセルフ)


『な、何だあ? 自分の手足に操り糸を括り付けて、何をする気だ?』


「言ったじゃない。あたしがフルパワーでいくには、時間がかかるってさ。準備は完了したわよ、マイダーリン」


『……まあいいや。自分で自分を操る意味がわからねえが、要は戦えればいいんだ。それじゃあ始めようか……犯し尽くしてから、バラバラにしてやるよ、マイハニィィィィィィィ!!』


「!」


 攻撃に特化した、というのは伊達じゃないわね。スピードに目が追い付かない。


『ほうら、これが避けられるかあああ!』


 あたしの背後に回り込んだ色欲(ラスト)の鉤爪が、あたしの左足を薙ぐ。

 大量の血が噴き出し、左足が粉々になって宙を舞う……のだろう、普段のあたしなら(・・・・・・・・)

『!? な、どういう……!?』


 あたしは避けていた。あり得ない方向に(・・・・・・・・)足を曲げて(・・・・・)


「何を驚いてるの、ダーリン? 今のあたしには、こ〜んな事もできるのよ?」


 そう言って首を360°回転させた。


『お……おいおい、ハニー。流石に冗談キツいぜ。そこまで首が回せるって、もう生物じゃねえぞ』


「そうよ。今のあたしは操り人形(マリオネット)女王(あたし)操り人形(あたし)を操ってるんだから、人形にできる動きは全て可能なのよ」


『な、なんつー無茶苦茶な理屈だよ!』


「いいじゃない、理屈なんて。最初から言ってる通り、フルパワーで戦うのみよ」


 そう言って三つ又の短槍をに掲げる。


「さあ……殺し合いましょう。この遺跡を真っ赤に染め上げて……あは、あはははははは!」



 ドスッ!


『いてえ! いいねえ、いいねえ! この痛みこそが生きている証ってやつだ! お前にも味わわせてやる!』


 色欲(ラスト)の腕が、あたしの腰を殴りつける……が。


 ぐりんっ かく


『は、はあああっ!?』


「何度も言うけど、今のあたしは操り人形(マリオネット)なの。攻撃されたって、関節部分を回転させて威力を削ぐくらい簡単なのよ」


『無茶苦茶だな! どうやったらハニーに傷を付けられるんだ?』


「そうねぇ……無理じゃない?」


『は?』


「あたしは言ったわよね? ダーリンの血であたしを染めてって。あたしの血が流れるとは、一言も言ってないわよ………あはははははははは!」


『……っ……言ってくれるねぇ……! なら、意地でもズタボロにしてやんよ!』


「やれるモノならやってみなさい! あはははは!」


『やっぱ楽しいねえ……あひゃひゃひゃひゃひゃ!』



 ……一時間後。

 全身を真っ赤に染めたあたしの足元に、色欲(ラスト)が転がっていた。


『…………た、楽し……楽しかったよな? …………あひゃひゃ……ひゃ…………』


 ……事切れたか。


「楽しかったわよ、()ダーリン…………そこそこね」

二人とも、頭のネジが何処かへいっちゃってます。

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