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第十八話 ていうか、ダンジョンコアを破壊しよう。

 で、最大の問題が一つ。


「……ダンジョンコアって……どこにあるのかしら……」


 私の問いかけに、それぞれが答えてくれたけど……。


「……落とし穴のどれか」


 全部調べたわよ。


「……壁に隠し扉が……」


 言った以上はがんばって見つけてね。


「……地面に埋まってるのでしょうか……」


 以下同文。


「異空間に存在する」


 以下同文!


「どうやって調べろってのよ! 壁全部コンコンやって空洞を調べる? 地面をあちこち掘り返す? 異空間なんて探すほうが大変よ!」


「「「「………………」」」」


 全員、不満そうに顔を見合わせると。


「「「「じゃあ、サーチの案は?」」」」


 ……へ? 私?

 ……うーん……。


「「「「………………」」」」


 ……全員、ジトーッとした視線を向けてきてる。やべえ。

 何か考えないと……。

 ……………………。

 ………………あ!


「リジー、あんたの呪われアイテ「ない」……まだ最後まで言ってな「ない!」……さいですか……」

「毎回毎回毎回言うけど……サーチ姉は、私の呪われアイテムを何だと思ってるの!!」


 え? たまーに超便利品が「ギロッ!」……ごめんなさい。


「なら………………ヴィー!」


「は、はい!」


≪コア捜し≫(コアスキャン)で探してもらえる?」


「は、はいい!?」


「あるでしょ、聖術で!」


「えええ!? 全く、欠片も、これっぽっちも聞いた事ありませんけど!」


 ちっ、ないのか。

 かくなる上は……ヴィーの肩にしなだれかかり、囁く。


「ヴィー……私さぁ、とっても困ってるの……何とかならないかな」


「そう言われましても……」


 ここで私はヴィーの耳に「ふーっ」とゴッドブレス。


「ひああああっ!」


「ヴィー……何か手を考えてくれない? 今度泊まる旅館では、同じ部屋になるよう手配しとくから……」


 ヴィーのやる気ゲージMAX!


「わ、わかりました! お任せ下さい!! ……ゴニョゴニョゴニョゴニョ……」


 ヴィーは顔を真っ赤にしながらも、座り込んで術を組み立て始めた。

 ふーっ、やれやれ……。少し休みますか。


「………………サーチ」


「何よリル」


「……お前、絶対に恋愛(ユリ)の神様から天罰が下るぞ」


 天罰上等、どんと来い! よ。

 ていうか恋愛(ユリ)の神様なんているの!?



「……ゴニョゴニョゴニョゴニョ……」


 ……一時間。

 らちが明かないので、他の方策を考えることにする。

 さっきまでつっこみまくった通り、壁や地面は論外だろう。何故かというと、ダンジョンコアとは「モンスターを生み出すモノ」なのだ。

 で、ある以上は……生まれたモンスターがいきなり窒息死しかねない環境(地面や壁の中)はあり得ない。

 ヴィーが言っていた異空間も論外。生まれても出てこれない、では意味がない。モンスターを生み出しやすい環境……で、なかなか見つからない場所……か。


「……そんなのがあるんなら、ソレイユももっと簡単にダンジョン量産してるわよね……」


 気晴らしにと、ごろんっと寝っ転がった。

 視線が天井に向く。

 何にもない、ただの岩の天井。


「あーあ……早く太陽や青空が見てみたいなあ……」


 ……そのためには、早くダンジョンコアを見つけ出さないと……。

 再び視線を天井に向けて……。

 天井……。

 ……ん? 天井?


「……! そうか、天井……!」


「ん? どしたんだ、サーチ」


「リル! 天井よ!」


「ままま待て! 落ち着け! 顔が近いんだよ!」


 ……あ、失礼。


「天井に空洞を作って、そこにダンジョンコアを埋め込んであるとしたら……」


「……あのな、私達が言った地面や壁と大差ないだろが」


「いえ、大差あるわ。私達冒険者がダンジョン攻略する際に、天井なんか気にして進むかしら?」


「……ダンジョンにもよるだろうが……コウモリ系のモンスターでもいない限りは……」


「でしょ? 見える角度だけ岩で囲っちゃえば、まず見つからない。さらにダンジョンコアがモンスターを生み出しても、何ら問題はない」


「そうか……モンスターが出てくるってことを考えてなかったな……。確かに天井なら、下に落ちるだけですむ」


「……守護神(ガーディアン)だった有翼鬼(ガーゴイル)がこの辺りにいたんだから……ダンジョンコアは近いわね」


 基本的に守護神(ガーディアン)は、ダンジョンコアからはあまり離れることはできないのだ。

 ていうか、ダンジョンコアの守護が役目なんだから、当然なんだけど。


「というわけだから、みんな天井を徹底的に探すわよ! 特に岩の陰になってるような死角には注意して。それと、まだダンジョンコアはモンスターを絶賛量産中のはずだから、天井からモンスターが落ちてきたら特に気を」


 どずうぅん!

「んきゅ!」


「……って言ってるそばから落ちてきたじゃない! まずはこいつを狩るわよ!」


「た〜す〜け〜て〜……びえええっ!」


「……下敷きになってるエイミア救出を最優先で……」


 ……エイミア……あんたって子は……勇者ってのは、笑いの神様の加護でもあるのかしら……?


「うりゃあっ!」


 バガガガッ!


 グアアアアア……

 ズズン!


 リルの連続攻撃によって、あっという間に片づいた。


「エイミア〜? 大丈夫〜?」


「は、はい。大丈夫です……そ、それより! 上を見てください!」


 ………………。


「……サーチ?」


「エイミアさあ……胸に何か入れてる(・・・・・・・・)?」


「は? はい??」


「いや、あんたが潰されて地面にめり込んだ跡……キレイに胸の形通りにめり込んでるから……胸が硬いのかと」


「ひゃ、100%天然です!!!」


「そ、そう。ならいいけど……」


 それにしてもキレイに形がついてるわねぇ〜。


「もうそれはいいですから! それより天井!」


 形といい、大きさといい……くそ、羨ましい……。


「サーチィィ!!!」

「あ、はいはい。天井ね……って、あった!」


「だから言ってるじゃないですか!」


 まさにエイミアの真上。

 ちょうど窪地となっているところに、ダンジョンコアが埋め込まれていた。


「よーし! さっさと砕いちゃうわよ!」


「え? 砕くんですか?」


「当たり前でしょ。どうすると思ってたの?」


「そのまま持っていくのかと……」


「あんなモンスター製造機を持って歩くなんて危険行為、誰がやるもんですか!! だいたいそんな危険ブツ売れないでしょ!」


「あ、確かにそうですね……」


 でもダンジョンコアって硬いのよね……『力』が低い私にはムリ。素手のリルにもムリ。

 なら……。


「エイミア! ≪充力≫(パワーチャージ)でダンジョンコアをぶっ壊せる!?」


「は、はい!?」


「ぶっ壊せるかって聞いてるの! どうなの!?」


「え、えと…………≪充力≫(パワーチャージ)≪鬼殺≫(バーサーク)の併用なら多分……」


「なら!」

「おう!」


 以心伝心。リルは私と同じようにエイミアの足を持つ。


「えっ!? 何をするんで「あんたは黙って準備してなさい!」は、はい!」


 私が右足、リルが左足を持って振り回す!


「ちょ、ちょっとおおおお!!」


 ぶんっ

 ぶんぶんぶんっ


「きいああああああああっ!!」


 ぶんぶんぶんぶんぶん! ぶーーーーーーん!!!


「行くわよおおっ!」

「行くぜえええっ!」


「「ふぁいえるっ!」」


 ばひゅん!!


「きいああああああああああああああっ!!!」


「ちゃんと砕きなさいよおおっ!」


 ひゅーん………………ばっかあああん!


「よしっ! 砕けたぞ!」


 ……たーまやー……。



「……ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ……」


「ヴィー姉、終わったよ」


「えっ」

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