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第十八話 ていうか、装備を一新。

 相手は攻撃をしてこないホワイトヤタとはいえ、BクラスはBクラスだ。油断大敵、入念に準備しよう……ということで装備を一新することになった。

 まずエイミア。

 この間の全裸騒動で着ていた魔術士の服が焼けてしまい、今は普段着で通している。

 職業は……。


「今更だけど……エイミアって職業何?」


 エイミアとリルが固まった。


「「ホントに今更だな」ですね」


 ごめんよう。


「……私は風水士です」


 なるほど、風水士か。

 風水士ってのは魔術ではなくスキルで八大精霊魔法みたいなのを起こせる人の総称だ。

 ……え? 八大精霊魔法がわからない?

 火と水と風と土、雷……氷……木……あと一つは……忘れた。で、エイミアは雷属性ね。


「風水士かあ。だと革の装備セットは無理ね」


「ま、無難に雷属性の加護シリーズでいいんじゃないか?」


 これは雷属性の風水士の初心者装備だ。


「武器は……ナイフ?」


 エイミアは顔をブンブン横に振る。


「刃物は苦手で……一応メイスは習ってました」


 メイスね。要は棍棒か。


「じゃあ……お金もないし……」


 近くでぶっとい枝を斬って来る。


「これに釘打ちまくって完成で」


「え〜……」


 エイミア、気持ちはわかるけど我慢我慢。

 というわけで、エイミアの装備は。


 武器……釘棍棒。

 鎧……雷属性の護符付きの厚手の服。

 盾……無し。

 兜……雷属性の護符付きの帽子。

 籠手……雷属性の護符付きの腕輪。


 となった。

 うん、かなりマシになったわね。

 ……だけど気になることがあったので、防具屋のオヤジさんに問いただす。


「ねえ。なんでこの服、無駄にスカートの丈が短いの?」


「……一応動きやすいようにしてあるだけだ」


 それは……まだいい。理解もできなくはない。

 だけど。


「なら! なんで無意味に胸の谷間強調するようなV字カットされてるのよ!?」


 防具屋さんは無駄に力を込め。


「男の夢だよしびびびびびびぃ!!」


 エイミアの静電気によって黒焦げになった。

 しかし。


「だけど……せっかく作ってくださったんだから……もったいないし……」


 服を着始める。ていうか、結局着るんかーい!


「……ほんとは着たかったんじゃないの? 鏡にポーズとってるし……」


 ま、別にいいけど。

 次はリル。職業は弓術士でいいのよね?

 一応確認しとこ。


「リルは弓術士でいいのよね? 拳闘士ってことは……」


「一応≪格闘≫もカジってるけど本職は弓術士で間違いない」


 そういう事なら革の装備セットでよさそうね。今は厚手の服だからそれでかなり変わるでしょ。


「革の装備で大丈夫?」

 

「ああ」


「武器は……普段素手よね。弓は?」


「持ってない」


「……弓術士なのになんで弓持ってないのよ……」


「なんでって……知らねえのか?」


「何を?」


「獣人の知り合いくらいいねえのかよ」


「ん〜……リルが初めて」


 ハア〜ッとため息。


「……獣人にはな、身体のバネを利用して矢を放つ術が伝わってるんだ。≪身体弓術≫て言うスキルだ」


 身体弓術!?


「……投げるの?」


「その時点で弓術じゃねえだろ! 口で説明するのも難しいから今度見せてやるよ」


「ん……わかった」


 ……なんだか謎が増えたわ。

 あー、ちなみに。

 リルも被害にあった。


「おい! なんだこの鎧! す、素足じゃねえか!」


 わ〜……手が込んでる。わざわざインナーを履けないギリギリのサイズで作ってある……。

 エイミア同様超ミニスカート。


「ふざけんな! こんなの装備できるか!」


「……あの〜……確かにこれは……」


 私が話に割って入る。すると防具屋、小声で。


「……五割引」


「買ったあ!」


「おい!」


「いやあ、いい取引でした」


「こら! 勝手に決めるな!!」


「いやあ、いい取引でした」


「「はっはっは」」


「笑い事じゃねえええ!!」


 というわけで、リルは素足全開の革の鎧に決まった。


 武器……素手。

 鎧……超ミニスカ仕様革の鎧。

 盾……無し。

 兜……革の帽子。

 籠手……革の籠手。


 そして私。


「ここ、切れちゃうんですよ」


「ふむふむ」


「最近詰め物も少なくて済むんです。できればサイズに幅をもたせられる素材があれば」


「なら大蝙蝠の羽根を使おう。革ほど丈夫じゃないが伸縮性は抜群だ。値段もかなりお手頃だぜ」


「それじゃあそれでお願いします」


「おう、任せとけ! 男のロマン、追わせてもらうぜ!」


 もちろん、ビキニアーマー。

 この防具屋さん、話がわかる人でいいわ〜!


 武器……“不殺の黒剣”(アンチキル)

 鎧……大蝙蝠の羽根製ビキニアーマー。

 盾……なし。

 兜……革のバンド。

 籠手……革の籠手。


 さて、これで装備はOK。次は……食料や薬草を揃えますか。


「えー! これで町中歩くんですか!?」


 エイミア……なら何で「もったいない」とか言ってたのよ。


「もうやだ〜……しくしくしく」


 リルは……ちょっと悪いことしたかな。


「何よ、それくらい。私よりはマシじゃない」


「「サーチにだけは言われたくない!」」


 こうして。

 リルは足を。

 エイミアは胸の谷間と足。

 私は全体を。


 日々ジロジロ見られることになった。

 ……私は無問題なんだけど。



 あ。

 それと、報告があります!

 私、サーチは!

 AからBに進化しました!

次回、閑話をはさんでから新章です。

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