表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/1883

第十二話 ていうか、バーサーカーた、がおお。

 エイミアもスキルで無難に勝利した。 そのまま一巡して終了。

 ……だったはずだけど。


「時間が余ったな……。ただもう一巡するには時間がないし……」


 すると一番前にいた戦士が手をあげた。


「勝敗が明らかだった模擬戦の勝者だけで再戦してみたらどうだ?」


「「「「おー、いいねー」」」」


「ちょっと待て! 勝手に決めるな!」


「「「「うるせー!」」」」


 出た、不思議な連帯感と達成感。よし、この空気は大事にしたい。


「こらー! 言うことを」

 むぎゅっ

「……うぐ」


 はい、絞めて落としましたー。


 パチパチパチパチ

 ヒューヒュー

 パチパチパチパチ


「はーい、ありがとありがと」


 ……ほんとに支持率0ね。


 ギルマスが落ちてなぜかノリノリになった職員の皆さんによって滞りなく模擬戦……というより試合は組まれた。

 エイミアと私は選ばれた。正直エイミアとは戦いたくないな〜。

 だって、ねぇ。


「それじゃあ第一試合。スキルクラスのエイミアと攻撃魔術クラスのダイアンな」


 大安?


「へへへへ……ラッキー」


 うわっ!

 大安ていうより仏滅じゃない! いや、豚滅か。


「エイミア、早く焼豚にしちゃいなさいよー!」


「ぶっ」

「くすくす」

「そうだそうだーエイミアちゃん頑張れー」


 あ、また不思議な連帯感と達成感。あ、大安……じゃなくてダイアンくん、どんどん顔が真っ赤になってく。


「このクソ【ぴぴー】! あとで【ぴぴぴー】してやるからな!」


 うわ、R15では書けないこと言い出した! ていうか、私何を言ってるんだろう?


「あなた! サーチに向かってなんてこと言うんですか! 許せません!」


 エイミアが身体中をゴシゴシし始めた。いきなりチャージし始めたね。


「……始め!」


「地を這え、静かなる雷よ! あの無礼者を薙ぎ払え!」


 ……たぶん一番最初に無礼な発言したのは私です。ごめんね。


 バリバリバリッ!


 毎度お馴染みの効果音で電撃が走る。ま、当たり前だけど。


「へへ! 甘いよ!」


 詠唱をすでに終えていた大安が魔術を発動する。すると岩が大安の周りを囲む。


 バヂッ


 ……電撃が弾かれた!?


「これは珪石といってね、電気を通さない石なのさ。土属性魔術が得意な俺様には簡単な事なのさ!」


 絶縁体か! さあ、エイミアどうする?


「わ、私だって≪蓄電池≫(バッテリーチャージ)以外にもスキルはあります!」


 伊達にスキルクラスじゃないのよね。スキルクラスは得意なスキルを伸ばすだけじゃなく、他のスキルも習得させてくれる。確か≪格闘術≫と≪杖術≫のスキルを修行中だって言ってたっけ。


「はああああ!」


 大安に突っ込むエイミア。フェイントをかけつつエルボーを叩き込む!


「ぐぅっ! な、なるほど、中々だけど……!」


 大安の魔力が高まる!ヤバい!


「エイミア! 退いて!」


 私が叫んだ瞬間。


 ゴオオオォォォ!!


「きゃああああああ!!」


 エイミアが炎の柱に飲まれた。


「エイミアーー!!!」


 あれはマズい!

 焦った私は形振り構わず闘技場に飛び込む。


「俺様の勝ちだ!」


 そういって指を鳴らす。

 すると。


「……けほっ」


 炎の柱が消え。

 怪我がほとんどないエイミアが出てきた。服だけ燃えて(・・・・・・)


「き、き、きぃやああああああ!!」


 その場でしゃがみ込むエイミア。無事そうなのでホッとしつつ、掛けてあげる毛布を借りた。

 そして、駆け寄る。


「……っ!?」

「……サーチ?」


 髪が……焦げてる……!


「……友達を傷つけてくれた報復はしなきゃね」


 怒りで我を失いそうだ。

 こうなっちゃうと、自分で自分が抑えられない。


「どんなことがあろうと

、女の髪を傷つけるのは我慢できない……!」


「何だよ、髪の毛くらいで」

 ドズッ

「ぐぼぅ!?」


 腹部に膝がめり込む。激痛の余り屈みこむダイアンを蹴り転がす。


「髪の毛くらいで、ですって?」

 ドカッ

「ぎゃっ!」

「服だけ燃やすなんて芸当ができるなら」

 ゴスッ

「ぐぶっ」

「髪を燃やさないようにぐらいできるでしょ」

 バキッ

「がっ」

「わざとだよね? わざとなんだよね? なあ?」

 ドスッ

 ミシッメキメキメキッ

「や、やめて! だずぎぇでええええ! がああああああ!」


「お、おい! やめろ!」

「引き離すんだ!」

「気持ちは判るけど、殺しちゃダメよ!」


 何人か私を引き離そうとしているのはわかる。でも、身体が止まらない。頭も止めない。

 いま、全身全霊、心から。

 こいつを、殺したい。


「いい加減に……」


 パリッ……バリバリ……


「しなさああああああい!!」


 ピカッ

 どどどーーーーーーんっっ!


「あばばばばばばばば!」


 なんか、めちゃくちゃ痺れて。

 私は意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ