last episode(仮)
……そろそろでしょうか。
「これだけ隙を見せたのですから、今日辺りだと思いますが」
「ワタクシもそう思いますわ。色々準備していたようですし」
「はあ。最近のサーチお姉様は見てられませんでしたよね」
サーチが旅立ちたくてウズウズしている事は、とっくに気付いていました。だから私達が枷とならないよう、わざとよそよそしく振る舞っていたのですが……。
「ヴィーは……大統領の仕事は大丈夫ですの?」
「忙しいですけど、最近は首相が頑張ってくれてますから。ナイアはどうなんですか?」
「新しい軍団もようやく形になりましたわ。もうワタクシが手を煩わせる必要もありません……リーフはどうですの?」
「五号店まで増えると、流石に店長に任せちゃうので、逆に今は余裕があります」
「……でしたら」
「サーチを追いかける事も」
「できますね」
…………こほん。
「とはいえ、お互いに責任ある立場です。もう少し身辺の整理をし、身軽になってからサーチと合流しましょう」
「そうですわね」
「わかりました」
うふふふ、サーチが私達と再会する時の表情、今から楽しみですね。
「ヴィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
……え?
「ヴィィィィィ!」
え? え? サ、サーチ?
「た、大変! 大変なのよ!」
「サ、サーチ、どうしたんですか!?」
「リジーが! リジーが!」
はい? な、何故そこでリジーが出てくるんですか?
「お、落ち着いて下さい。リジーがどうしたんですか?」
「きゅ、急に『呪われアイテムの匂いが……』とか言って」
そこはいつも通りのリジーでは?
「何故か穴に落っこちた!」
…………はい?
「ど、どうやら異世界への穴らしくて」
はいいいいいいいいい!?
「ナ、ナイア、何か感じましたか!?」
「た、確かに、何かが時空間を渡った気配はありますわね」
リジーじゃないですかあああ!
「ナイア、急いで追うから何とかして!」
「な、何とかしてと言われましても……!」
「サーチお姉様、陛下を利用……いえ頼っては如何ですか?」
「あ、それ採用。ナイア、何とかして!」
「で、ですから何故ワタクシが!?」
……ふふ。やっぱりサーチは旅をしている方が、活き活きしていて……。
「……任せて下さい。私が陛下を捕まえて、説得します」
「マジで!? さっすがヴィー!」
……惚れ直してしまいそうです。
「さあ、リジーを追いかけて、新しい旅へゴー!」
「「「おー!」」」
「…………何でサーチんだけやなく、ヴィーも居らへんねん! リファリス様に頼まれてメイドとして派遣されたウチはどうなるんや……!」
突然ですが、ここで一区切りとさせて頂きます。
一応完結扱いですが、月単位での休載と思って頂ければ。
理由としましては、一度大幅な改訂をしたかったのが第一。話が長くなりすぎて、整合性の合わない部分や回収していない伏線が多くなりすぎ、一度整理したかったのです(笑)
第二に新作を書きたかったから。次回のはビキ殺との同時進行が難しかったから。
以上の理由をもちまして、一区切りとさせて頂きます。
あ、無論エタらせる気はさらさらありません。改訂作業も同時進行で行いますし、新作が一区切りしたらまた再開する予定です。
五年間ありがとうございました。新作「聖女様は撲殺魔っ」もお読み頂けたら幸いです。