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extra2 団欒のサーチ。

 その後、精霊族が建設中の町へと移動する。


「本当にビックリなんだよね。あれだけ仲が悪かった火と水の一族が」

「はい。とても仲良しこよしで共同作業しているんです」


 フレアとウォータは手を握りあって歩く。しかも恋人繋ぎだよ、うわあ。


「……どうかした?」

「どうかしました?」


「いやあ。いつの間に二人の中はそこまで進んだのかなぁって」


 ニヤニヤしながらそう言うと、二人はお互いに顔を見合わせ。


「「違いますよ」」


「え、何が?」


 すると、恋人繋ぎの上に新たに重なる手が。


「私も~、お仲間です~」


 …………は?


「「「私達、三人伴侶です」」」


 はあああああああああっ!?


「三人伴侶だああっ!? どういうことよ!」


「「「私達が知りたいくらいです」」」


 ……へ?


「サーチお姉様とリーフを探してたら、急に眩しい光に視界を奪われてさ」

「気が付いたら、砂漠大陸に居ました」

「で~、私達三人は~、伴侶設定になってました~」


 何じゃそりゃああ!


「正直私達もよく理解不能なんですけど……スカイならいいかなって」

「うん。スカイなら問題無いかな」

「私も~、フレウォーなら~、無問題です~」


 ま、まあ、三人がいいんなら、いいんじゃない?


「しかし三人っすか……いやいや、お熱いこって」


 少し冷やかし気味に言ってやると。


「「「…………はあ?」」」


 へ?


「な、何かおかしかった?」


 三人は私をジト目で見ながら。


「「サーチお姉様だけには」」

「言われなくないです~」

「う゛っ」


 とカウンターされた。


「た、確かに私も伴侶いるけど、三人同時には……」

「サ・ア・チ♪」

 がしぃ

「わぶっ!?」


 突然後ろから抱きつかれ、思わず変な声が出る。ていうか、今の声は……!


「ヴィ、ヴィー!? 何で灼熱大陸にいるの!?」


「何故って、さっきまで一緒だったじゃありませんか」


「さっきって、それはゲームの中の話でしょ!? 実際のあんたは新大陸にいるはずじゃん!」


「ああ、それはミスズさんの力です」


 はい?


「リーフが色々と願いを叶えてもらったように、私も叶えてもらったのです」


「な、何をよ?」


「その一つが『元の世界に戻ったら、真っ先にサーチの元へ行きたい』です」


 そんなことを叶えてもらうなよ、もったいない! 神の龍だったら七つにわかれてビューンってなってるよ!?


「まあ、それだけではありませんけどね?」


 あの、ヴィーさん。獲物を狙うような目で、舌をチロチロするのは止めてくださいな。


「あ、あの!」


 ん?


 ぎゅむっ

「リ、リーフも伴侶ですが!」


 なかなか度胸があるリーフ、ヴィーに対抗して私の右腕に絡みつく。


「リーフ、ちゃんとわかっていますか?」

「はい、ヴィーさんが正妻なんですよね? ちゃんと序列は守ります」

「なら宜しいです。これから仲良くやっていきましょう」

「はい、不束者ですがよろしくお願いします」


 あのー、リーフ。不束者ですがの行は、私に対して言うべきじゃね?


「あ、それと」

「何よ、まだ何かあるの!?」


 ぎゅむっ

 こ、今度は左腕!?


「ワタクシを忘れてませんわよね、サーチ?」


 ナ、ナイア!?


「あ、私が呼びました。ナイアさんも伴侶認定されるべきですから」


 リーフが呼んだのかよ!


「ヴィーさん、リーフさん、ワタクシも構いませんわよね?」

「「勿論」」

「っていうか、待って待って! 私の意志は確かめないの!?」


 そう言うとナイアは、急に潤んだ目を向けて。


「ひ、酷いですわ! あれだけワタクシと夜を共にしながら!」

「あんたがムリヤリ押し倒したんでしょうが!」

「あら、途中からノリノリだったのはサーチの方おごふぇあ!?」


 やかましい! 余計なこと言わない!


「成程、途中からノリノリ……メモメモ」


 メモらなくていいから!


「……ていうか、エイミアは来てないの?」


 エイミアの名前を聞いたとたん、ヴィーの表情が歪む。


「……エイミアですか……今頃は私の屋敷でメイドしてるんじゃないですか?」


 え、ちょ、ちょっと。


「な、何かあったの?」


「何かあったの、じゃありません! あの娘がモナ・リーゼとくだらない喧嘩をしたりしなければ、サーチは灼熱大陸に落ちずに済んだのですから!」


 ああ、それよそれ。


「たぶんだけどね、〝怨嗟の竜〟の仕業よ」


「……はい?」


「ミスズさんも言ってたけどね、モナ・リーゼは勿論、エイミアもドラゴンの眷属でしょ?」


「エイミアもって……ああ、勇者でしたね」


「そう。勇者のスキルの≪竜の絆≫を利用したんじゃないかって」


 それを聞いたナイアが。


「あの、それならばミスズさんも容疑者ですわよね?」


「え、ミスズさんが?」


「ええ。ミスズさんは嘆き」

「高速ダウト~」

 ずびしっ!

「ぐぎゃあ!?」

 ゴロゴロゴロゴロズシャーッ!


「あ、ミスズさん。今ナイアが言ってたことは」

「はい、記憶飛びダウト~」

 ずびしっ!

「ひぎゃあ!?」

 ゴロゴロゴロゴロズシャーッ!


 ま、またっすか……がくっ。



「さて、皆さん。サーチに私の正体をバラしたら、脳みそバーンダウトですからね?」

「「「言いません。絶対に言いません」」」


「さて、話は変わりますが……いらっしゃい」

「ふぇっ」


「あら、クラ子さん」

「召還主様!?」


「彼女が〝怨嗟の竜〟ですので」


「「「………………はい?」」」


「ふぇぇ、怨嗟の竜ですぅ」


「「「う、嘘でしょ!?」」」


「本当です。嘆きの名に賭けて、私が保証します」


「「「…………」」」


「ふぇぇ、で、では皆さん、これからについて話しましょう」


「「「あ、はい……ふぇ……」」」


「ふぇぇ、真似しないで!」

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