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final battle9 割込のミスズ。

「いたた……で、どういうことなんですか!?」


「うーん、そうね。まず考えてほしいのは、何故に精霊族はこのゲーム内でしか成長できないのか、って事かな」


 なぜって……。


「私にわかるはずがないでしょ」

「はい、ダウト~」

 ずびしっ!

「ぐぎゃあ!」

 ゴロゴロゴロズシャーーッ!!


「ちゃんと考えてくれないと、ビシバシダウトしちゃうからね」


 ビ、ビシバシやられたらマジで死ぬって。


「さーて、正解はぁー…………蛇の女王ちゃん、どう思う?」

「へっっ!?」


 意外な形で飛び火したヴィー。さあ、わかるかな。ウフフフ。


「え、えーっと、せ、精霊族は……精霊族は…………うーん……」


 さあ、ヴィーもダウトだ、ヴィーもダウトだ。


「えーっと、えーっと」

「あと十秒~♪」

「えっ!? あ、あーっと、せ、精霊族は、精霊族は……」


 七、六、五、四。


「精霊族は…………元々ゲーム内の住人だったからーーっ!!」


 あはは、ダウトダウト!


「だ…………大正解ーーっ!!」


 ……は?


「ヴィーちゃん、大正解! お見事! よくわかったね!」

「え? あ、当たったんですか?」


 え、ええええええ!?


「という訳で、サーチが飛び火ダウト~!」

 ずびしっ!

「ひぎゃあ!」

 ゴロゴロゴロズシャーーッ!!


 な、何でヴィー、正解しちゃうのよ……がくっ。



「精霊族の始まりはね、私と怨嗟が始めたカードゲーム(・・・・・・)が元なのよ」


「カードゲーム……ですか?」


「そう。怨嗟が他の世界で嵌まってたゲームを、私が対戦してあげるようになってね。それで私も嵌まっちゃって」


「は、はあ……それでどうして精霊族が出てくるんですか?」


「そのうちにねー、実際に目の前でリアルに再現してみないか、って話になって」


「ま、まさか、それでこの世界を!?」


「うん、創っちゃった♪」


「つ、創っちゃったって……」


「元は荒れ果てて滅びかけだった世界でね、そこを整備して、人がまた住めるような環境にして」


「……スケールが……」


「で、整備してる間は、僅かに生き残ってた先住民族をこの大陸に避難させて」


「……っという事は、精霊族は、この世界の元々の住人……ですか?」


「そう! つまり、ゲーム内の住人って事なのよ♪」


「……成程……精霊族は土地の結び付きが強い民族なんですね……だからこの世界じゃないと強くなれない……」


「でね、私と怨嗟、それから数人誘って運営委員会組織して、陛下に世界の枠組みを創ってもらって」


「そこから参加してるんですね、陛下……」


「で、もう一つの世界を巻き込む形で、携帯ゲーム『ドラゴンズサーチ』をオープンしたのよ」


「もう一つの世界を巻き込む?」


「ええ。精霊族の役割は『召喚獣』だから、それを操る『召喚術士』が必要でしょ。それをサーチの前世の住人に求めたのよ」


「成程。『召喚術士』側の世界では、純粋にゲームとして遊ぶ事によって参加してもらい」


「精霊族は『召喚獣』として成長の場を与える、と」


「あの、だったら精霊族は何故いまだに灼熱大陸に住んでいるんですか? ゲーム内とはいえ、元の世界に戻ってもいいのでは?」


「それがねー……今の形態だから、精霊族は死なないんだよ」


「はい?」


「もし精霊族が『ドラゴンズサーチ』内に完全に戻ってしまうと、負けて死んだら本当に死ぬようになっちゃうの」


「つ、つまり?」


「陛下はね、『ドラゴンズサーチ』をクッションのような役割にもしてたの」


「……つまり、灼熱大陸から一時的に参加する形態にする事で、死んだら本当に死ぬのではなく、強制的に戻される……ログアウトされるようにしたんですね?」


「そう。これなら精霊族にとっても損は無いのよ」


「…………はぁぁ…………とんでも無いスケールの遊びだったんですね、嘆きの竜(ローレライ)様……」


「あら、蛇の女王のヴィーちゃんは同格なんだから、名前で呼んで下さいな」


「同格なんて恐れ多いです。それより、今回の騒動の原因が怨嗟との対立が原因だという事でしたが?」


「ああ、そうそう。実はね、怨嗟が最近『飽きた』とか言い出して」


「はい」


「代わりに『炎の王』を運営委員会に入れる、とかほざきやがって」


「はいはい」


「あんな自己顕示欲の固まりみたいなの、自分の欲求満たす為にしか権限使わないから駄目だって反対したのよ、私」


「はいはいはい」


「で、そこから争いに発展しちゃって」


「はいはいはいはい」


「そこでね、他の運営委員会の人が仲介してくれて、今回の戦いを提案してくれたのよ」


「それが……サーチとどう関わるんですか?」


「それがね、今回の戦いのルールがね、怨嗟がゲームを運営し、私がそれを攻略するっていうヤツなの。とはいえ私が圧倒的に不利だから、自由に召喚獣を選ぶ権利を貰い、一番有用であろうサーチを召喚したのよ」


「成程、そういう事だったんですね……」


「ただ最近、灼熱大陸に移住してきた人間達と諍いが堪えなかったから、何とかしなきゃとは思ってたの」


「それも相まって、サーチは灼熱大陸の戦いに巻き込まれたんですね……」


「サーチが灼熱大陸に落っこちてきたのは、本当に偶然なんだけどね」



 い、いたた……は!?


「わ、私はいったい!?」


「あ、もう話は終わったから大丈夫よ。さて、ここからが真の最終決戦よ」


 わ、わけわかんないうちに、またもう一戦しなくちゃならなくなってるし。

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