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final battle7 真相のサーチ。

「…………終わった……のかしら?」


 完全に消えてなくなった炎の王。だけど何度も復活してきてるだけに、不安しかない。


「サーチ、魔力は感じません。おそらくですが、これで終わりかと」


 ヴィーが太鼓判を押してくれる。な、なら。


「私達の……勝利なのね?」

「……っ! 待って下さい!」


 リーフが割って入る。


「何よ、また何かになって復活したりするとか言いたいの!?」

「い、いえ、違います。ちょっと気になる事が」


 えー、気になる事?


「一応聞くけどさ、お願いだからフラグは立てないでね」


「リ、リーフだって立てたくて立ててるんじゃないですよ!?」


 やっぱり立てることになるんだ。


「で、何よ?」


「あ、はい。確認したいんですけど、今はゲームのルール、というモノから逸脱してしている状態なんですよね?」


「まあ、そうね」


 一番ゲーム内容に詳しいふぇ子をチラッと見ると、それで察したらしく、コクコクと頷いた。


「そうらしいわ。で?」


「以前に言ってましたよね、サーチお姉様。小手先のテクニックで勝った相手がいたけど、最後はフェイバリットで止めを刺さないと勝ち判定されなかったって」


「え、ええ、確かにそうね。ゲームのルール上はそうなんでしょ……って、まさか」


「今回の場合、それに該当しちゃいませんか?」


 た、確かにゲームのルールから逸脱している状態とはいえ、これが適用される可能性はないとは言い切れない。

 

「ま、待って下さい。その理屈が通用するのでしたら、リーフのフェイバリットで止めを刺したのですから、問題無いのでは?」


「はい、リーフのフェイバリットです。ですが、最初に戦っていたのはサーチお姉様です」


 それを聞いたふぇ子が、手をポンと打ち鳴らす。


「ふぇぇ、成程。それならフラグ立っちゃいますねぇ」

「「「えっ」」」

「ドラゴンズサーチにはあくまで一対一の対戦です。つまり、他の召喚獣が止めを刺すなんて事はあり得ません」


 ……って、どうなっちゃうのよ。


「とはいえ、ゲームでの最終形態まで倒しちゃいましたから、もう炎の王自体の登場は無いですね、ふぇ」


「え、実際のゲームでも、あんなにしつこいの?」


「はいぃ。ですから炎の王戦は『苦行』だとか『試練』だとか言われて、皆嫌がってましたね」


 苦行に試練。ま、あれだけ強いのがしつこく復活してこれば、誰でもそう感じるわよね。


「あ、でもロボットはないんでしょ?」


「ロボットですか? 難易度によっては登場しますよ」


 へ?


「じゃ、じゃあ、あれって」


「最高難易度だけに登場するロボット形態ですね。ゲームでは普通の難易度で、火山の前哨戦→生身の炎の王戦→ゾンビ炎の王戦となりますけど、最高難易度では生身の炎の王戦がロボット形態炎の王戦に差し変わって、更にガラクタ炎の王戦が追加されます」


 つ、つまり今の戦いじゃん!


「その、ロボット形態になる流れって……」


「火口に控えてる生身の肉体が、ロボットに切り替わってるだけです。今回みたいな無理矢理な展開ではありませんね」


 ……うーん……どうなるの、これ?


「あら、もう勝ったんですね。流石はサーチ」

「ひぇ!?」


 背後に強烈な気配を感じ、振り返ってみると。


「さっきぶりですね」


 ミ、ミスズさん!?


「ありがとう、サーチ。これでようやくチュートリアル終了です」

「あ、はい」

「私が無理矢理ねじ曲げなくでも、サーチならこうなるんですね」

「はい…………はい?」


 私なら、こうなる?


「サーチなら必ず道から外れた方法でクリアしてくれると思ってました」


 道から……外れた?


「そうでもしないと現れてくれないんですよ…………強制力は」


 強制力?


「つまり、ゲーム内容を是正しようとする力」


 是正って、それって。


「緊急メンテナンス、みたいな?」


「そうそう! そうじゃないと現れないんですよ、怨嗟は」


 …………は?



『ゲーム進行に多大な影響を及ぼすバグを確認致しました。これより、緊急メンテナンスを行います。プレイヤーの皆様は速やかにログアウトして下さい……繰り返します、ただいまゲーム進行に多大な影響を及ぼすバグを確認致しました……』



 へ!? な、何なの、この声!?


「ふぇー……そう来ちゃうんだ……ごめんね、サーチさん、私、ログアウトするわ」

「な、ふぇ子!?」

「私みたいな存在が運営に知られちゃうとマズいからね……ごめんね」


 シュンッ

 そう言ってふぇ子は消えた。


「え、召喚主様!?」


 ってことは、召喚獣であるリーフも消える?


「あ、リーフちゃんは私が繋ぎ止めておきます」


 は?


「ヴィーちゃん、リーフちゃんの仮召喚主になってね」


「え? あ、はい」


 た、確かに今のヴィーはフリーだけど、ミスズさん強引すぎじゃ。


「ごめんねー、サーチ。私事に巻き込んじゃって」


「わ、私事?」


「ここまで関わっちゃったんだから、サーチには真相を知る権利があるよね」


 そう言ってミスズさんは、真相を暴露した。



「今回のドラゴンズサーチ内での戦いは、私と怨嗟との対立が主な原因なのよ」



 ……え?


「ど、どういうことですか?」


「んー……まずこのゲームがどういう意味を持っているか、それはわかるかな?」


「どういう意味って……精霊族の成長の場、という意味合いですよね?」


「うん、半分正解で半分外れね」


 え?


「だから、半分ダウト~」

 ずびしぃ!

「あぎゃあ!」


 け、結局ダウトされるんじゃん!




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