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last stage12 脱衣のサーチ。

 ラスボスがいるに相応しい舞台に続く一本道を、一列になって進んでいく。


 グラグラッ

「ふええっ」


 微妙に不安定な一本道で、私達が歩くたびにグラグラ揺れる。で、そのたびにふぇ子がふぇふぇする。


「ふぇ子、うるさいわよ」

「ふぇぇぇ!?」

「サーチお姉様、何度言ったらわかってもらえるんですか!? ふぇ子では無くクラ子です!」

「ふぇぇ!」

「サーチお姉様がふぇ子ふぇ子言うから、召喚主様がふぇふぇ五月蝿くなるんです!」

「ふぇ!?」


 上げて落とすって、リーフもイジるわね。


「ていうか、まさかリジーが五炎将の一人だったんて……」


「うむ、一人定年で引退しての。その後釜が見つかるまでの間、バイトしてもらってたのじゃ」


「五炎将ってNPCじゃないの?」


「NPCと言うでない。現地人と呼ぶのじゃ」


 つまりNPCか。


「ていうか、NPCとリジーじゃ、力の差が圧倒的すぎて、バイトが最強になっちゃうんじゃ?」


「だからNPC言うでない……まあ、リジー最強は否定せぬが」


 後釜、当分見つからないんじゃ。


「それよりマーシャン、ラスボスまでの道を凝るのは結構だけど、真下をマグマにしたのはやりすぎなんじゃ?」


「心配要らぬよ……ほれ」

 とんっ

「ふぇっ」


 マーシャンは震えていたふぇ子の肩を押し、マグマの池に突き落とし…………えええっ!?


「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「しょ、召喚主様!?」


 ふぇ子を突き落とした当人は、何故か上を見ながらフラフラしている。


「ふむ、この辺りじゃな」


「へ、陛下! 何て事をなさるのですか!」


 リーフの抗議に対してもどこ吹く風。


「陛下っ!」


「心配せずとも…………む、少しズレたの」


 はい?


「サーチや、三歩後ろに下がるのじゃ」


 へ?


「ほれ、早ようせい」


 あ、はいはい。後ろね。


 …………ひゅ~~


 ん?


「…………ぇぇぇぇぇぇええええええ!!」


 へ?


「ふぇぇぇぇぇぇぇ!」

 どすぅぅん!

「いったああああい! ふぇぇぇ!」


「「「……え?」」」


 し、下に落ちたはずのふぇ子が、上から? え、えええ??


「あのマグマは流石に危険じゃからの、この一本道から落ちた場合は上空に転移するようにプログラム……いや、設定……いや、転移結界が張られておる」


 マーシャン、今プログラムだとか言わなかったかしら?


「ま、落ちても死なないんだったらいいわ」


「じゃがの、当然ながらペナルティはあるのじゃ」


 ペナルティ?


「ふぇっ!? ふぇ、ふぇ、ふぇぇ!!」


 胸を押さえてキョロキョロしてるふぇ子。いったい何ごと?


「落ちる度に服が一枚ずつ消えていくのじゃよ。しかも下から」


 下から…………つまり下着が没収されたのね。


「じゃからの、えい」

 どんっ!

「え…………ぎゃあああああああああ!」

 ひゅうううぅぅぅ…………


 次はリーフが突き落とされる。


 ぅぅぅうううっ

「ぁぁぁあああっ!」

 どすぅぅん!

「いったああああっ!」


「当然ながら、召喚獣も同様じゃ」


 ふぇ子と同じように胸を押さえ、周りをキョロキョロするリーフ。おそらくブラを探しているのだろう。



 スタスタスタッ

 ゆっさゆっさゆっさ


「ふぇぇ……」

「へ、陛下、いい加減に返して下さいよ!」


「むっふっふ、いーやじゃよ。このような良い眺め、そうそう手放してなるものか」


 …………ていうか。


「マーシャン、ヴィーは落とさないの?」



 ピシッ



 あ、凍りついた。


「ヴィーの胸はその二人よりは確実に大きいよ?」


「あ、いや、その、じゃな」


 あたふたするマーシャンに、澄まし顔のヴィー。ははーん、これは。


「……一度やったな」


 ビクゥ!


 マーシャンの肩が跳ね上がる。


「……ヴィー、きっっついお仕置きした?」


 ヴィーはニッコリと微笑み。


「はい、程良く(・・・)


 なるほど、ほどよく(ガッツリ)か。


「つまり、マーシャンも?」

「下着は全て没収しました」


 ノーブラノーパン!?


「…………」


 ……じっくり見てみると……動きがぎこちない気がする。


「……≪気配遮断≫≪忍び足≫発動」


 ソ……ソ……


「……おしおキック」

 ばきゃ!

「おぐぅふぉ!?」

 ひゅうううぅぅぅ……

「何でなのじゃあああぁぁぁ……」


「サ、サーチ?」


「あ、マーシャンの確かめるんだったら、落として一枚剥ぐのが早いかなって」


「い、一枚剥ぐって……陛下はワンピースですよ!?」


 うん、着物に似たヤツね。


「そうすりゃマーシャンが何も履いてかどうか丸わかりじゃん?」


「そ、それはそうですけど……あ、来ましたよ」


 ……ぅぅぅうううん!

「ぁぁぁあああっ!!」

 どすぅぅん!

「うぐあああ、お、お尻がぁぁぁ……」


 どれどれ…………ん?


「何だ、マーシャンもう一枚重ねてたの?」

「こ、こういうローブの場合は専用の下着があるのじゃ!」


 ふうん、和装肌着みたいなのか。


「つまり、もう一回落とせばわかるって……あ、こら!」


 そう言われたマーシャンは一目散に逃げ出す。


「逃がすかあ! ダッシュからのロケットおしおキック! つまりドロップキック!」


 ぐおっ どげっ!

「あぎゃはあああっ!」


 威力は申し分なし、かなり遠くまで飛んでいった。


「おう、ホームラン♪」


「あら、大変」


「ヴィー? 何が?」


「陛下の術式の範囲、あの辺りはカバーしてないんです」


 え。


「そ、それって……」



 ……ぼちゃん

「あっちいいいいいいいいいのじゃああ!」



 ……マグマに落ちてまで「のじゃ」は忘れてないんだから、大丈夫……よね?

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