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last stage11 五連のサーチ。

 ザコの出現数も極端に減り、火口への道を塞ぐヤツももういない、と思えてきたとき。


「ねえ、か……サーチさん。ラスボスの前って、結構四天王だとか三人衆だとかが出てくるよね?」


 というフラグを立てやがった。


「……あえて言わないようにしてたのに……」


「え?」


「あのさ、そうやって言うと、そういう連中がホントに出てきたりするから、言わないようにしてた」

「フハハハハハ! よくぞここまでたどり着いたな!」

「…………ほら、さっそく現れたじゃないの」


 わざわざ黒いマントに身を包んだ敵は、隙間からメラメラと炎を吹き出していた。


「我は五炎将の斬り込み隊長、剛腕のメランなり!」


「「「……五炎将?」」」


「……何だ?」


「いや、普通は三人か四人じゃない?」

「そうですね、五人と言うのは珍しいですね」

「妾、自分の前座に五人も要らんのう」


「なっ!? わ、我ら五炎将を馬鹿にするか!?」


「いーえ、バカにするつもりはカケラもあーりましぇん」

「あくまで一般論を語っているだけです」

「無論、五炎将等と言う奇妙な相手でも、それなりに敬意は払うのじゃ」


「っ……! 貴様らぁぁ! そこまでコケにするかあああ!」


 急に怒り出す剛腕のメラン。何でよ。


「もはや語るべき言葉は無い! ここからは我が剛腕にてお前達の身体に叩き込んでくれる!」

「いきなり『鉄クズの流星雨』(シューティングスター)

「ぐぎゃああああっ!」


 マントのまま吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられるメラン。


「ぐ、ぐふぅ……ふ、不意打ちとは卑怯なりぃ……」


「不意打ちを警戒しなかったあんたが悪い」


「ごぶ……わ、我を倒したくらいで、いい気になるなよ」


「ならないわよ。ワンパンで倒せるようなのって、どうせ『我は五炎将で最弱』とかなるんでしょ」


「ぐはあああっ!? な、情け容赦無さすぎぃぃ……がくっ」


 はい、五炎将の一角、陥落。


「サーチお姉様、こういうのがパターンなんですか?」


「まあ、ワンパンってのはあんまりないけど、最初のが最弱ってのは定石かな」


「でしたら、この後はどのような展開になります?」


「そうねえ…………だいたいは『ここは私が引き受けるから、貴女は先に行きなさい!』って感じかな」


「つ、つまり、一対一の戦いに!?」


「そうなるわね」


 それを聞いたリーフは、決意を胸に私に語る。


「でしたら、そういうのは無しにして、全員で各個撃破していきませんか?」


 ……はい?


「えーっと、どういうこと?」


「正直な話、リーフは一対一を勝てる自信はありません」


「え、何で?」


「第一に、対戦相手は間違いなく全員火属性。木属性のリーフは属性相性が最悪です」


 う、うん、確かにそうね。


「第二に、これが決定的です。私の召喚主様は、弱点を超えた弱点です」

「ふぇぇぇ!?」

「あ、それは仕方ないわ」

「ふぇぇぇ!?」

「確かに、仕方ありませんね」

「ふぇぇぇ!?」

「うむ、仕方無いのじゃ」

「ふぇぇぇ!?」


 ソース子はふぇ子の後ろから手を回し。


「……つまり、お・に・もつ♪」

「ふぇぇぇぇぇぇん!!」


 止めを刺した。


「そういう訳で、リーフは最後までサーチお姉様にお供します」


 あ、うん、ありがと。


「でしたら、陛下」

「うむ、妾もリーフに乗っかるとしようかの」


 そう言われたリーフは、マーシャンに右手の平をかざす。


「陛下、申し訳ありませんが、リーフの身体はサーチお姉様以外に許すつもりはありませんので」


「……あー……リーフや、言い方を変えるぞい。リーフの意見に乗っかるのじゃ」


「あ、そういう事でしたか。失礼しました」


 まあ、確かに、マーシャンに乗っかる発言されたら、それを疑うわな。


「ていうか、私ならオッケーなのかよ!」

「はい、ウェルカムです」


 ウェルカムじゃねえよ!


「……サーチ、また伴侶を増やすつもりですか?」


 増やさないよ! ていうか、まだ二人じゃんか!


「ナイアの伴侶加入はほぼ決まりですから、三人は確定してますね」

「サーチや、三人も囲っていれば、十分に多い方じゃぞ?」


 やかましい! ていうか、マーシャンにだけは言われたくないわ!



 リーフの進言通り、各個撃破していく。


「フハハハハハ! よくぞここまで来たな。我は五炎将の二番手、快速のホノ」

『鉄クズの流星雨』(シューティングスター)!」

≪水流弾≫(アクアバレット)!」

『深緑の葉刃』(リーフカッター)!」


 ズガアアアアン!


「ぐはあああっ! む、無念……ぐふっ」



「フハハハハハ! よくぞここまで来たな。我は五炎将の三番手、鉄壁のモエ」

『鉄クズの流星雨』(シューティングスター)!」

≪水流弾≫(アクアバレット)!」

『深緑の葉刃』(リーフカッター)!」


 ドガアアアアアン!


「ぎゃあああ! さ、三対一なんて聞いてな……がくっ」



「くふふふ。ようこそ、死出の旅路の出発点へ。私は五炎将の四番手、紅一点のエン」

『鉄クズの流星雨』(シューティングスター)!」

≪水流弾≫(アクアバレット)!」

『深緑の葉刃』(リーフカッター)!」


 ばっかああああん!


「きゃあああ! せ、せめて台詞を最後まで……ぐふっ」



 そして、五炎将の最後。


「よくぞここまで来たなー、誉めてつかわすー」


 …………あまりにも棒読みすぎて、攻撃する手が止まる。


「この先に進みたければー、この氷炎のリージを超えていくがいいー」


 …………何だろう、この会ったことある感。


「えーっと、リジー?」


「リジーでは無ーい! リージであーる?」


「……と思われ?」


「と思われ……じゃなーい!」


「……バイト?」


「陛下に誘われて……違ーう!」


 マーシャンを見ると、頷いて前に出る。


「バイト代を倍にするでの、退いてくれぬか?」


「………………うわあああ、やられたあああ」


 リジー……じゃなくてリージがわざとらしく倒れる。


「ぐふー、先に進むがいいー」


 最後まで棒読みのリジー……じゃなくてリージに手を振ると、そっと不利返してきた。やっぱリジーじゃん。

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