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extra 闘魂のコーミ。

今回は完全に私の趣味です。強引な試合展開には突っ込まないで下さい(笑)

『ザ・グレネード・モンタの入場です!』


 相手は非道の権化、グレネード・モンタか……油断できないわね。


「……何視てるの?」


 テレビにかじりつく私に、ナタリーンの冷ややかな声が浴びせられる。


「何を視てるって、木乃井さんの引退試合よ、木乃井さんの!」


「まーたプロレス観てるの? 飽きないねえ」


 飽きてたまるかっ。今日は私の大好きな選手の。


『続きまして、ランドリオ木乃井の入場です!』


「きゃ~~~~っ!! ランドリオ様~~~っ!!」


「……そんなキャアキャア言うようなタイプ? まだジャ○ーズの方が可愛いじゃん」


 うっさい、ジャンルが違うからいいの!


「大体さ、ランドリオって何よ、ランドリオって」


 それは…………私も知らない。


「裸の男が正面からぶつかり合うの観たって、別に嬉しくないよね」


 あ。あんた、世界中の格闘技ファンに喧嘩売ったわね。


「ナタリーン、お腹に力入れて」


「え?」


「闘魂~注入!」

 ばしぃぃん!

「いった!? な、何すんのよ!?」


 急に頬を張られたナタリーンが、私に食ってかかる。


「ナタリーン、これがランドリオ木乃井の得意技・闘魂ビンタよ」


「闘魂ビンタって……普通のビンタだよね?」


「そう、普通のビンタ。だけど、木乃井さんがするから闘魂ビンタなの」


「……??」


「これが理解できるようになったら、プロレスが何なのかわかるようになるわ」


「……ボクには永久に理解出来ない気がする」


 カァン!


『さあ、ゴングだぁ! まずは両者睨み合い!』


「…………」


「コ、コーミ? 何でボクを睨むのさ?」


 ナタリーンを中心に、グッと睨んでグルグル回る。


『あーっと、動いた! 先にグレネード・モンタのタックルが決まる!』


 あ、あ、木乃井さんが倒されちゃった!


 ガシィ

「わっ!? 何だよ、急に!」


『そのままグラウンドでの攻防!』


「ちょ!? 何でボク相手にくんずほぐれつ!?」


『あーっと、グレネード・モンタ、腕を取り、キーロックを極めたぁ!』


 あああ、木乃井さあああん!

「あいだだだだだ! 離して離して離してええ!」


『ガッチリ極まっている! これは逃げられないか!』


 木乃井さん、今は我慢よ我慢! もう少しで足がロープに届くから!


「いだだだだだだだだだだ!」


『おーっと、ここで木乃井の足がロープにかかりました!』


 よーし、危機脱出。


『な、何だぁ!? グレネード・モンタ、審判の制止を聞かずにキーロック強行だあ!』


「ちょっと、ロープじゃない! ブレイクよブレイク!」

「ボクの腕がブレイクするぅぅ!」


 え? あ、いつの間にかナタリーンに技かけてたか。


「ごめんなさい、つい」

「つい、じゃないよ! 右手の感覚無くなっちゃったじゃんか!」


 右手をパシパシ叩くナタリーン。だからごめんなさいってば。



 審判によって強引に離されてから、試合再開。


『あーっと、ここでランドリオ木乃井が攻勢に出たあ!』


 え、木乃井さんが!?


『怒りの木乃井、キックの乱打だあ!』


 おお、アリキックアリキック!

 バシバシバシバシ!

「痛っ!! ま、また!?」


『これは膝を痛めているモンタには会心の一撃だ! 形勢逆転か!』


 よーし、その調子、その調子!

 バシバシバシバシ!

「あいたたた! だから痛いってば、ちょっと!」


『アリキックでたじろいだモンタに、必殺の延髄切りが極まる!』

 よーしっ!! 木乃井さんのペースになってきたわ!

 ばごお!

「へぶぅ!?」

 ばたっ


「あ、あれ? ナタリーンどうしたの? ねえ、ちょっと?」


 急に目を回したナタリーンを揺さぶる。な、何があったの?


『あーっとっ! ここでモンタの毒霧が木乃井の顔面に炸裂! 木乃井、目を押さえて苦しむ!』


 毒霧!? あれってタマネギの成分を含んでるのよね!?


『グレネード・モンタの反撃! 低空ドロップキックとドラゴンスクリューが容赦なく木乃井の膝を痛みつける!』


 あああ、グレネード・モンタの得意な戦法!


『このまま足四の字か…………いや、コーナーに駆け上がり……』


 いやあああ! フィニッシュじゃん!


『グレネード・モンタのムーンサルトが木乃井に襲いかかる!』


 木乃井さあああん!


『審判、カウントを取る! ワン、ツー、スリ……あーっと、跳ね除けた! 木乃井、ギリギリで跳ね除けたあ!』


 やったあああ! さあ、木乃井さんの番よ!


『怒りに闘魂が燃え上がる! 木乃井が鬼になる!』


 盛り上がってきたわあ!


「う、ううん……あ、あれ? 何でボク寝てたんだろ?」


『木乃井のナックルバートが炸裂!』

 よし、鉄拳制裁!

 バキィ!

「ぎゃぶ!」


『木乃井の怒涛の連撃がモンタを襲う!』

「いいぞいいぞお!」

 バキバキバキバキバシバシメキィ!

「コ、コーミ、ストッ、ストップ、ストップゥ!」


『再び延髄切り!』

 ゴッ!

「はぶぁ!?」

『そして、木乃井のフィニッシュホールドの卍固め』

 出たあ、卍固め!

 ギリギリギリギリッ

「あいだだだだだ!」

『……いや、ではなく、コブラツイストだあ!』

 え、コブラツイストの方なの!?

 ギリギリギリギリメキメキメキメキ

「ぐええええええ!」


『あーっと、ここでタップ! グレネード・モンタ、ギブアップ!』

「ギブギブギブギブ! ギブアップぅぅぅ!」

 カンカンカン!

『ランドリオ木乃井、自らの引退試合を勝利で飾ったあああ!』


「やったあああ!」

「きゅ、きゅううぅぅ……」


『さあ、ここで勝利の、一、二、三、』

「『ダアアアアアッ!』」

「ダ、ダアア……がくっ」

今更ですが、追悼アントニオ猪木。

明日から本編に戻ります。

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