play3 鬼畜のサーチ。
「それでは第二試合! 両選手、入場!」
はあ……結局トップを取り返すことができないまま、試合に臨むことになった。まあ、ブラは調達できたので先っぽ丸見えという事態は裂けられたけど。
「まず登場したのはソース子選手の召喚獣、鉄クズのサーチ! 星一でありながら、並み居る強豪に一度も触れられることなく、圧倒的な強さを見せつけての本戦進出であります!」
あのね、技名叫びながら真正面から攻撃してくるヤツなんか、当たるはずがないでしょうが。
「続きまして、アンチテーゼ・フォン・アドレナリン選手の召喚獣、女王サーシャ・マーシャの入場………………あれ?」
マーシャン、出てきたら瞬殺する。
「サーシャ・マーシャさーん? 出てきて下さい」
マーシャン、出てきたら八つ裂きにする。
「サーシャ・マーシャさん? どうかしましたか?」
マーシャン、出てきたら遠慮なくブッ放す。
「サーシャ・マーシャさん?」
「サーシャ・マーシャ、行きなさい!」
「嫌じゃ嫌じゃ、妾はまだ死にたくない!」
マーシャン、出てきたら蜂の巣にする。
「早く出てきて下さーい。失格になりますよー!」
「サーシャ・マーシャ!」
「後生じゃあああ! 妾を助けたもうー!」
マーシャン、出てきたら爆砕する。
「カウントを取ります! ワン、ツー、スリー」
「早くしなさい! 往生際が悪いですわよ!」
「嫌じゃあああああ! 往生したくないいいい!」
マーシャン、出てきたら殺す、殺す、殺す。
「フォー、ファイブ、シックス」
「仕方ありませんわ。絶対命令、今すぐ舞台に行きなさい!」
「嫌なのじゃあああああ!」
マーシャン、泣きながら入場。
「出てきたわね。マーシャン、出てきたわね」
「うわああああ、目が据わっておるうう!」
当たり前でしょ、トップを返さないからよ。
「では、第二試合開始」
「『鉄クズの流星雨』パーンチ!」
ずどむっばがががががががががっ!
「ぐるびゃぎぃぃ!?」
私の先制パンチがマーシャンの右頬に炸裂し、同時に発動したフェイバリットで鉄クズごと吹っ飛ぶ。
ガンッ ゴロゴロゴロゴロッ
ザザザーッ
「じょ、場外! 鉄クズのサーチの勝利」
ザッザッザッ
「え? あの、サーチさん?」
審判の横に来て、何故か足が滑る。
「あ~りゃ~」
ガッ
転びそうになり、ついつい審判の首を掴んでしまい。
「あれれ~」
「わ、ちょっ」
ごすぅ!
そのままスタナってしまい、半回転して地面に倒れる審判。
「あらぁ、しまったぁ。審判が事故で気絶してしまったぁ」
ま、わざとだけど。
「ていうか、審判は見てなかったんだから、試合は続行よね♪」
場外に降りて、目を回してるマーシャンを舞台に引きずり上げる。
「ほら、マーシャンの攻撃の番よ」
「…………」
「返事がないので、パスと見なします。じゃ、私の攻撃の番ね」
まだ目を覚まさないマーシャンを地面に転がし、おもいっっきりジャンプ。で、そのままマーシャンの腹の上に。
「『鉄クズの流星雨』ストンピング」
ズドオッ! バガガガガガガガガガガッ!
「おぶげふぅ!?」
足からフェイバリット発動、全体重が乗ると同時に。
「ごぼぉ!」
内臓にダメージがいったのか、血を吐くマーシャン。
「さーて、マーシャン。私のトップを返してもらおうかしら」
「げふげふ、だ、だから、妾は知らぬと言っとろう」
「はい、マーシャンの攻撃は再びパスね。なら私の番~」
「ま、待て! 待つの」
「『鉄クズの流星雨』アッパー」
どごぉ! ばがががががっ!
「はみゅがみゅあべえしぃぃぃ!」
ゴロゴロゴロゴロバガァァァン!
あーあ、壁に穴空けちゃって。ちゃんと弁償しなさいよ。
「マーシャン? トップはどこ?」
「だ、だがら、じらない」
「『鉄クズの流星雨』パントキック」
バギィ! バガガガガガガガガ!
「んぎゃひぃ!」
仰向けになって倒れたマーシャンは、すでに血塗れ。
「マァァァシャン、トップはどこぉぉぉ?」
「ほ、本当に知らぬのじゃ」
「あらそぉぉぉ」
今度は首をガッチリロック。
ぎゅうううぅぅぅ
「ぐええええっ! チョークは反則じゃあああああ!」
「やかましい。審判見てないからいいのよ」
「言ってる事が完全にヒールぐええええっ!」
まーだ返さないつもりですかー。
「ヒールならヒールらしく、ヒールな武器で『鉄クズの流星雨』」
どんがらがらがらどんがらがら!
「うっぎゃあああああ! パイプ椅子が降ってきたああああ!」
がぁんがぁんぎぃんぎぃんがぁぁぁん!
「ゴング!? ゴングまで!?」
ざくざくざくざくざくざくざくざく!
「フォークは凶器でも危険すぎじゃあああ!」
さらに血みどろになるけど、まだ返さない。
「なーらー、最終宣告ー」
びぃぃぃん……くるんっ
「くぇ! ワ、ワイヤー!?」
「ちょっと引っ張れば、首がサクッと逝っちゃうよ♪」
「い、嫌あああああ! 誰か助けてなのじゃあああ!」
「さあ、返すの? 返さないの?」
「だ、だから本当に知らないのじゃ!」
「あっそ。から逝っちゃいな」
プツッ
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
そのとき。
「サーチさん、警備隊に落としモノのビキニアーマーが届いたって」
「「………………え?」」
「黒い装甲だって。間違い無いんじゃない?」
「……………………」
「…………だ、だから知らんと言うたじゃろが!」
「…………マーシャン、ごめん。改めて再試合で」
「二度と御免じゃあああああ!」
女王サーシャ・マーシャ、再試合を辞退。よって私が勝ち上がった。