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play1 開会のサーチ。

「……………」


「コーミもまだ?」


「うん。アップデート、長すぎじゃない?」


「いや、アップデートしてからのロードに時間がかかってるね」


 ま、どっちでもいいけどね。


 ……ピロリン


「あ、やっとロード終わった」


 やれやれ、やっと世界一魔術会の本戦か。


「校内選考会も大変だったから、魔術会はもっと大変でしょうね」


「まーねー。だけど優勝賞品のレアアイテムは絶対に欲しいよ」


 ネットでもゲット情報がほとんどあがってない、かのサイ○ウォンド並みのレアアイテムだからね。


「あ、本戦だ…………ん?」


 あれ、リーフが居ない?


「ねえ、ナタリーン。そっちにはリーフって居るよね?」


「え、当たり前じゃん、ストーリーモードなんだし」


 だよ……ねえ。


「私の、何故かリーフが出場してないんだけど……?」


 はあ?



「あーあ、リーフが出場しないなんて」


「し、仕方無いじゃありませんか! あれは召喚主様が……」

「ふぇぇぇぇ!?」

「あ、いえ、何でもありません、はい」


 ふぇ子がふぇふぇする方が厄介だと判断したみたいで、それ以上口にするのを止めるリーフ。


「ソース子、サーチ、何をしてますの。もう開会式ですわよ」


 廊下から声をかけてきたアンチテーゼ・フォン・アドレナリン先輩。冗談みたいな名前だけど、間違いなく本名だ。


「はいはい、行くわよソース子」

『え、逝くの♪?』


 ちげえよ。ていうか、あんたのそのボケにも飽きたわよ。


「ルック船長、大会の間は謹んでよ」


『え、謹んでお悔やみ申しぱげしゃ!?』


 だから止めなさいっての!


「戦ってる最中に出てこられたら困るっつってんのよ!」


『は、はひ、すびばせん♪』


 謝ってるのに楽しげなのがイラつくのよ。


「まあいいわ……ソース子、あんたが取り憑かれてよ」


「わかったわ。しばらく預かる」


 そう言われたルック船長は、嬉々としてソース子に飛びつく。ていうか、飛び憑く。


『よろしくお願いしますね、仮取り憑き主♪』

「……悪霊退散。なーむあーみだー」

『ひえええぇぇぇ!? 成仏させないでええ!』


 ソース子、何故かルック船長には滅法強い。


『ううう、今回こそ逝かせてやるぅぅ』

「はいはい、できるもんならやってみなさい、なーむあーみだーなーむあーみだー」

『いやあああ! 私が逝っちゃうぅぅ!』


 逝くとかイクとか言わないの。健全な大会にR指定ぶち込むな。



「早く来なさいな!」


 危ない危ない、開会式に危うく遅刻するとこだったわ。


「えー、全員揃いましたな。では開会式を始めます」


 運営委員会の人かな。犬のお坊さんみたいな人が、壇上であいさつしている。


「ん? 犬みたいなって……」


 どこかで見たような。


「では館長、一言お願いします」


 ん? あの犬が、館長?


「サーチさん、高名な方ですのよ、あの館長は」


 へ、へえ、あの犬がねえ……ま、何を言うか聞いてみようかしら。


「あの、館長? 何か一言を」

「……わん!」

「ありがとうございました!」


 ……やっぱりどこかで見たような……。


「流石は館長ですわ、胸に響く鳴き声」

「そうじゃな。運営委員会をまとめてるだけはある」


 胸に響く鳴き声!? あれが!?


「ていうか、運営委員会まとめてるなら委員長じゃないの?」


「委員長も兼ねている、魔術寺の館長なのじゃよ」


 ま、魔術寺……確か似たようなのがあったような……。


「では、開会式を終了します。お疲れ様でした」


 ……へ?


「はああ、素晴らしい開会式でしたわね」

「うむ、運営委員会の努力の賜物じゃな」


 素晴らしい開会式!? わん、の一言の開会式が!?


「アン、マーシャン、何かおかしいんじゃないの!?」


「「何が?」」


 いやいや、絶対におかしいって!


「ソース子、あんたはどう思って」

「胸を打つ鳴き声、堪能しました……」

「って、あんたもかよ!」



 開会式終了後、トーナメントの対戦を決めるくじ引きが行われた。


「ソース子、ルック船長を」

「不正はダメだからね!?」

「……ちっ」


 マーシャンとはなるべく当たりたくないから、避けてもらおうと思ってたのに。


「まずはセリフ・おふ選手!」


 呼ばれて前に出る、サムライ風の男性。ていうか、この世界の住人って変な名前ばっか。


 ゴソゴソ


「……六番だ」


「はい、六番。第三試合ですね」


 うーん、くじ引き抽選のシーンまで本家を彷彿とさせるわ。


「次、アルカナさん」

「はい」


 普通の魔術師スタイルの美人さん。名前も普通だ。


「……十一番です」

「第六試合ですね。しばらくお待ち下さい」

「わかりました」


 ……マーシャンの視線が釘付け。どうやら好みだったらしい。


「次、アンチテーゼ・フォン・アドレナリンさん」

「はい」


 ざわっ


 アンの名前が出たとたん、周りがざわめいた。


「……ソース子、やっぱアンって有名なの?」


「アン先輩も有名ですけど、やはり家名でしょうね」


 なるほど、やっぱりアドレナリン家は名家だってことか。


 ゴソゴソ


「四番ですわ」

「はい、第二試合です」


 早いわね。


「次はソース子さんですね」

「あ、はい」


 頼むわよ、絶対にマーシャンから離してよ。


 ゴソゴソ


「はい!」

「そうですね…………あ、三番です」

「「げええっ!」」


 って、え?


「マーシャン?」


「わ、妾……アルカナと当たりたかった」


 想像はできるけど、何でよ。


「試合で、アルカナと【いやん】したかった……」


 やめい。


「……仕方ない、サーチで我慢しようかの」

「い、嫌だあああ! マーシャンとの試合、絶対嫌だあああ!」

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